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ミステリの祭典

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謎の館へようこそ 白
新本格30周年記念アンソロジー

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日2017年09月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 6点 まさむね
(2018/09/17 21:35登録)
 新本格30周年記念アンソロジー第二弾。
 テーマはそのものズバリ「館」で、第一弾「7人の名探偵」よりもテーマ自体のハードルは高いと思います。こちらもハードルを上げて読んでしまった面もあるのですが、作者ごとの個性は十分に出ていて、その点では楽しめたと言えるのかな。個人的なベストは、思考の落とし穴をスッキリと見させてくれた、青崎有吾氏の「噤ヶ森の硝子屋敷」でしょうか。

No.3 6点 人並由真
(2017/10/29 09:50登録)
(ネタバレなし)
 <講談社・新本格30周年記念企画>の一環である、現在形の新世代作家による書下ろしアンソロジー。
 以下に簡単な寸評を。書式はHORNETさんのレビューに倣わせて頂きます。

◇陽奇館(仮)の密室(東川篤哉)
 国産ミステリ史においては三番煎じのトリック! こういうものに「有名な長編と、さらにその先駆の短編に前例があります。もっとひとひねりを」とダメ出ししない担当編集者の了見もよくないのでは?
◇銀とクスノキ~青髭館殺人事件~(一肇)
 初読時は悪くないと思ったが、そのあとに続く濃い作品群の前に霞んでしまった感じ。 
◇文化会館の殺人 ――Dのディスパリシオン(古野まほろ)
 同じ叢書で活躍中の女子大生探偵(真実鑑定士)ユイカの登場編。ゆるい方のまほろ先生ですが、ジュブナイル的なまとめ方は結構スキ。
◇噤ヶ森の硝子屋敷(青崎有吾)
 E・D・ホックの良く出来た短編を思わせる秀作。フィニッシング・ストロークも決まっている。
◇煙突館の実験的殺人(周木 律)
 序盤の掴みから途中のスリル、最後の意外な真相までを含めて、これが本書のなかのベストかな。私的に今まで周木作品はノンシリーズものばかり読んでるので、有名な「堂シリーズ」に先に接していたら、また印象は変わったかもしれない。
◇わたしのミステリーパレス(澤村伊智)
 この作者らしい、トリッキィなミステリ味を具えたコワイ話。読者に想像を委ねる書き方をしている部分も相応にあるが、そこがまた効果的。

 ところで世代人的に「謎の館」といえば、ナショナル乾電池のCMヒーロー・キングパワーUのテーマソングですな。誰か「覚えてます」と言ってくれ(涙)。

No.2 6点 HORNET
(2017/10/21 21:03登録)
 講談社・新本格30周年記念企画の第2弾。「館」をテーマとしているため、変化球の多かった「七人の名探偵」よりもこちらのほうが本格っぽさはあってよかった。

◇陽奇館(仮)の密室(東川篤哉)
 赤川次郎の某有名作のパクリでは?
◇銀とクスノキ~青髭館殺人事件~(一肇)
 ・・・オチがちょっと・・・うーん・・・
◇文化会館の殺人 ――Dのディスパリシオン(古野まほろ)
 手がかりから真相を推理する、という正道ではあった。が、簡単だった。
◇噤ヶ森の硝子屋敷(青崎有吾)
 人里離れた、限られたメンバー内での殺人、という本格ファン好みの話。
◇煙突館の実験的殺人(周木 律)
 閉塞的な特殊施設に集められた人々。米澤穂信「インシテミル」的雰囲気。
◇わたしのミステリーパレス(澤村伊智)
 こんな話よく考えるなぁ。読んでいくうちに全体像が見えてくる。

No.1 6点 はっすー
(2017/10/05 00:06登録)
『七人は名探偵』とは違い若手・中堅ミステリ作家たちによる新本格30周年記念アンソロジー第二弾
今回は“館”をテーマとしているためか本格色の強い作品が多かったです
個人的には東川篤紀・青崎有吾・周木律氏の作品が館の特性を上手く使っていて好印象
中でも日頃仕掛けの無い“館”ばかりを扱っているせいかかなり特殊な館を使い最後にバカミストリックをかました青崎有吾氏の『噤ヶ森の硝子屋敷』が個人的ベストでした

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