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ミステリの祭典

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鸚鵡楼の惨劇

作家 真梨幸子
出版日2013年07月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 6点 メルカトル
(2023/10/24 22:15登録)
一九六二年、西新宿。十二社の花街に建つ洋館「鸚鵡楼」で惨殺事件が発生する。しかし、その記録は闇に葬られた。時は流れて、バブル全盛の一九九一年。鸚鵡楼の跡地に建った高級マンションでセレブライフを送る人気エッセイストの蜂塚沙保里は、強い恐怖にとらわれていた。「私は将来、息子に殺される」―それは、沙保里の人生唯一の汚点とも言える男の呪縛だった。二〇一三年まで半世にわたり、因縁の地で繰り返し起きる忌まわしき事件。その全貌が明らかになる時、驚愕と戦慄に襲われる!!
『BOOK』データベースより。

色々詰め込み過ぎて煩雑になるかと思いきや、年代順に追う様に構成されているので、混乱せずに済みました。勿論、作者のリーダビリティの高さもあるでしょう。これを本格と定義して良いのか、やや疑問に思いますが、混沌としながらも最後は関係者を集めて犯人を指摘するスタイルは、確かに本格です。

とにかく一言で語るのが難しい作品です。女性作家でありながら、ここまで踏み込んだ内容になっている辺りは流石イヤミスの女王の面目躍如と云ったところですね。
読後は何だかモヤモヤします。まだ終わり切っていない様な、もっとこの何とも言いようのないカオスに浸りたい様な、そんな感じがしました。

No.2 7点 ミステリーオタク
(2019/08/30 12:46登録)
さすがマリちゃん、読ませてくれる。
ただミステリーとしての完成度は初期の作品に比べて高くなっていると思うが、個人的には「フジコ」や「孤虫症」のような比類なき生臭さと絶大なリーダビリティをもう少し期待したかった。

No.1 7点 パンやん
(2017/05/19 04:28登録)
これぞ、真梨イヤミスの真骨頂!官能、ホラー、幼児性愛、猟奇的殺戮などこれでもかの波状描写も構成のうまさもあり実に楽しめる。あえてボカシてある不気味さ、モヤモヤ感もあり、もう思う存分嫌な読後を味わえますが、満足感にも浸れますぞ。

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