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[ サスペンス ]
愚かものの失楽園
トラント警部補
パトリック・クェンティン 出版月: 1967年01月 平均: 6.33点 書評数: 3件

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東京創元新社
1967年01月

No.3 6点 蟷螂の斧 2015/04/29 20:08
「わが子は殺人者」(1954・ホイラー単独作品)の2年後の作品ですが、前作品には及ばなかったですね。プロットはなんとなく似ているのですが、二転三転という意味では物足りなかった。なお、裏表紙は、犯人像を特定してしまっているので、それ以外の登場人物を犯人から排除してしまうという罪づくりなものです。

No.2 6点 kanamori 2014/07/07 22:09
資産家コーリス家出身の妻をもつ「私」ジョージ・ハドリーは、愛人の女性秘書のマンションで、娘のマルカムから切羽詰った電話を受ける。マルカムは、女たらしのゆすり屋・サクスビーという男のマンションを訪ね、彼の死体を発見したという---------。

クェンティン名義のホイーラー単独作品。
主人公自身や家族・親族が殺人事件に遭遇し、ある秘密を隠匿することで、その人物が重要容疑者になってしまうという、「わが子は殺人者」や「二人の妻を持つ男」と基本プロットが同様の巻き込まれ型サスペンス。いずれもニューヨーク市警のトラント警部補が主人公を追い詰めるという構成も共通している。
「私」が真犯人でないのは読者には分かっているが、脛に傷持つ主人公視点でトラントの捜査が描写されるので、一種倒叙ミステリのような趣がある。このように各作品で主人公が異なるのに、”敵役”の刑事に同一人物を持ってくる形式はちょっとユニークだと思います。(ちなみに、先月復刊になった「女郎ぐも」では、ダルース夫妻VSトラントという図式になっている)
主人公の周辺の女性達が何らかの形で被害者と関係があり、アリバイを巡って重要容疑者が二転三転するプロットは十分に面白いのですが、あらすじ紹介が内容に踏み込みすぎているので、真犯人の正体はわりと分かりやすいと思う。

No.1 7点 こう 2010/07/28 22:10
 不倫中の中年男とその妻、夫妻の養女(婚約中)といった家庭に女たらしの強請屋があらわれ殺人事件が起こり、という典型的なパトリック・クェンティン(ホイーラー)のサスペンスでした。
 真相、真犯人は登場人物が少なく当てやすいですが主人公視点で犯人候補が二転三転するのは「わが子は殺人者」などと同様です。展開が他作品同様でかなり露骨な伏線もあり予想通りでしたが楽しめました。


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パトリック・クェンティン
2019年09月
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不明
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