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ミステリの祭典

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パンやんさんの登録情報
平均点:6.49点 書評数:95件

プロフィール| 書評

No.35 6点 浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話 連作推理小説
鯨統一郎
(2016/04/30 10:26登録)
著者お得意の新解釈ものであるが、その新珍説に入るまでが長い、長過ぎる、懐し話がメインかの様。しかもそれが小生より5つ以上の世代の様で、半分くらいしかわからないのには参った。が新珍、怪説の数々は思ってもみない切り口もあり、案外楽しめる。


No.34 8点 殺しの双曲線
西村京太郎
(2016/04/28 09:18登録)
随分前の作品なれど、古臭さ、今さら感も無く、紛うことなき傑作!重すぎず軽すぎない文体、プロットのうまさが作り上げたテンポといい、これぞミステリー!また、ボウリングブームの頃の作品なれど、知らない内に恨まれて身に覚え無く殺される、現代に通ずる動機にも戦慄!


No.33 6点 そして扉が閉ざされた
岡嶋二人
(2016/04/27 06:01登録)
本格の雄と名高い著者の代表作であるが、初出が30年近く前となるとさすがに今さら感があり、当時読んでたら感激してたであろうところ、ちと残念。がやはり、読ませる力はあり、結末に対する期待感も盛り上がるが、思った以上に真っ当すぎて、それほどの驚きも無いのであった。


No.32 6点 最後の証人
柚月裕子
(2016/04/24 10:32登録)
とてもわかりやすく、読み易い法廷もので、人間ドラマとしての描き込みも丁寧なので、ちょいと感動もするものの、ミステリーとしてはストレート。というか、余りにもひねくれた展開を期待する、こちらのミステリー嗜好にも問題が有るのかも。素直に読めない私に誰がした?(笑)


No.31 7点 死なない生徒殺人事件
野崎まど
(2016/04/20 18:45登録)
サクッと読めるラノベミステリーと侮るなかれ、中々の読み応え。不死の定義がコレ?とか、えっ図形トリック?とか、猟奇的な展開にもぐいぐい引き込まれるが、犯人当てのうま味より、犯人と被害者の関係性と、逆転の構図から生まれる微かな余韻が素晴らしい。


No.30 6点 雀蜂
貴志祐介
(2016/04/17 10:37登録)
ホラーというよりパニック・サスペンスで、山岳グッズに疎い小生でも読める、可もなく不可もない中編といったところ。が、蜂の描写はさすがにうまく、妻の絵本の件も楽しい。で、問題のラストは、こ、これは折原一かっ!?(と、文庫本にツッコミ)(笑)


No.29 6点 女ともだち
真梨幸子
(2016/04/17 07:12登録)
「フジコ」に比べるとイヤミス度も、ドロドロ度も少し及ばず、女が抱える妙な生き物感覚が不気味でさすがに読ませるが、ミステリーとしてのカタルシスは薄い。というか、真梨作品の世界観を楽しむもので、他の女流作家には無い感覚に惹き付けられ、虜になるのであった。


No.28 6点 密室蒐集家
大山誠一郎
(2016/04/17 06:39登録)
探偵キャラで魅せる密室短編集で、いずれも翔んでる真相ばかりなのに驚くが、論理的に緻密で、脳トレになってよろしい。すぐ解けるのもあるが、この不思議な時の流れ、独特の異空間テイストに包まれたロジックの持ち味が全て。


No.27 6点 弥勒の掌
我孫子武丸
(2016/04/15 16:09登録)
刑事、教師、共に感情移入し易く、どんどん乗せられて作品世界に魅せられるのであるが、急転直下の結末にビックリ。そのどんでん返しにカタルシスは無い。だって、新興宗教団体をを肯定しているようで、後味すこぶる悪し。


No.26 6点 しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術
泡坂妻夫
(2016/04/15 15:43登録)
結構な高評価なので挑みましたが、ミステリーとしては平凡ですよね。この本自体にかけられたトリックですが、確かに工夫、労力、アイディアには脱帽ですが、ほぼそれのみの作品といっていい。ヨギシリーズの他作品を読んでいたら、もっと楽しめた?


No.25 6点 武家屋敷の殺人
小島正樹
(2016/04/13 14:16登録)
日記のナゾから生家を探り、20年前、江戸時代、現代の事件と次々と解かれていき、間には断片の章と、実に手が込んでいて読み応えがあるというか、いやはや確かに満腹。弁護士キャラ、リバーカヤック、探偵よりもヒロイン瑞希をもっと素敵に描いて欲しかったところである。


No.24 6点 ウェディング・ドレス
黒田研二
(2016/04/13 13:55登録)
ウェディング・ドレスに纏わる事件の顛末を、その男女の視点で交互に進める手際はとても良く、パラレルワールドの話も出て???となり、叙述トリックにはやられた感もあるのだが、密室トリックの解明から終盤のトッチラ感は惜しい。が、サービス精神は大いに認められよう。


No.23 7点 クリーピー
前川裕
(2016/04/10 14:53登録)
犯罪心理学を教える主人公の心理描写がうまく、対照的に奇妙な隣人の実像が掴めず、なかなかのうす気味悪さ。このゾワゾワ感を楽しむ作品だが、うっすら覚えているシャロン・テート事件が、クリーピーに由来しているとはね。映画化はとっても楽しみだが、オチはどうする?


No.22 6点 イノセント・デイズ
早見和真
(2016/04/10 14:17登録)
一人の死刑囚を巡る異色のミステリー。特筆すべきは、弁護士の青年の描写で、本人がメインの章と、幼なじみがその青年を語る章での、人となりのあまりのギャップの違いに驚く事で、自分のセルフイメージが他人にどう映っているか、実に考えさせられるのである。


No.21 6点 放課後に死者は戻る
秋吉理香子
(2016/04/10 12:38登録)
青春ミステリとして実に爽やかで読み易く、遥か昔の文化祭の雰囲気も満喫できて、ちょいと嬉しくなったのも確か。「暗黒女子」的な作品を期待していたのには肩すかしであったが、友達を絡ませたミスリードも楽しめ、まずまず及第点といったところ。次は「聖母」ですなぁ。


No.20 7点 遠海事件: 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?
詠坂雄二
(2016/04/08 08:53登録)
佐藤誠という殺人鬼のノンフィクション2冊目という体の、異色のコラム入りルポミステリー。が故に、様々な妄想を掻き立てる快作となった。遠海事件を主にしている為、彼が捕まる経緯が丸々カットされてたり、収束してまとまりながら哲学的になったりと、興味が尽きない。


No.19 7点 消失グラデーション
長沢樹
(2016/04/08 08:24登録)
謎のヒカル君の扱いや消失トリックには疑問も浮かぶが、それをカバーして余りある、バスケ部や学園生活のキャラ立ちの面白さ。この事件が起きるまでが、別学の小生は大いに萌え、コロッと引っ掛かるのであった。


No.18 7点 体育館の殺人
青崎有吾
(2016/04/07 17:50登録)
大学生が書いた青春ミステリーで、実に読み易くキチッと論理的につくられていて、わかりやすいのが嬉しい。キャラづくりもうまく、登場人物の多いわりにスッキリしているのもいい。叙述ものの口直しには、頭の体操にもなって最適ですなぁ。映像化可能で、Eテレがピッタリ。


No.17 6点 切り裂きジャックの告白
中山七里
(2016/04/07 12:35登録)
脳死による臓器移植をテーマに社会派の要素をガッチリ入れて読み込ませ、さすがどんでん返しの雄、中山七里っと言いたい所だが、真犯人といい、動機といい、ちょい不満。って、「七色の毒」しかり、犬養刑事ものはどうも肌に合わないのかも。古手川刑事の方が魅力的なのよね。


No.16 6点 灰色の虹
貫井徳郎
(2016/04/07 11:10登録)
時制を変えて、ぐんぐん力強く読ませて盛り上げていく筆力は、諸作品同様素晴らしいものの、ミステリーとしての快感は薄い。冤罪がつくられていく過程、刑事の描写がとても丁寧なので、自然に感情が揺さぶられるのに、肝心のトリックが惜しい。だって予想通りなんだもん。

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