殺人犯はわが子なり ネロ・ウルフ |
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作家 | レックス・スタウト |
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出版日 | 2003年10月 |
平均点 | 4.40点 |
書評数 | 5人 |
No.5 | 1点 | 愚か者 | |
(2024/09/19 13:22登録) フーダニットはワンパターンな話だし、最初の人探しの解決がさらりと片付けられてしまい、クライマックスもあっけなく余韻に欠ける。 10点満点で採点し直しました。1点→1点 変わらず |
No.4 | 6点 | E-BANKER | |
(2020/11/18 15:33登録) 巨漢で美食家の探偵ネロ・ウルフシリーズの十九作目(ウィキペディア調べ)に当たる長編。 このシリーズを読むのも久しぶりなのだが、これまでパッとした印象がないんだよなぁ・・・ ということで、1956年の発表。 ~はるばるネブラスカからマンハッタンのウルフの住居を訪ねてきた老資産家の依頼は、11年前に勘当した息子を探してほしいというものだった。ウルフは助手のアーチーに命じ、早速新聞に情報提供を呼び掛ける広告を打つ。ところが応じてきたのは、警察や新聞記者、弁護士といった連中ばかり。どうやら今話題となっている殺人事件の被告がくだんの息子と同じイニシャルらしい。公判に出向いたアーチーは、その被告こそが問題の息子だと確信するのだが・・・~ 2020年11月初旬。TVは某アメリカ大統領選一色である。 日本人から見ると、到底信じられない選挙戦が繰り広げられる民主主義の先進国。そして、やはり主役はあの男、そう、トランプ大統領その人。 個人的には、あの方を見てると、「典型的なアメリカ人」というか、「日本人が頭の中で思い描くアメリカ人」に一番近いのではないかといつも思ってしまう(とにかく体がデカくて、大声でまくし立てて、押しが強いetc)。 まぁ、選挙戦の結果はおいおい判明するだろうけど、文化の違いって大きいんだなって思わずにはいられない。 いやいや、大統領選の話はどうでもよかった・・・(ただ、ネロ・ウルフって、どうも私の頭の中でトランプ大統領の姿と被ってしまうんだよねぇ・・) で、本作なんだけど、まず最初に言ってしまうと、面白いか面白くないかがよく分からない作品、だった。 長きに亘って続くシリーズらしく、ウルフやアーチーをはじめとするシリーズキャラクターは今回も生き生きと動き回ってくれる。ストーリーもテンポよく進んで、ラストは関係者一同を集めてウルフが真犯人を指名するなんて場面まで用意されている。 こう書くと面白いに違いないはず・・・なんだけど、うーん、どうもね。 シリーズを読み込んでいる読者でもないし、ただウルフの経験則に基づいた推理が徐々に開陳されるのを待つのみ、というプロットがどうも合わないのかもしれない。 一編の読み物としては十分に面白さは兼ね備えてる、ということは言えるので、まぁそこそこの評価ということに落ち着くのかな。 |
No.3 | 5点 | 雪 | |
(2019/02/12 21:00登録) ネロ・ウルフに会いにはるばるネブラスカ州オマハから訪れた実業家、ジェームズ・R・ヘロルドの依頼は面倒なものだった。十一年前にたたき出した息子ポールを改めて探し出して欲しいというのだ。店の金二万六千ドルを盗んだ真犯人が判明したので、今度はせがれを見つけたいのだという。現住所は不明だが、毎年届くバースデイ・カードの消印は、常にニューヨークなのだ。 ウルフは「タイムズ」紙に頭文字P・H宛で帰還を促す三行広告を出すが、直後に助手のアーチー・グッドウィンは、馴染みの新聞記者ロン・コーエンからなにか情報を握っているのかと尋ねられる。同じ頭文字のピーター・ヘイズという男が、愛人の夫マイケル・M・マロイを射殺した事件についてだった。 それを皮切りに褐色砂岩のウルフ事務所は、全新聞社からの電話の処理でてんてこまい。逆にヘイズ事件に興味を引かれたアーチーは公判の傍聴に向かうが、その途中で彼は尾行者の存在に気付くのだった。 1956年発表のネロ・ウルフ物第42作。因業親父の冷血漢ということでウルフとアーチーの見解は一致し「息子さんどうもあんたに会いたくなさそうだからやめとけば?」とソフトに示唆するのですが、依頼人は因業な上に頑固なので聞き入れません。 しょうことなしに捜査を開始するも案の定戦果はゼロ。そのうち上記の経過からアーチーが、法廷のヘイズにポール・ヘロルドの面影を見出し、弁護士と交渉したのち本人と面会し確認を取ります(「親父に会わせるならこのまま処刑してくれ」という勢いで、すげー嫌がりますが)。 あとはマロイ殺害の真犯人探しに突入。HPBにしては短めの作品ですが、この後ばんばか犠牲者が出ます。 ウルフ事務所の雇われ探偵、ジョニー・キームズまで轢き殺され、おまけに被害者が別名義で借りていた貸し金庫からは三十万ドル以上の現金が。五里霧中のまま物語は進み、土壇場まで犯人は分かりません。いちおう最低限度の手掛かりは用意されてますが。 でも先が見通せないところはこの前の「編集者を殺せ」より面白かったですね。あっちより更に筋運びが早いんで。薄いせいもあって余計そう思うのかもしれませんが。 |
No.2 | 5点 | nukkam | |
(2016/06/12 05:54登録) (ネタバレなしです) 1956年発表のネロ・ウルフシリーズ第19作は、ウルフたちが事件に巻き込まれる出だしから快調で中盤まで文句なく楽しめる本格派推理小説でした。残念なのは重要証拠がどこにあるかという推理はあるものの、それがどういう証拠なのかはウルフが関係者を集めて真相を説明するまでヒントさえ与えられていないこと。読者が自力で謎解きするには手掛かり不足なのが惜しまれます。 |
No.1 | 5点 | 空 | |
(2012/09/10 21:15登録) 最初の設定がおもしろい作品です。失踪人(というか11年前に追い出した息子)探しの事件から、邦題どおりの状況の意外な展開になるところがうまくできているのです。ネロ・ウルフがとりあえず依頼人にはどうなっているかを隠したまま調査を続ける理由も納得できます。スタウトらしいウィットに富んだ表現は、個人的には少々気取りすぎと思えるところもありますが、まあいいでしょう。 殺人事件の概要は早いうちからわかるものの、容疑者になりそうな人物はなかなか登場しません。登場した後も、ネロ・ウルフの家に集まるシーンでうまく描写されているところがあるとはいえ、それぞれの人物像が今ひとつはっきりしないように思えました。 事件が立て続けの連続殺人にまで発展していくわりには、最後の解決部分には特に意外性もありませんし、論理性にも見るべきところはありません。竜頭蛇尾とまでは言いませんが、どうも… |