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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1728件

プロフィール| 書評

No.1048 5点 紳士同盟
小林信彦
(2017/10/17 18:26登録)
(東西ミステリー1985版の45位)国産コン・ゲーム小説の嚆矢とのこと。ユーモアもあり楽しめました。オチがラストページに来たらもっと評価が上がったと思います。なお、薬師丸ひろ子さん主演で映画化されているとのことですが、小説の人物像とはまったくイメージが違います(苦笑)。


No.1047 4点 愚者のエンドロール
米澤穂信
(2017/10/11 20:23登録)
副題からクリスティー氏の「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」のオマージュと思ったら、まったく関係はなく、バークリー氏の「毒入りチョコレート事件」のオマージュでした(苦笑)。多重解決ものが苦手であること、青春ミステリーではあるが恋愛ものではないことなど、好みからかけ離れておりこの評価。


No.1046 5点 なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
アガサ・クリスティー
(2017/10/09 08:14登録)
ダイイングメッセージだけで一冊の物語を書き上げてしまったことに感服。著者に対しては、どうしても本格ものを期待してしまいます。本作は冒険小説風、青春ミステリー風でした。


No.1045 7点 消えたタンカー
西村京太郎
(2017/09/26 19:22登録)
「赤い帆船(クルーザー)」もスケールの大きな話でしたが、本作もそれに劣らないスケールの大きさでした。裏表紙に「インド洋上で原油を満載したマンモスタンカーが炎上沈没した。」とあり、どこが「タンカー消失」なの?などと思いながらの読書。ラスト、成る程と納得。中盤は、殺人鬼と警察との攻防が楽しめました。


No.1044 5点 闇からの声
イーデン・フィルポッツ
(2017/09/22 17:07登録)
東西ベスト(1986年版)74位。ほぼ100年前の作品ですが、オカルトチックにならない点に好感を持ちました。題名の「闇からの声」の謎は、あまり主題とは関係なく、あくまでも犯人を追いつめていく物語です。ただ、探偵の心理の吐露や、犯人の心理を読む言い回しが、ややクドイ。それによってスピード感が削がれてしまって勿体ない感じがした。なお、少年の声の真相は微笑ましいものでした。


No.1043 6点 パズル崩壊
法月綸太郎
(2017/09/15 13:05登録)
ホテルの部屋で切断された女性の上半身と男性の下半身が腰の部分でつなぎ合わされた惨殺死体が発見された。好みのサイコものか?と期待するも単純なパズルものでした。1992年から1995年に発表された短篇(パズル、オカルト風、パロディ、その他)です。パズルものの内容が、徐々にパズルものではなくなってゆく、さも崩壊していくような順に並んでいます。やはり白眉は「カット・アウト」ですね。「燃え尽きた残像」を改題したものですが、旧題の方がマッチしていると思います。ポロック氏の抽象画「カット・アウト」と原爆写真が謎に絡むところが印象的な作品。


No.1042 6点 大いなる幻影
戸川昌子
(2017/09/11 10:10登録)
東西ミステリーベスト100(1986年版)の77位。オムニバスに近い感じで、アパートの住人(老嬢となっているが、現在の感覚ではまだまだ若い女性)の秘密が語られる。その部分は、どちらかというとサスペンスより一般小説に近い感じがします。ミステリー的には、誘拐の真相一本の方がよかったのかな?という印象です。宗教家とそれに関わる○○のオチがあるのですが、かえってピントがボケてしまったような・・・。誘拐>○○、誘拐=○○、誘拐<○○、作者はどれなのかなと悩んでしまいました(苦笑)。


No.1041 8点 Wの悲劇
夏樹静子
(2017/09/09 13:08登録)
東西ミステリーベスト100(1986年版)の75位。倒叙でありながら、いとも簡単に偽装工作が警察にバレてしまう。そんなことでは、先行きが不安になりますが・・・・・・。なるほど、裏があったのですね。このプロットには感心。民法第八百九十一条第二項は、素人なので知りませんでした。勉強になりました(笑)。


No.1040 8点 赤い帆船(クルーザー)
西村京太郎
(2017/09/05 13:58登録)
十津川警部のデビュー作とのこと。松本清張氏の「火と汐」が出てきた辺りで、オリジナリティの観点から、かなり心が折れてしまいました。ところがどっこい、○○○○でした。この反転。かなりハイレベルなトリックには感心しました。もう一つのトリックもオリジナリティがあります。チョット危ういところもあるのですが、スケールが大きく、また発想もいい。なお、犯人像はこの人以外考えられないし、もしそれ以外の人物であれば、面白くもなんともない作品になってしまいます。よって倒叙式に近いものだと思います。時刻表トリックが苦手なので、トラベル・ミステリー以前の作品を何点か読んでみたい。


No.1039 6点 一本の鉛
佐野洋
(2017/08/31 19:11登録)
東西ミステリーベスト100(1986年版)の55位。1959年の作品です。30代の人には、この題名の意味が判らないかもしれませんね。昔はこのような誤りがあったのかも?。今だったら大変なことに?!。題名、動機の隠蔽、犯人像に特徴がある作品でした。


No.1038 5点 ローズマリーの息子
アイラ・レヴィン
(2017/08/28 17:21登録)
「ローズマリーの赤ちゃん」(1967年)の30年後に発表された続編。前作でローズマリーは悪魔教団に呪いをかけられ昏睡状態となったのですが、27年ぶりに目を覚まします。当時6歳だった息子は33歳に。そして悪魔の子であるアンディは平和運動組織の指導者として全世界の人々から愛されていました。しかし、ローズマリーは、アンディに悪魔の血が半分流れていることが不安であり、またアンディが時々本性を現すことで徐々に疑心暗鬼になっていきます。やがて2000年の祭典(全世界同時にローソクを灯す)でクライマックスを迎えるのですが・・・。結構楽しめたのですが、ラストが残念です。


No.1037 7点 リリアンと悪党ども
トニー・ケンリック
(2017/08/27 19:29登録)
東西ミステリーベスト100(1986年版)の89位。あるトラブルで主人公バニーとエラとは天敵になった。しかし、孤児のリリアンと3人で大富豪の親子役を引き受ける羽目になる。バニーはエラを口説くがそっぽを向かれっぱなし。リリアンは9歳でタバコを吸うのである。こんな3人が大富豪の親子を演じられるのか?といったドタバタ喜劇です。後半は誘拐劇でバニーと誘拐犯と情報局の知恵比べのコンゲームになります。海外ものでは、中々笑いのツボに嵌まるものがないのですが、本作は笑えました。ただ、もう少しリリアンに活躍してほしかった気持ちはありますね。


No.1036 6点 壁-旅芝居殺人事件
皆川博子
(2017/08/20 21:59登録)
裏表紙より~『芝居小屋桔梗座の最後の日、特別出演をした役者の立花が四綱渡りで落ち死んだ。そして奈落からは絞殺死体が発見される。じつは15年前の桔梗座でも、落下事件があり、奈落で殺人が起こり、役者が一人姿を消していた。小屋主の娘・秋子が時を隔てて起こった事件の真相に迫る。』~
第38回(昭和60年)日本推理作家協会賞作品。160頁の中編ですが、少し苦労しました。芝居用語、特に奈落の構造がいま一つ頭に入ってきませんでした(苦笑)。ラストのオチは「お初」かもしれません。推理小説としては初期の作品で、皆川ワールド(幻想的雰囲気)がまだ表現されていなかったですね。


No.1035 6点 真昼に別れるのはいや
笹沢左保
(2017/08/16 21:55登録)
有栖川有栖氏のアリバイ講義で紹介された作品の最終回。「アリバイがない場合」のカテゴリに属する作例として挙げられています。どういうこと?と思いましたが、普通に第3者の証言によるアリバイがないということでした。アリバイに関しては、面白い試みではありますが、「うーん」とうなるほどではなかったですね。最初から犯人はこの人物しかいない状況なので倒叙に近い物語です。よって、犯人が言うところの「ある場所にいた」という「アリバイ崩し」と動機探しがメインでした。デビュー間もない作品で、著者曰く「本格味とロマンを融合させようと努力した」ということです。当時は本格味のある推理小説に恋愛要素を含ませることは、タブーとされていたとあり時代の変遷を感じさせられます。


No.1034 5点 津和野殺人事件
内田康夫
(2017/08/14 19:58登録)
友人との会話で私が「ミステリーを読んでいる」というと、「誰の本をよんでいるの?、西村京太郎?内田康夫?」との質問。友人はミステリーは特に読んでいないのですが、やはりTVドラマ(十津川警部、浅見光彦シリーズ)の影響で両氏の名前が出てきたようです。ということで、まだ一冊も読んでいなかった内田康夫氏の作品。旅情ミステリーと銘打っているとおり、その雰囲気は良いと思います。津和野の歴史や、キリシタン弾圧の背景が物語に結びつき、よく溶け合っていました。ミステリー的には、犯人に関するプロットが好みでなく、そこが残念な点でした。


No.1033 4点 倒錯のオブジェ 天井男の奇想 
折原一
(2017/08/11 10:54登録)
同じような題名が多く紛らわしい。また改題も多いし・・・。てっきり読んでいるものと勘違いしてました。天井裏の男、一階の大家の老女、二階の暴力男から逃げている人妻の各視点で語られるのですが、遅々として話が進みません。繰り返しの表現が著者の特徴でもあるのですが、本作はサスペンス感がないため、かなりイライラ(苦笑)。叙述もスッキリ感がなかったので辛目の評価です。


No.1032 4点 黒いアリバイ
ウィリアム・アイリッシュ
(2017/08/06 13:31登録)
邦題の「黒」シリーズは4作で、本作が未読でしたので手に取りました。しかし、あとがきによると原題でのBLACKものは6作あるとのこと。調べたら「喪服のランデヴー」と「恐怖の冥路」の原題がBLACKものでした。サスペンスものなので、真相は期待していませんでしたが、あまりにも予想通りで拍子抜け(苦笑)。本作は短編を寄せ集めたようで、味気なく物足りませんでした。何故かと考えたのですが、それは背景に恋愛が絡んでいなかったからかもしれません。


No.1031 8点 火の虚像
笹沢左保
(2017/08/04 13:12登録)
有栖川有栖氏のアリバイ講義で紹介された作品。あまり読まれていない作品のようです。有栖川氏は当然読んでいるわけで、氏の読書量はどれだけのものなのか?と変な感心をしてしまいました。なお「炎の虚像」と改題されています。どちらかというと犯人はすぐ推測できるので、倒叙形式に近い作品ですね。よってアリバイ崩しが主体。テレビ業界の仕組みをうまく利用した殺人事件であると思います。トリックが解明され、成る程と思っていたところ、さらにもう一つのサプライズが用意されていました。何とこれが「善意」であるところが憎らしい。拾い物をしたという感じの佳作です。


No.1030 7点 暗い傾斜
笹沢左保
(2017/07/30 10:32登録)
有栖川有栖氏のアリバイ講義(「マジックミラー」)で紹介された作品。トリック自体は先例がありますが、それをアリバイトリックに応用したのは初めてかもしれません。高知の室戸岬で事件が起き、一方東京でも同じ日に事件が起きる。この場合、実は共犯者がいたでは面白くとも何ともないので、読者は犯人の移動方法を考えるのですが・・・といった作品です。笹沢左保氏の数作品が、前記のアリバイ講義で紹介されていますので続けて読んでみるつもりです。


No.1029 4点 闇のよぶ声
遠藤周作
(2017/07/23 13:38登録)
謳い文句に「心理的探偵法を用いた著者唯一の推理小説」とあります。探偵側からの心理的探偵法なるものは、神経科医による予知夢を利用したもの。これは非科学的であり、導入部分で読者に対し不信感を持たせてしまい、失敗であったかもしれません。まあ、実は裏はあるのですが・・・。犯人側からは完全犯罪を狙ったもので、そ自体は成功しています。こちらも心理的な操作でのトリックですが、先例はありましたね。本作での疑問点は被害者の立場です。クリスティ氏の「ABC殺人事件」での被害者ABはそれ自体がトリックなので理解できるのですが、本作における被害者4人のうち3人については、必然性の面でどうも理解することができませんでした。また、真相の判明が犯人の告白によるもので、推理小説としては残念な点です。以上、ミステリー要素だけに絞った書評でした。

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