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[ 本格/新本格 ]
孤島の来訪者
〈竜泉家の一族〉シリーズ
方丈貴恵 出版月: 2020年11月 平均: 8.67点 書評数: 3件

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東京創元社
2020年11月

No.3 10点 sophia 2021/02/18 00:13
まずこの世界観で想起するのは「ターミネーター」「プレデター」「寄生獣」あたりです。前作「時空旅行者の砂時計」もそうでしたが、ともすれば何でもありになってしまいかねないSF要素に制約を設けて、本格ミステリーの枠に収めるのに長けています。話も前作ほどの難解さはなく、それでいてサバイバルゲームの要素も増え一層引き込まれました。「読者への挑戦」の前にちょっと考えてみましたが、断片的には当てることの出来た部分もありましたが全容解明はとても無理でした。いや、よく練られたプロットで伏線の配置も見事です。敢えて挙げる難点は、人類の存亡まで懸かった事態の深刻さの前に、主人公の復讐計画が霞んでしまったことぐらいでしょうか。前作にはサービスしての9点を付けましたが、今作は正真正銘の10点を差し上げます。

No.2 9点 葉月 2021/01/06 22:27
前作「時空旅行者の砂時計」は作者の騙しの姿勢には好感を覚えたものの、どちらかといえば美点よりも欠点が目立ってしまっている印象でしたが、本作は一転かなりレベルの高い特殊設定本格ミステリとなっています。
個人的には序盤のSFサスペンス的展開がかなり意外なもので、そこからは一気に読めてしまいました。
最後に真相が二転三転するのも買いですし、伏線の張り方も上手く、本格ミステリとしてかなり高いレベルに達していると思います。

No.1 7点 虫暮部 2021/01/04 11:49
 基本的には好きなタイプ。特殊設定によって“犯人には動機が必要”との呪縛から自由になれたのはグッド・アイデア。結末を繰り返しひっくり返すのは本作に限らずあまり好きではないが、辻褄は上手く合っていると思う。

 実は私、重要な一要素を作者のミス(その可能性を排除する条件を設定し忘れた)だと決め付けていたんだよね。だから真相に辿り着けなかった、と言う気はないけど。あー信用しなくてごめんなさい。


方丈貴恵
2020年11月
孤島の来訪者
平均:8.67 / 書評数:3
2019年10月
時空旅行者の砂時計
平均:7.33 / 書評数:3