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[ 本格/新本格 ]
繭の密室
貴島柊志刑事シリーズ
今邑彩 出版月: 1995年12月 平均: 5.20点 書評数: 5件

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光文社
1995年12月

光文社
2000年05月

中央公論新社
2011年06月

No.5 5点 虫暮部 2023/05/02 13:16
 型通りの展開だな~と思いつつ読んでいたら、予想通りの真相で終わってしまった。あんなエピソードが本筋とは別に示されていたら、明白でしょ。ミステリ的なトリッキーさより、背後に流れる歪んだ暴力の連鎖の方を注視すべきか。

 第二章。風呂の修理は原則大家の負担だと思う。人に言えない理由で故障した、と言う伏線かと思った。

No.4 5点 nukkam 2019/05/06 17:53
(ネタバレなしです) 1995年発表の貴島刑事シリーズ第4作です。このシリーズは3作で終了予定だったのを翻意して本書を書いたそうですが、特にシリーズ最終作らしい仕掛けはありません。怪異に満ちた本格派推理小説として始められたシリーズのようですけど本書に至っては醜い人間心理描写はあるものの怪異要素は皆無に近く、普通の本格派推理小説です。私はホラー系が苦手なので普通であることは全く問題ないのですが、肝心の謎解きの出来栄えがいまひとつです。貴島による密室トリックの推理はかなりの部分を憶測で補っているように感じます。まあそれでも辻褄は合っているのでまだいいのですが、犯人当てについては犯人が致命的な証拠を落として発覚してしまうという棚ぼた式展開に不満を覚えます。

No.3 4点 E-BANKER 2013/11/01 22:10
警視庁捜査一課・貴島柊志シリーズの四作目。
今回は以前登場した中野署の倉田警部(前回は刑事。昇進したのね)とコンビを組むことになった貴島が事件の謎を解く。

~日比野功一の妹・ゆかりは帰宅途中に何者かに誘拐された。同時期にチェーンのかかった密室状態のマンションの一室からの転落死事件が発生。捜査に当たった貴島刑事は六年前のある事件にたどり着く。事件の真相は、そして誘拐の行方は・・・? 傑作本格ミステリーシリーズ第四作~

ちょっと、っていうかかなり冴えない本格ミステリー。
そんな印象が残った。
風変わりな密室や誘拐事件など、何とかしてミステリー好きに「ウケよう」としているのは分かるのだが・・・
如何せん薄味だし、作者らしい切れ味が全く感じられなかった。

まず密室トリックはかなりこじつけ気味。
偶然に偶然が重なったこうなりました・・・とでもいうことかもしれないが、それでは読者には推理のしようがない。
こういう変化球は割と考えられるのかもしれないけど、多分あまり褒められたトリックにはならないのだろう。
フーダニットについても何かこう、消化不良というかすっきりしない感覚が残る。
読者の錯誤がトリックのキーになるという点では、叙述トリックに近いのだろうが、無理矢理だなという印象が強い。

貴島刑事のキャラもなぁ・・・。せっかく前三作で「影のあるニヒルな二枚目」で「過去の事件か何かを引きずっている」という設定を深めていったのに、本作ではその辺に全く触れることなく、淡々と事件を解決してしまう・・・

さすがにこれでは褒めるところがない。
本シリーズはこれで終了となったのだが、本作は確実に「やっつけ」だったのだろう。
今まで読んだ作者の作品中では一番の駄作。
(亡くなった後に「ルームメイト」が映画化! 作者も草葉の陰で喜んでいるのだろうか?)

No.2 7点 makomako 2012/01/03 17:55
 今邑彩の本格物としてはちょっとさえないかな。メイントリックはちょっと本格物が好きなものにとってはどこかで読んだぞといったもの。もちろん作者はそれだけではダメなことを承知しているのでずいぶんひねってはある。
 犯人は以外だった。女性は恐ろしいねえ。

No.1 5点 kanamori 2010/05/31 20:42
密室状態のマンション7階からの転落死の謎と女性誘拐事件が絡む本格ミステリ。
短めの長編で、あまりにも真っ当な本格編のため味気ない印象を受けました。シリーズ探偵の貴島刑事も個性に欠けます。
密室トリックは少々意外でしたが、現実的ではないですね。


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今邑彩
2014年09月
人影花
平均:6.25 / 書評数:4
2008年02月
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1990年05月
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