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ミステリの祭典

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ある少女にまつわる殺人の告白

作家 佐藤青南
出版日2011年05月
平均点4.75点
書評数4人

No.4 5点 zuso
(2021/04/26 23:17登録)
児童虐待や負の連鎖が怖い。重いテーマだけど、それだけでは終わらない。読み進むほど展開のスピードが増していく。そしてまさかのラストに驚愕。

No.3 5点 メルカトル
(2020/03/19 22:51登録)
第9回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞作の、待望の文庫化です。「今日的テーマを扱いつつ難易度の高いテクニックを駆使し、着地の鮮やかさも一級品」茶木則雄(書評家)。10年前に起きた、ある少女をめぐる忌まわしい事件。児童相談所の所長や小学校教師、小児科医、家族らの証言から、やがてショッキングな真実が浮かび上がる。巧妙な仕掛けと、予想外の結末に戦慄する!
Amazon内容紹介より。

ある少女亜紀の関係者の独白で構成される、『告白』に似た形式の作品。ただこちらは茫洋として掴み所がなく、なかなか亜紀の人物像が見えてきません。これは結構フラストレーションが溜まりますね。児童虐待や児童相談所の有り方についてあれこれ書かれていますが、いかにも浅いです。亜紀という少女は一体どんな人間だったのか、それがテーマなはずなのに、なんとなくはぐらかされているようで、読んでいてとても据わりが悪い感じがしました。

衝撃の真実が明らかになる終盤は確かに目を瞠るものがありますし、ラストのオチは見事に決まっていたと思います。ただそこだけで評価するわけにはいかないので、5点にしました。こうした驚愕を味わわせてくれる小説は個人的に好みですが、そこに至るまでがねえ、残念な感じでした。
せめて、章の最初にどこの誰の独白なのかを明確にしてほしかったです。それだけでもメリハリが付いて、印象が随分違ったと思いますよ。

No.2 5点 パンやん
(2017/04/05 11:02登録)
インタビュー形式のミステリーは、読み易く、少しずつ全体像が浮かび上がってくると共に、何とも言えない違和感に引っ張られて一気読みとなる。実に計算され尽くしているうまさがあり、児童相談所の問題提起もよくわかるが、どうにも児童虐待、連鎖虐待が辛くてすこぶる後味悪し。

No.1 4点 虫暮部
(2014/05/30 11:45登録)
なんだかどこかで読んだようなDV関係の話が延々と続く。ラストに若干の捻りはあるけれど、9割の凡庸を1割の意外性でチャラに出来るかと言うとそうはいかないわけで、あまり過大な評価は禁物。但し、作者の意図した事柄をきちんと描き切る筆力は認められる。

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