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ミステリの祭典

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パンやんさんの登録情報
平均点:6.49点 書評数:95件

プロフィール| 書評

No.95 5点 リバース
北國浩二
(2023/07/26 02:16登録)
良くいえば、非常に若々しいライト感覚あふれる文体、逆にいえば、どうにも青臭い青春ミステリーである。評判の良さもあって、ハードルを上げ過ぎたためか、容易にわかる謎の構造に何の驚きもなく、エピローグも冗長に感じてしまった。良くいえば、ハードボイルド、逆にいえば、感情移入出来ない、苦手な作品。


No.94 6点 ロスト・ケア
葉真中顕
(2023/06/30 06:42登録)
残念ながら注意はしてはいたものの、映画化に際してのネタバレによって、ミステリーの興をそがれてしまったのは否めない。どうにもこの手の映像化は総じて難しく、こちらも例に漏れず、大幅なアレンジがされたもようである。にしても、介護現場のヒドさ、辛さからの解放(死)の答えとしての読み応えはあり、介護体制側からの描写にも長けていると思われる。


No.93 7点 倒錯のロンド
折原一
(2021/07/12 04:54登録)
完成版が出たというのになんとも旧文庫版の感想ですが、もう30年以上も前につくられていた驚きの叙述ミステリーである。倒錯の盗作というダジャレから生まれたかのような作中作の入れ子構造、その手記の記述に振り回される快感に酔いしれよう。夢か狂気か、息の詰まるブラックな味わいがとってもいいですなあ。


No.92 6点 ルビンの壺が割れた
宿野かほる
(2021/06/01 11:02登録)
う~む、確かに読ませる、面白い、どうなるのよ~って、どんどん引っ張って、気持ちよく高揚感にのせてくれる。で、締めは?ぐっ、ものすごい嫌悪感、胸糞悪さに襲われるが、そもそもそれが狙いであったか。このライブ感が全てなのか。再読はないね。


No.91 7点 許されようとは思いません
芦沢央
(2021/05/28 03:33登録)
それぞれ異なったテイストが嬉しい短編集で、ひとつひとつの切れ味が良くて、一気に読ませる手腕は相当なもの、芦沢央恐るべし!九州弁の味付けながら、痛々しくて息が詰まりそうになる『姉のように』、サイコパス感溢れる不気味な『ありがとう、ばあば』、何とも言えない土着性風味の表題作『許されようとは思いません』が忘れがたい。


No.90 8点 ずうのめ人形
澤村伊智
(2019/07/24 20:32登録)
こ、これは確かにホラーだがっ、というよりバリッバリのミステリーではないか。ホラー大賞の次編ではあるが、前作がアクションエンタメ化したラストを、驚きの連続、逆転のカタルシスで紡いだのが実にうれしい。見事に騙される、二度読みの面白さに溢れている、それがホラーとしての味わいの中に自然に溶け込んでいるのである、オススメ!


No.89 7点 ぼぎわんが、来る
澤村伊智
(2019/07/19 13:21登録)
日本ホラー小説大賞受賞作で、掴みとなる第一章がとても怖くて面白い。第三章でアクションエンタメに変わってしまうのは、評価の分かれ目であろうか。特筆すべきは第二章の今どきのイクメンの描写であり、その風潮に異をたてる小生は実に共感できるのでありまする。


No.88 7点 名探偵に薔薇を
城平京
(2018/09/02 11:27登録)
何とも鮮やかな二部構成の本格ミステリにて、終盤の逆転に次ぐ逆転の畳み掛けに、第一部の辛味がピリッと効いてくるあたりは、なかなかの快作。意図された語り口の『メルヘン小人地獄』の世界観に、名探偵の苦悩が微妙に絡むあたり、類をみない異色作となった。まずはご賞味あれ。


No.87 7点 崩壊
塩田武士
(2017/06/04 18:53登録)
堅実な文章、丁寧な描写に浮かび上がるリアルな群像の数々、警察小説に疎い小生にも、大阪の曽根崎、鶴橋と馴染みある舞台が嬉しい。ミステリーとしてより人間ドラマとしての読み応え、バブル経済の崩壊の向こうの再生を読み取りたい。


No.86 7点 鸚鵡楼の惨劇
真梨幸子
(2017/05/19 04:28登録)
これぞ、真梨イヤミスの真骨頂!官能、ホラー、幼児性愛、猟奇的殺戮などこれでもかの波状描写も構成のうまさもあり実に楽しめる。あえてボカシてある不気味さ、モヤモヤ感もあり、もう思う存分嫌な読後を味わえますが、満足感にも浸れますぞ。


No.85 7点 殺意の構図 探偵の依頼人
深木章子
(2017/04/29 10:35登録)
放火の冤罪事件を巡って話が二転三転するも、すこぶる面白く、まさかまさかのエンディングに驚きのエピローグ。視点の変化による事件の立体化、見え隠れする毒殺犯の正体など、実に緻密でブラックながら、優しい視線も感じられて嬉しいのです。


No.84 6点 道徳の時間
呉勝浩
(2017/04/23 10:21登録)
賛否溢れる選評が面白い乱歩賞受賞作。ミステリーとしての謎かけが抜群で、どう転がっていくのか気になって、時を忘れて一気読み。確かにちょいとしたゴチャゴチャ感や、真相とのバランスは取れているとは言い難いが、最後まで楽しめましたよ。『道徳』の授業って何をしてたのかなあ。


No.83 7点 チェインドッグ
櫛木理宇
(2017/04/19 08:38登録)
殺人鬼の冤罪を晴らす為、彼の背景に触れるうちに次第に惹かれ、取り込まれ、模倣し、同化していく過程がとてもわかりやすく怖い。サクッと読める文体の中に、チェインドッグ化してしまう人の脆さ、悲しさに実に考え込んでしまう小生も既に繋がれてしまったか。


No.82 5点 ある少女にまつわる殺人の告白
佐藤青南
(2017/04/05 11:02登録)
インタビュー形式のミステリーは、読み易く、少しずつ全体像が浮かび上がってくると共に、何とも言えない違和感に引っ張られて一気読みとなる。実に計算され尽くしているうまさがあり、児童相談所の問題提起もよくわかるが、どうにも児童虐待、連鎖虐待が辛くてすこぶる後味悪し。


No.81 5点 あやまち
沢村凜
(2017/03/07 13:00登録)
恋愛ミステリーというので、ちょいとトライしてみた。う~む、確かに恋愛もあり、ミステリーもあるにはあるが、冒頭のネタ振りの割りにはフツーに終わったなぁ~といったところ。ヒロインと尾行者との間に生まれるサスペンスが読み処であったか。


No.80 7点 衣更月家の一族
深木章子
(2017/02/14 12:24登録)
これから起こる事件に絡みますよという前振りがあるも、全く解らない三件の殺人がそれぞれ面白く、探偵の登場によってパズルが仕上がる手際がお見事。って、その筆力の巧さに乗せられたかのよう。小生思うに著者は今、最高の書き手の一人ではあるまいか。痒いところに手が届くような心地よい語り口とでも云おうか。


No.79 7点 愚行録
貫井徳郎
(2017/02/07 11:51登録)
それぞれの証言者たちの主観で築かれていく殺されたエリート家族の実像以上に、サイコパスとなった犯人が哀しい。キレる人はいるが、皆殺しにするという理性の欠けた人間が生まれる過程(家庭でもある)が怖い。目新しくはないが奇抜な構成のトリックの妙を堪能されたし。


No.78 6点 悪いものが、来ませんように
芦沢央
(2017/01/31 12:31登録)
2人の女性の関係性と巻き起こる事件に関わる人々の証言から生まれる微妙な違和感の中で、フツーに騙されるも、このタイプのものにしては衝撃は小振り。ミステリーとしてより、一つの小説としてのエピローグのうまさ、女性作家ならではのタッチを味わいたい。


No.77 6点 猫間地獄のわらべ歌
幡大介
(2017/01/04 11:02登録)
時代小説+ギャグ+ミステリーという試みで、実に読み易く、ミステリ論なんぞも飛び出してなかなか笑わせて楽しませてくれるが、ミステリーとしての驚きはというとねぇ~。わらべ歌問題編と解決編が突出して面白く、締めがちと弱いが、ラストのサプライズはうまし!


No.76 7点 砕け散るところを見せてあげる
竹宮ゆゆこ
(2017/01/03 11:04登録)
ラノベといえど、これは鮮烈な読書体験であった。どういう展開になるのかどんどん進んでしまい、意外なラストに唸る。叙述トリックであったとは。それがちと解りにくくとも、時間のうねりを感じるような面白さがある。小生は見事に砕け散ったのであった。

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