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ミステリの祭典

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本陣殺人事件
金田一耕助シリーズ

作家 横溝正史
出版日1950年01月
平均点7.67点
書評数51人

No.31 8点 ボナンザ
(2014/04/08 15:41登録)
横溝の密室ものとしては最初に指おるべき名作。
犯人が行き過ぎな気もするがこの当時はこんなもんなのかな。

No.30 7点 好兵衛
(2012/07/06 11:00登録)
日本旧家の密室!!として名高い作品。
と、聞いて評価が高いので読みました。

全体的には、密室???といった感じで。
密室にする必然性がよくわからなかったです。

あと、機械仕掛けの複雑すぎる設定が…
すっきりとは、しませんでしたね。

その後の謎の人物や、日記も。
ごちゃごちゃしていたような。
どっちがメインなんでしょう?
作品の書き方としては、やはり密室押しのような
気もするのです。

動機は気にしない性質なので、
まぁ、気にしませんでした。

しかし、横溝氏の本は時代が過ぎても
とても読みやすいのがよいです。
_______
ネタバレ
_______

二人同じ部屋で死んでいる時点で心中は
考えられますし。
偶然密室が雪でできてしまったのも、
あまり好きではありません。
密室もやりたくなっちゃったのかな?

後に出てきた、叙述的なものが当時は
よかったのでしょうか。

No.29 6点 ミステリ初心者
(2012/05/28 12:45登録)
ネタバレあります。

TVでこの作品を見てから、本を読みました。
いろいろなものが詰まっていて、今でも古さを感じませんでした。

ただ、自分の嫌いな要素がすこし多かったので6点にしました。
犯人に共犯がいたことも、ピタゴラスイッチ的密室(機械的トリック?)なことも嫌いな要素ですが、一番よくなかったのが、雪の密室が偶然できたこと。自分は割とすぐに自殺か心中かなにかだと決め付けていたのですが、わからないのが密室にしてしまうと成り立たないことでした。架空の犯人を作るなら密室にしてはいけないはず。ミステリをよく読む人に対するミスリードかもしれません?。

No.28 8点 蟷螂の斧
(2011/12/30 23:43登録)
100冊目の書評は邦画ミステリーで印象に残っているうちの一つである本作<(1975)田村高広さん主演>としました。密室ではなく、メイントリックの発想がよいと思っていたのですが、「○○橋事件」を参考としているとのことで、少し残念な気持ちがあります。

2019.11追加
著者の上位5作品を読み終えマイランキングをしてみました。本書がNO.1なのですが、採点は8点となっています。この当時、オリジナリティにかなりこだわっており、当評価となったものです。つまり、どこかで「○○橋事件」を参考にしているということを読んでマイナスしたものです。現在であれば、この程度のことは問題にならないのですが・・・。ということで実質は9点。

No.27 8点 いいちこ
(2011/12/23 08:29登録)
本作の欠点として指摘される動機の合理性については、時代背景も考えあわせれば十分に理解可能。
世上高く評価される和室を利用したトリックの機能と様式の美学、真相の衝撃度を高く評価。

No.26 7点 nukkam
(2011/09/06 19:42登録)
(ネタバレなしです) 戦後の日本ミステリーは1946年発表の本書をもって嚆矢とされています。記念すべき金田一耕助シリーズの第1作という史料的価値だけでなく、作者の本格派推理小説への熱き思いも伝わってきます。角川文庫版で一緒に収められている中編「黒猫亭事件」(1947年)も読者への謎解き姿勢を強く表しているのが新鮮です(残念ながら後年の作品は読者へのフェアプレー精神が薄れてしまいました)。しかし最も私にとって印象的なのは書簡形式が珍しい短編「車井戸はなぜ軋る」(1955年)(実は改訂版で、原典版(1949年)は非シリーズ短編だったそうです)。謎解きがしっかりしているだけでなく哀愁あふれる物語として心を打ちます。これは純文学作品と主張したっておかしくない!

No.25 7点 りゅう
(2011/08/28 12:12登録)
 横溝正史の作品は以前にかなり読んでいますが、有名どころでは「犬神家の一族」とこの作品だけが未読でした。映像作品を見ており、特に感銘を受けなかったためで、密室トリックの概要は覚えていましたが、それ以外の真相は忘れていました。読んでみると、なかなか面白かったです。作中で、金田一耕助が「この事件のほんとうの恐ろしさは、いかにしてああいうことが行なわれたかという事より、なぜああいうことが行なわれなければならなかったかという事にある」と語っているように、密室トリックの方法についてはこの作品の枝葉に過ぎないと思います。三本指の男の登場、指紋の謎、猫の墓、三本指の男のメッセージや日記の燃え残りやアルバムの写真の謎、二通の手紙などよく考えられたプロットだと思います。殺人動機は現代では理解しがたいものですが、個人的には納得でき、それを示唆する伏線も張られており、この作品の肝に当たる部分だと思います。この真相であれば密室でない方が自然なのに、なぜわざわざ密室にしたのかというのが最大の疑問でした。一応、この点に関しても金田一耕助から説明がありますが、すっきりと納得できるような説明ではありませんでした。

(完全にネタバレをしています。要注意!)
 真相で不自然だと思ったのは、犯人が偶然発見した三本指の男の死体を使って、密室トリックの予行演習を行なったこと。複雑な仕掛けなので予行演習は必要だとしても、死体をわざわざ使う必要はないと思います。また、金田一耕助の推理にはちょっと超人的だと思う箇所がありました。金田一耕助は、糸子刀自の紋付きの袂に琴柱が入っていることを推理していますが、どうしてわかったのでしょうか。

No.24 10点 判子
(2011/05/31 16:35登録)
収録作「黒猫亭事件」のラスト1ページの筆者のコメントには頭が下がりました。
筆者のミステリー論すら伏線であるという点に衝撃を受けました。
おそらく、これを超えるトリックは横溝正史にしか書けないでしょう。

No.23 9点 大泉耕作
(2011/04/10 09:31登録)
金田一耕助が探偵になるまでの経緯も記されていてどうやら彼はこの事件を解決する前に三つ事件を解決しているらしいく、後にも前にもない名探偵の雰囲気が漂っていました。
密室のトリックに関しては岡山の金田一ファンの集いで本陣殺人事件トリック再現というものが開催されているので、恐らくこの機械的トリックも不可能ではないはずだと思われますが、密室ものはこれが初めてなのでどうこう言える立場にいないが和風的密室トリックはたいへん面白いです。
横溝正史はこの作品の創作がそんなに楽しかったのか、それが文にも表れていた。だから、読んでいてとても楽な気持ちになってこれが作家としての意気込みなのだなあ・・・とつくづく思います。
 見事! につきます。全体から見れば単純な事件です。しかし、証拠の提示やフェアなやり方(トリックについてはなんとも言えませんが)には、本当に楽しませていただきました。

No.22 8点 あびびび
(2011/03/23 15:45登録)
20歳のころ、友人に「おもしろい本がたくさんある」と、書店へ連れて行かれた。当時、角川文庫の「横溝正史フェア」が大盛況で、それまで見たことのないおどろおどろとした怪奇的な表紙に目を奪われた。

そして最初に手にした本がこの本陣殺人事件である。ほとんど読書をしたことがない人間だったが、それからむさぼるように横溝正史を読んだ。

思えばあれがミステリ入門だった。

No.21 7点
(2011/03/07 12:38登録)
金田一初登場の歴史的作品。国内本格ミステリの指針となる作品でもあります。
でも理解できない箇所も多くあります。金田一の謎解き解説は、全体の短さに比べれば長めにページを割いていて、作者の意気込みが感じられますが、これを論理的解明というのでしょうか。やや飛躍ぎみかなとも感じました。

(以下ややネタバレ気味)
犯人と三本指の男との関わり方については、偶然性にたよったところがあり不満が残ります。機械トリックはまずまずといったところでしょうか。一方、三本指の男の例のセリフは申し分なし。動機については、「獄門島」と似たようなもので、この程度ならOKかなという印象です。まあ、両作品とも名作であることにちがいありません。

都筑道夫は、「黄色い部屋はいかに改装されたか?」の中で、本書について面白いことを述べています。三本指の男を登場させたことを大きな欠点として評した白石潔に対して、「論理で解明されれば、荒唐無稽な犯罪もそうでなくなると言ったところで、パズラー嫌いの人には通じないでしょうけど、パズラーを批評するひとが、うわべのグロテスクだけで、ものを言っては困ります。」と批判しています。
三本指の男の登場が重要なのはもちろん紛れもないことですが、パズラーは論理で解明できればそれでよしという考え方には賛同できません(なお私は決してパズラー嫌いではありません)。

近年、ミステリファンが論理、論理と叫ぶ風潮は都筑がきっかけなのでしょうか。論理って、そんなに大事なのでしょうか?
荒唐無稽な事件やトリックはなんら問題もありませんが、むしろ荒唐無稽な理由付け(飛躍しすぎの論理、無理やりの論理、くどすぎる論理)は、帳尻合わせをしているみたい(著者の言い訳を聞いているみたい)で興醒めしてしまい、マイナス評価になってしまいます。
「黄色い部屋はいかに」を読んでから本書や「獄門島」を読んだせいか、天邪鬼なため、大好きな横溝なのにちょっと批判的になってしまいました。
ただ、たんに自分の読解力が欠けているだけのことなのかなという気もしますが(笑)。

No.20 8点 kanamori
(2010/07/28 20:51登録)
短めの長編なので、読み応えという点では作者の他の傑作群に劣るかも知れませんが、初めて読んだ横溝作品ということもあって印象に残る本格編です。
春陽文庫版で読んだが、事件現場の離れ周辺の見取図が添えられていて、トリック解明のシーンでは、ぞくぞくする興奮に包まれたことを憶えています。細かい点では、三本指の男のミスディレクションも当時は感心できました。

No.19 7点 spam-musubi
(2010/04/29 08:10登録)
わたしのアタマでは、トリックを想像しきれなかったのが
残念。映像で見たい。

この人の作品には、犬神家の逆さま死体、悪魔が来たりて
笛を吹くのメロディに隠された秘密、獄門島他の見立て殺人
などなど、映像化されたときにより際立つ作品が多い
気がする。

No.18 6点 STAR
(2010/02/06 23:16登録)
機械的な密室トリックが好きではないので、どうしても低い評価に。
しかし動機などストーリー自体は面白かったです。

No.17 7点 E-BANKER
(2009/12/26 00:02登録)
言わずと知れた、金田一耕助の初登場作品。
私自身、機械仕掛けの密室に初めて触れた作品です。
何よりも、作品世界の雰囲気がいいです。琴や水車といった小道具や雪景色が何ともいえない「和」のテイストを感じさせます。
動機については、確かに現代の価値観からすれば異常ですが、逆にそれが文学的な後味を引いているような気はしますね・・・
グレードの高い一作という評価で間違いないでしょう。

No.16 8点 okutetsu
(2009/08/28 04:26登録)
やっぱこの人の作品は魅せ方がうまいなと感じます。
ミスディレクションに密室トリックとミステリとしての要素が充分以上に込められています。
動機も現在では理解しがたいようなものですがこういうのが作者のポリシーなのだろうと思います。
若干アンフェアな部分や偶然性が強い部分が納得いかなかったのでこの点数で

No.15 9点 ミステリー三昧
(2009/07/25 11:11登録)
(多少ネタばれあり)
<横溝正史自選集1>金田一耕助シリーズの代表作(中篇/1946)です。
純日本式の家を舞台とした密室殺人がメインです。現実性に欠けるトリックなので、その描写の理解に苦しみました。これは考え付かないですが、小道具の使い方が素晴らしく、不自然さも感じさせないのでトリックに不満はありません。機械トリックではありますが存在価値は大いにあります。また、日記形式のメタな物語で、文そのものがミスリードを誘っています。その手際の良さが用意周到で巧いです。レッドへリングとしての三本指の男の存在も効果的でした。彼の描写には盲点ともいえる絶妙な言い回し(ミスディレクション)があり、特に読者の心理を突いた「あの一言」が憎たらしいほどに効果を発揮しています。ちなみに作中には多くの海外ミステリーの名が登場します。『本陣殺人事件』自体、海外ミステリーの古典に影響されている節があるので、それらの作品もいずれ読むことにします。
(2009/10/20追記)
唯一無二の密室トリックが楽しめる作品として印象深かったです。中篇らしく無駄をそぎ落としたストレートな本格物なので、横溝正史の本格推理に対する意欲と素養が最も感じられる作品でした。

No.14 9点 メルカトル
(2009/06/17 22:37登録)
素晴らしい出来だと思うが、密室にした必然性がやや納得できないのと、犯人の意味のない行動が少々難点。

No.13 6点 江守森江
(2009/05/22 14:43登録)
※無意識なネタバレになっていましたm(_ _)m
クリスティー「アクロイド」以降に、この手の作品に出会うと構えて読む(察してしまう)弊害が生じる事に、当時の横溝をして考え及ばなかった事が惜しまれる。
書かれた時代の人ならある程度は動機にも納得するであろう事は推察出来るが、機械的トリック(これは映像の方が断然理解し易い:実際の成功率は、どこかで誤作動があり低いらしい)は好きではないので、金田一初登場の歴史的価値以外はさほど評価できない。
※要注意
動機について考察?した為に必然的にネタバレ(犯人直結)してます。
#追記(’10.12.19)
まさか最近制作なアメリカのミステリー・ドラマで、同じ動機な事件に出くわすとは思わなかった。
「処女以外とは結婚したくない」は多くの男性が【隠し持つ】心理なのかも!(女性達も夫を侮って結婚前の男性経験を告白したりすると手痛いしっぺ返しをくらうかも)
※ショート・ミステリ(実話)
《「ちなみに私は処女とは結婚出来なかった」身内の集まりで話始めたら横に居て聞いていた嫁が不可解な顔をした》
《解答編←叙述トリック:「だって結婚前に嫁の処女を頂いていたから」横を見たら嫁が赤面していた》

No.12 7点 測量ボ-イ
(2009/05/13 15:45登録)
(ネタばれ有)
密室が構成しにくい古い日本家屋で密室に挑んだ姿勢は
評価できる作品です。
でもこのトリックは、あの有名なカ-の「密室講義」の
分類の一つに、そのものズバリなんですよねえ。

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