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ミステリの祭典

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綺譚の島
海老原浩一シリーズ

作家 小島正樹
出版日2012年02月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2020/09/01 21:54登録)
(ネタバレなしです) 2012年発表の海老原浩一シリーズ第4作の本格派推理小説です。序盤からまさかの怪現象の数々が提出されますが、海老原は早々とトリックの正体に気づきます。でも説明は終盤で、読者はじらされますけどね。トリックと全体にまたがる謎とを上手くからませていた「龍の寺の晒し首」(2011年)と比べると本書のトリックは散発的で、トリックのためのトリックにしか感じられませんでした。トリックの強引さも鼻につき、緑に光る龍とか鎧武者が海の上をすべるように移動するとか、目撃者の不注意にかなり助けられているように思います。最後には犯罪の影にある醜い人間関係と痛ましい悲劇が浮かび上がるのですが、それまでの海老原のユーモラスで図々しい捜査とはアンマッチに感じました。

No.2 6点 はっすー
(2018/05/18 21:24登録)
首を吊った死体が蘇ったり洞窟の天井に足跡があったり船に乗った鎧武者が海の上を走ってきたり…
いつものやりすぎコージーでした

No.1 5点 kanamori
(2012/05/28 21:21登録)
戦国時代の落武者伝説が伝わる島という、「獄門島」と「八つ墓村」を合体させたような設定で、例によって島荘直伝の奇想がこれでもかと言うぐらいに連打される”やりすぎ本格”です。

まあ、好きな人は楽しめると思いますが、ひとつひとつの怪異現象の真相に関しては推理の余地なく、自称・名探偵の謎解きをひたすら拝聴するだけでした。なかでも、海に浮かぶ鎧武者と波間に突き出た木槌の正体には笑わせていただきました。
”奇想=バカミス”ということが再確認できる作品です。

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