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ミステリの祭典

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そして扉が閉ざされた

作家 岡嶋二人
出版日1987年12月
平均点7.18点
書評数68人

No.68 6点 take5
(2024/02/04 11:04登録)
フーダニット、ハウダニットを
カットバックで追いかける
大変リーダビリティの高い作品。
真相は普通の衝撃度ですが、
The本格ミステリといった趣き。
あまり人物に感情移入できずこの評価。
文庫の割に字が大きくて目に優しいです。

No.67 7点 みりん
(2023/03/09 23:46登録)
もっと続きが読みたいと思える小説でした。
新装版は島田荘司の解説付きで、ミステリーと推理小説の違いについてわかりやすく説明されていて(本作品はその定義によると"本格"推理小説らしい)それも楽しめたので読む方がいれば新装版をお薦めします。

No.66 7点 斎藤警部
(2020/10/19 19:16登録)
甘い話だな~~ とフンフン読んでたら最後、やられました! 数頁で一気に発熱しましたね。 そのくせあっさりしたエンドも好きです。

友人関係にある若い男女2x2=4人の容疑者たち。。うち少なくとも1人は犯人のはず。。もう1人の友人女子「三ヶ月前の死」の真相を明らかにすれば、監禁されてしまった「核シェルター」から外に出られるかも知れない、、保証は無い、、死んだ女子は、幌をオープンにしたアルファロメオで断崖から飛び降り自殺を図ったと警察には目されているが、殺人の疑いを棄てきれない彼女の母親が(武器製造会社社長であるその夫は娘の死のショックが引き金となり病死)自らの別荘地下に作った核シェルターの中へ、催眠剤で眠らせた4人を閉じ込めた、と思われる状況。。 「身動き取れない現在」と「自由に動けた過去(回想)」のカットバックで話は進行します。

真相を探り当てようとする男女4人の証言と推理の持ち寄り合いが微妙にして明瞭な齟齬を来たす様は、割と有名な 「四つのピースで出来た直角三角形、ピースを並べ替えるとあら不思議、何故か1マス余ってしまう。。」 の錯覚パズルを彷彿とさせてくれなかなか興味津々。
これで脱出劇サスペンスと恋愛スクランブル、そして社長を失った「会社」の動静をガッツリ書いてくれてたら、、それでこの結末だったら、、ちょっとヤバいくらいの出来だかったも知れませんね。。やっぱ「人間を描く」ってのは大事。。とか言いつつ本作はやはり必読書オーラぶんぶん漂う、昭和末期を飾った力作と言えましょう。 当時はカロリーメイトのプレーン味って無かったんですよね。 (あとアレか、やっぱ4人がシェルター内に運ばれたシーンを最後にはっきり晒して欲しかったな..)


【犯人の名指しはしませんが、ここからネタバレと思います】

わたしゃてっきり、咲子の母親、少なくともそのミステリ的バリエーション、が真犯人じゃないかというありがちな疑いが頭を離れず、おかげでアノ真相の可能性なんて頭の隅を過ぎりもしませんでした。。。。 アホや。。。

No.65 10点 ぷちレコード
(2020/06/04 18:30登録)
気が付くとそこは核シェルターの中だった。閉じ込められた二人組の男女は、犯人の思惑通り否応なく三カ月前の変死事件の真相を推理するハメとなる。
意表をつく謎とそれに絡む絶妙のサスペンスが売り物の技巧派の作者ならではの仕上がりといえる。凝った設定を活かした技ありの作品。
真相には非常に驚いた。気付く人はほとんどいないでしょう。

No.64 5点 雪の日
(2020/05/03 21:26登録)
岡嶋二人の作品はすらすらと読めるのだが、真相がいまいちである

No.63 6点 レッドキング
(2019/02/09 21:23登録)
実に「あるある感」感じる真相だ。その時には全く自覚がなく、忘却されていた事柄で、思い返した時に「今だから解る」事柄として明確になる出来事って・・・。

No.62 6点 ミステリ初心者
(2018/10/28 23:41登録)
ネタバレをしています。

 ほぼ事故のようですが、主観犯人に近い?タイプで、犯人が犯行に気づいていないパターンは面白かったです。誰一人、完全に真相を知る人物がいないのがミソで、それによってあれこれ考えて話し合う構図が成立するところは今まで見たことが無く、読了後2週目をみても面白いです。
 勘違いしている共犯者が2人いて、偶然に偶然が重なっているため、やや強引な印象がありますが、話として良かったです。

No.61 8点 まさむね
(2017/12/09 23:37登録)
 極めて限られた登場人物の中、「この真相はどうなっているのか」という興味を失わせることなく、最後まで持っていかれました。純粋に楽しめましたねぇ。うん、面白かった。
 ちなみに、本質とは無関係な超わがままな感想なのだけれども、ラストはあっさりし過ぎているような気がして、他の登場人物達にも、もう少しスポットを当ててほしかったかなぁ…と。

No.60 5点 MS1960
(2017/05/07 10:59登録)
着想やアイデアは良いと思う。中盤のメンバーのヒステリックなやりとり(現在&過去)に食傷気味になった。それから、最後の真相がいまひとつ驚きに欠けた。もうすこし何とかならなかったのか。東野圭吾の”仮面山荘”みたいな鮮やかな展開が欲しかった。

No.59 8点 nukkam
(2016/06/27 11:21登録)
(ネタバレなしです) 国内では珍しいコンビ作家の岡嶋二人は1982年から1989年の短期間に多くの傑作を残してコンビ解散しましたが得意ジャンルが誘拐サスペンスだったので本格派推理小説好きな私の個人的関心は低い方でした。しかし1987年発表の本書は「徹底した本格を書いてやろうという決意のもとに書いた」というだけあって本格好き読者に満足できる作品となりました。誘拐場面から始まる序盤の展開はあれれ?、と思いましたが自然な流れで謎解き推理小説へ移行します。少数の登場人物ながらどんでん返しの連続があって容易には読者に真相をつかませず、しかも謎解き伏線を丁寧に張ってあって完成度は大変高いです。もっと本格を書いてほしかったです。

No.58 6点 パンやん
(2016/04/27 06:01登録)
本格の雄と名高い著者の代表作であるが、初出が30年近く前となるとさすがに今さら感があり、当時読んでたら感激してたであろうところ、ちと残念。がやはり、読ませる力はあり、結末に対する期待感も盛り上がるが、思った以上に真っ当すぎて、それほどの驚きも無いのであった。

No.57 9点 パメル
(2016/01/14 00:51登録)
クローズド・サークルものが好きな人にはたまらない作品
他の作品と違う所は事件自体は過去の事であり
推理を閉ざされた空間で行われるという所
動機自体は全員にあるのだが推理すればするほど
誰もが犯人ではあり得ないと結論に達してしまう
この推理合戦が読みどころ
サスペンス調に物語は進み真相には気づく人は少ないでしょう
これは本格ミステリの傑作

No.56 6点 CHABI
(2015/08/14 23:11登録)
あまり緊迫感が感じられなかったので、設定自体に疑問が残りました。
真相に関しては、当時としては奇抜なアイデアだったとは思いますが、万人受けするものではないと思います。
私もあまり感心できませんでした。
ただ、特殊な設定と読みやすさを評価して、この点数にしました。

No.55 7点 初老人
(2014/05/02 13:19登録)
この作品の価値は何といっても発表当時としては画期的な新たな犯人像の提示、といったところにあるのだと思う。文庫で三〇〇ぺージ強の長さでしかも文章が読みやすいので、万人にオススメ出来る作品。

No.54 5点 メルカトル
(2014/04/23 22:30登録)
再読です。
男女4人が核シェルターに閉じ込められるというシチュエーションには、どうしても緊迫した状況や差し迫った人間のむき出しの感情など、生臭いシーンが期待されるが、そうした要素はこの作品には無関係であった。だからこその本格ミステリということになるのかもしれないが、個人的にはいま一つ臨場感や圧迫感がなく物足りなさを覚えてしまった。
全体的に評価が高いが、私はそれ程までとは思えない。むしろ他にも岡嶋氏の代表作と言える作品はあるので、本作に関してはあまり思い入れとかはないのである。ただ、男女の微妙な恋愛感情やデリケートな言葉の遣り取りに関しては、非常に上手いと感心した。その部分についてはとても共感できるし、特に女性のセリフ回しなど、実際に使われていそうで、なるほどなと感嘆しきりである。そんなところばかりに目が行って、肝心のミステリとしての観点からはあまり感心出来なかったのが自分の情けないところなのかもしれない。
謎解きの論理的な点は評価されるべきだとは思うが、かなり絶望的な閉鎖状況なのに、4人とも比較的平静を保っているのは、私としてはちょっと違うんじゃないかと感じてしまった。だから、みなさんの評価よりは低くせざるを得ないのが、私の偽わざる現実なのである。

No.53 8点 ボナンザ
(2014/04/07 22:40登録)
岡嶋二人の三大名作の一つで、本格ものの最高傑作。
一気に引き込まれる作風とプロット。
文句なし!

No.52 6点 mozart
(2013/02/11 17:29登録)
全体的に読みやすく、サスペンス感も十分で、読み始めたら止まらなくなって半日で読了しました。ただ、読後感は、というと、謎の根底にあるのがアレでは、ちょっと不満が残ったのも事実です。

No.51 6点 いいちこ
(2011/12/23 08:51登録)
よく考えられた作品だが中途半端。
プロットの本質からすれば扉が閉ざされる必要性は疑問。
4人による純粋な知的ゲームに密室脱出の要素が加わって拡散してしまった印象。
ブレイクスルーにはいま一歩

No.50 8点 蟷螂の斧
(2011/09/01 07:19登録)
面白く、最後まで一気読みができた。4人の推理合戦もよかった。本格推理小説らしい一冊でした。

No.49 5点 haruka
(2011/04/29 20:00登録)
設定が面白く、謎解きも極めて論理的だが、読み手をミスリードする要素が少なく犯人当ての仮説が立ちにくいため、真相を提示されても、ふーん、という感じ。期待が高かったため、ちょっと拍子抜け。

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