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ミステリの祭典

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放課後に死者は戻る

作家 秋吉理香子
出版日2014年11月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 4点 HORNET
(2017/06/24 23:07登録)
 高校生活やそこでの人間関係の描写はリアルで、そういう部分は楽しめたのだが、いかんせんミステリとしてチープ。なんというか、畳みかけ方が大味だし、最後の仕掛けに対するそれまでの準備(描写や叙述の気配り)が足りない。

 <ネタバレ>
 「こいつさ、死んじゃったんだよな」という同級生のセリフのからくりは一応納得できるけど、だとしたら丸山が文化祭の準備の場面で城崎を手伝おうとしたのは辻褄が合わないんじゃないか。
 あと、あれだけいろんなクラスメイトと話したり、いっしょに時間を過ごしたりしているのに行方不明の同級生がいることが一切話題に挙がらないなんてありえないし、小山のことを話題にしたときの田中吉雄の反応も不自然。
 上手に辻褄が合うような会話にしているけど、そもそも普通だったら直接言葉にするからすぐにばれるはず。
 仕掛けありきで、無理のある展開になっているという印象が強かった。

No.1 6点 パンやん
(2016/04/10 12:38登録)
青春ミステリとして実に爽やかで読み易く、遥か昔の文化祭の雰囲気も満喫できて、ちょいと嬉しくなったのも確か。「暗黒女子」的な作品を期待していたのには肩すかしであったが、友達を絡ませたミスリードも楽しめ、まずまず及第点といったところ。次は「聖母」ですなぁ。

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