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ミステリの祭典

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はっすーさんの登録情報
平均点:6.13点 書評数:39件

プロフィール| 書評

No.39 4点 硝子の塔の殺人
知念実希人
(2021/08/07 01:18登録)
賛否両論分かれる作品かと思います。

そもそもSNS上で賛否分かれており、気になり読んでみました。
作者はいつもは医療ミステリを書き、他作品では最後のツイストで驚かすタイプの作家と認識していたので、元々トリックには期待していない中、本格ミステリ(しかも密室)を扱っていて、期待と不安が半々の中読み進めました。

読了後の正直な感想としては、本格初作品としては色々とやり過ぎたと思いました。。
また途中途中に入るミステリの知識が薄いわりに、マニアと自称するキャラがやたらと語り出すので、薄寒く感じる場面が多々あり、そこも読み手を選ぶかと思います。
一応その知識が伏線として効いているところもあり、必要性は感じ取れます。
しかしながら作品自体が本格ミステリとしての出来が低く、新本格としてもツイストが弱く、なんとも言えなくなります。
また最後のツイストもある種の言い訳のように見え、本格好きを語る作品としては物足りなさを感じます。

ただ事件の構図は面白く、作者なりのミステリ愛は感じることができました。
そのこともあり、全体的にかなり勿体ない作品だと思います。もっとコンパクトにスマートに本格愛溢れる作品だったら、8点は入れていたかとしれません…。

追記  
皆様の評価が高く驚きました…。
皆様の評は個々人がミステリに対する色々な意味での愛がある結果だと感じました。
初読につけた点数なので、点数を変える事はないですが、この作品自体が万人受けしないかもしれない本格ミステリ愛を一般読者に広げ、本格ミステリ愛が広がっていく、一つの機会になるかもしれないという可能性のある作品という意味では、個人的に再度評価すべきであると感じました。

やはり自分一人で読み、評価したところで限界がある、とこの度再認識させていただきました。
今後とも皆様よろしくお願いいたします。


No.38 8点 真夏の日の夢
静月遠火
(2020/12/22 12:33登録)
まさにホワットダニットの傑作だと思いました。

ぼろぼろのアパートに1ヶ月間、劇団サークルのメンバーが共同生活していく中での、ちょっとした会話や違和感が終盤で伏線として一気に回収されていき、衝撃の事実へと繋がります。

一つ一つのトリック(?)はどれも古典的で目新しさは無いものの、キャラの描かれ方や伏線回収の上手さにより、良い劇を観たような読後感となりました。


No.37 8点 蟬かえる
櫻田智也
(2020/12/18 11:39登録)
ネット上でかなり高評価で、今年度のミステリランキングにも複数入ってるという事で読みました。
今作はシリーズ二作目なのですが前作は未読です。

内容は短編が5つなのですが、全部高水準で非常に楽しめました。
特に気に入ったのは表題作と『彼方の甲虫』ですかね。どちらも読後の余韻が非常に良く、他の3編も胸に響きます。

何編かは中々見かけないホワットダニットを扱っていますが、そのホワットが明らかになると同時に、人間心理からなる特異なホワイが明らかになるところも鮮やかです。亜愛一郎シリーズと比べられるのも納得の短編集でした。


No.36 6点 火喰鳥を、喰う
原浩
(2020/12/16 22:59登録)
あらすじ

全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。

選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作!
「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏
「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏

信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。
(amzon内容紹介より引用)


仕事が落ち着いたこともあり、今後はなるべく読んだらすぐ書評を書くようにしていこうと思います。よろしくお願いいたします。


今作は横溝正史ミステリ・ホラー大賞受賞であり、タイトル・あらすじに惹かれて読みました。

当たり前ではありますが、帯の選考者の方々が絶賛しているように書かれていますが、実際の選評を読むと、複数の選考者がホラーとして怖くないと述べており、中でも黒川氏は少し酷評気味でした。
ちなみに選考者ではありませんが、ホラー作家の澤村伊智氏は今作を絶賛していたので、かなり賛否の分かれる作品だと思います。
(なお辻村氏の選評はネタバレを含むので、読後読まれることをお勧めします。)

個人的にはホラーとしては怖く感じず、色々と起こる出来事が不気味なだけでした。
ただ少しグロテスクな描写や主人公の心理描写など、人によっては怖いかもしれません。

ミステリとしてはヒクイドリヲクウの意味は何か?・墓に悪戯をしたのは誰か?とかなり興味がそそられる内容ですが、それ以上に途中から「そういう話なの!?」と色々な意味で驚かされる急展開により、もはやミステリなのか?となるので、ミステリとして読むと少しガッカリするかもしれません。

ネタバレ以降も色々と書きますが、今後も新作を読みたいと思える内容であったので6点にしました。

あと余談ですが、デビュー作なのに原浩という名前を見て、「どこかで見たことあるなぁ」と思っていたのですが、荻原浩氏と一文字(?)違いというのが既視感の原因でした…。なるほど…。

ちなみに原浩の浩は「ひろし」ではなく「こう」と読むそうです。



この先ネタバレ有り












途中からホラーではなくSF的なパラレルワールドの展開となり、怒涛の展開となります。
しかしその現象のルールなどの書き込みが少なく、SFとしても少し粗いと感じました。
ミステリとしても黒幕はやはりあいつで、ホラーとしては先述のように、全体的に中途半端な印象を受けました。

途中からのSF的な展開は個人的には好きなので、もう少し早い段階で現象を明らかにし、『リング』のように惨劇を食い止めるために奮闘する、といった感じに振り切っていたら面白いかもなどと、素人ながらに思ってしまいました。(というよりそういった作品が個人的に好きという、本当にただの素人意見です…。)


No.35 7点 魔眼の匣の殺人
今村昌弘
(2019/02/26 12:47登録)
あと二日で、四人死ぬ――
ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾!

その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。

待ちに待った『屍人荘の殺人』の続編
前作の「アレ」の次は予知・予言という事で一見パワーダウンしたかのように見えますがむしろミステリ的には今作の方が出来は良いかと思います
特に特殊な状況下の設定を上手く使ったロジックは前作以上に凝っています
ただ特殊な状況下での犯人のとった行動の動機がイマイチ理解しづらかったり偶然が重なったりなどの気になる点も前作から引き継がれていたので点数は7点としました


No.34 2点 大聖堂の殺人 ~The Books~
周木律
(2019/02/25 01:47登録)
ついに周木律氏の堂シリーズの最終巻が出ました
一応シリーズは全部読んだのですが面白いと思えたのは『伽藍堂の殺人』だけでした
比較的『伽藍堂の殺人』までの作品は良かったのですが『伽藍堂の殺人』以降の作品はどれもがっかりなレベルになっておりそんな中の最終巻でしたので期待はしていませんでした
いわゆる天才が殺人を犯すという西尾維新や森博嗣がやっていたパターンなのですがその天才の描き方が下手くそで寒い…天才ではなくただの痛々しいおじいちゃんと主人公たちにしか見えませんでした…
ミステリとしてトリック自体は大技なのですが面白くなく犯人が最初から分かっているハウダニット一本の作品としてはこの長さ(600ページ)は長すぎ…解説も内輪の人間がひたすらシリーズを褒めまくるというもの…もう何もかもががっかりな最終巻でした


No.33 8点 お前の彼女は二階で茹で死に
白井智之
(2019/01/10 04:27登録)
少しネタバレあり

前作のタイトルが一部の方達から問題視されたらしいのですが白井氏らしい相変わらずのタイトルには思わず笑ってしまいましたw
個人的には今作が現時点での作者の最高傑作ではないかと思います
内容は連作短編となっており各々の短編で作者が得意とする特殊な人たちによる特殊な事件が扱われています
この作者にしか書けない唯一無二の異様な事件にあくまで論理的に解決を見せる腕にはいつもながら脱帽です
今作は多重解決が一つのテーマとなっているのですがこれまた一筋縄ではいかない作者らしいものとなっており特に一話目のラストは…必読です


追記…紀伊國屋で購入すると限定のショートショートが読めるのでファンの方は紀伊國屋で買った方が良いかもしれません


No.32 3点 グラスバードは還らない
市川憂人
(2018/10/22 19:28登録)
これは賛否が分かれる作品だと思います
自分は残念ながら否定側です



ここからネタバレ




犯人の目的とトラブルによる事件全体の構図の変化などは面白かったもののメインのトリックがいただけない…
伏線を張っているとはいえ透明人間が謎なのに透明マントを使ってしまうのは禁じ手であり今後のシリーズ作品にも悪影響を与えてしまうのでは?
そもそも国内の某短編作品で前例があるのもマイナスポイント
短編でさえガッカリしたトリックを長篇でやられてしまうとは…

グラスバードの正体もあそこまで強調されて書き続けられてしまうと流石に鳥ではないぐらいのことは感いて人間では?と気がつく人も少なくない気がします
一応パラパラと読み返して見たものの作者が読者を騙そうと必死になりフェアとは言い難い表現が使われていてそこもマイナスポイントでした

以上の評価はジェリーフィッシュ・ブルーローズと佳作を書き続けてきた作者だからこその評価ということもあります
個人的に作者にいつかはオールタイムベスト級の作品を書いてくれるのではと期待していた中での今作…次作期待してます


No.31 7点 虚像のアラベスク
深水黎一郎
(2018/10/03 04:35登録)
まさにバカミス…一作目はあまり面白くないのでガッカリしていたらまさかの二作目…二作目のネタバレはひと単語でできるのですがAmazonのレビューにその単語が書いてあるレビューがあるためAmazonレビューは見ずに読む事をおすすめします


No.30 6点 綺譚の島
小島正樹
(2018/05/18 21:24登録)
首を吊った死体が蘇ったり洞窟の天井に足跡があったり船に乗った鎧武者が海の上を走ってきたり…
いつものやりすぎコージーでした


No.29 7点 悪魔を憐れむ
西澤保彦
(2018/05/13 00:05登録)
発売日に買って読んだものの面白かったという記憶以外全く覚えてなかったので再読
ベストは過去の事件をめぐり歪んだ人間心理のロジックが炸裂する『無間呪縛』かな
しかしちょっと長過ぎる…
特にタカチからの手紙の事件は一つの短編にできるものだと思うので中途半端に入れないで他作品として書いた方がスリムにまとまって良かったのでは?などと短編としては詰め込み過ぎな印象を受けた
そういった不満はあるものの全体的に完成度が高くシリーズ特有の人間心理を利用したトリック・ロジックが堪能できる良短編集なのでシリーズファンは是非


No.28 7点 少女を殺す100の方法
白井智之
(2018/01/28 23:57登録)
タイトルはもちろん帯もエグいので気にせず堂々と本屋で購入し読破できる人はかなり限られるでしょう
ただミステリ好きなら読まなければならない問題作だらけの短編集ですのでエログロ耐性がある人は是非
特にミステリの有名な訓戒を利用してアンチミステリ作品を書ききった『「少女」殺人事件』と白井にしか書けないであろう異色作『少女ビデオ 公開版』は必読です


No.27 5点 皇帝と拳銃と
倉知淳
(2017/12/05 16:26登録)
計画は練りに練った。ミスなどあるはずがなかった。それなのに……いったいどこに落ち度があったというのだ!? 犯罪に手を染めた大学教授、推理作家、劇団演出家らの前に立ち塞がる、死神めいた風貌の警部の鋭利な推理。〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ倉知淳初の倒叙シリーズ、4編を収録。

倉知淳初の倒叙シリーズということで楽しみにしていました
読んでみた感想としては微妙・・・
確かに一つ一つのロジックは納得はいくもので面白いものもあり倒叙ミステリのレベルとしては決して低く無いのですが全体的にインパクトや驚きが少なく勿体ない印象を受けました
倉知淳だからと期待せずに読んだ方がいいかと思います


No.26 10点 13・67
陳浩基
(2017/11/01 00:07登録)
華文(中国語)ミステリーの到達点を示す記念碑的傑作が、ついに日本上陸!
現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリー。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点。
本格ミステリーとしても傑作だが、雨傘革命(2014年)を経た今、67年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分。
2015年の台北国際ブックフェア賞など複数の文学賞を受賞。世界12カ国から翻訳オファーを受け、各国で刊行中。映画化件はウォン・カーウァイが取得した。著者は第2回島田荘司推理小説賞を受賞。本書は島田荘司賞受賞第1作でもある。
〈目次紹介〉
1.黒與白之間的真實 (黒と白のあいだの真実)
2.囚徒道義 (任侠のジレンマ)
3.最長的一日 The Longest Day (クワンのいちばん長い日)
4.泰美斯的天秤 The Balance of Themis (テミスの天秤)
5.Borrowed Place (借りた場所に)
6.Borrowed Time (借りた時間に)

まさにオールタイムベスト級の作品
今年読んだ作品の中ではダントツの面白さでした
短編を通して香港島という社会で描かれる正義のあり方について深く考えさせられ、なおかつ短編一つ一つの完成度もジェフリー・ディーヴァーの作品を凝縮ささせたようなツイスト・ロジック・トリックの三拍子揃ったものとなっていて大満足の内容でした


No.25 6点 道化の死
ナイオ・マーシュ
(2017/10/20 22:55登録)
正直こういったミステリには細かい図面的な説明が必要なのでは?と思いました
正直馴染みのない舞台を想像出来る人は少ないと思います
メインのトリックは正直妥当な感じで意外性は低いでしたが読後感は悪くない作品でした


No.24 7点 屍人荘の殺人
今村昌弘
(2017/10/14 15:54登録)
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。合宿一日目の夜、映研のメンバーたちは肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。
緊張と混乱の一夜が明け――。部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。しかしそれは連続殺人の幕開けに過ぎなかった……!! 究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?!
奇想と本格ミステリが見事に融合する第27回鮎川哲也賞受賞作!

今年の鮎川哲也賞もかなりの力作
こんな状況下のクローズドサークルは前代未聞でしょう
そしてこの特殊環境でしか成立しないトリックの数々は必見です
中でも第2の殺人のホワイダニットは個人的にかなり衝撃的でした
ただこの状況下でしか成立しない事件のため犯人の思惑通りにどんどん事が運ぶのでご都合主義と言った批判は避けては通れないでしょう
しかしこの作品に対してご都合主義という言葉はナンセンスな気がします
この奇想を基に本格ミステリ作品を見事に成立させた作者には素直に拍手を送るべきだと個人的には思います


ネタバレ
ただ物語上仕方がないものの明智さんだけは生かしておいて欲しかったです…
正直比留子より明智さんの方がカッコよくて好きでした…


追記
他の方からセオドア・ロスコーの『死の相続』が先例としてあると指摘がありそう言えばそうだなとなりました
ただ『死の相続』のゾンビと今作のゾンビは少し種類が違い今作ではその違いをトリックに上手く取り入れているという考えは変わらないので点数も変更無しです
あと『死の相続』もとても面白いので未読の方は是非
『』


No.23 7点 ブルーローズは眠らない
市川憂人
(2017/10/07 18:57登録)
去年話題を呼んだ鮎川哲也賞の『ジェリーフィッシュは凍らない』の続編
『ジェリーフィッシュは凍らない』ほどでは無いものの見事な反転がありその反転が密室トリックに繋がっていて流石の一言
他にも犯人を特定する伏線もよく張られていて力作となっています
ただトリックの使い方は上手いものの印象的なトリックが無いのと容疑者の少なさが玉に瑕でした


No.22 6点 謎の館へようこそ 白
アンソロジー(出版社編)
(2017/10/05 00:06登録)
『七人は名探偵』とは違い若手・中堅ミステリ作家たちによる新本格30周年記念アンソロジー第二弾
今回は“館”をテーマとしているためか本格色の強い作品が多かったです
個人的には東川篤紀・青崎有吾・周木律氏の作品が館の特性を上手く使っていて好印象
中でも日頃仕掛けの無い“館”ばかりを扱っているせいかかなり特殊な館を使い最後にバカミストリックをかました青崎有吾氏の『噤ヶ森の硝子屋敷』が個人的ベストでした


No.21 6点 帽子から飛び出した死
クレイトン・ロースン
(2017/09/21 19:14登録)
クレイトン・ロースンの作品は短・中編作品しか読んだことが無かったのでこれが初長編でした
内容としては密室殺人・人体消失・足跡の無い殺人などと盛りだくさんで各々の真相もなかなか
特に最初の密室殺人は最後の最後までその謎を引っ張るのでトリックに期待してたらまさかの真相…見事に騙されました
ただ難点としては登場人物が無駄に多い気が…確かにフーダニットとしてはある事がわかれば一発なのですが…


No.20 3点 LOST 失覚探偵
周木律
(2017/09/21 18:56登録)
推理をするたびに五感を一つ失っていく失覚探偵が不可能犯罪に立ち向かう話
不可能犯罪の内容は突然餓死したり腹が爆発したり何もない庭で圧死したりと被害者が可哀想になるものばかりでワクワクさせられました
しかしトリックが小粒すぎて…
更には失覚探偵という設定もあって無いようなものでして…最後のアレが言いたかっただけだろ…とガッカリ

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