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ミステリの祭典

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猿来たりなば
トビー&ジョージ

作家 エリザベス・フェラーズ
出版日1998年09月
平均点6.29点
書評数7人

No.7 4点 蟷螂の斧
(2017/06/02 11:14登録)
謎としては短編向きか?。よって長編としてのプロットに問題があるのかも?。つまり、それほど魅力的ではない謎で終盤まで引っ張っていくので、どうしても退屈な展開となってしまう。謎もだいたいの予想がついてしまう。よって、中盤辺りで謎を明らかにし、そこからもう一つの物語(真相)を構築した方が二度楽しめる小説になったような気がします。

No.6 7点 nukkam
(2016/09/25 01:42登録)
(ネタバレなしです) 1942年に発表されたトビー・ダイク&ジョージシリーズの第4作となる本書は、トビーの1人称形式で物語が進むのが特色の一つです。これまでフェラーズ作品を読んでいて感じたことは、謎解きの場面で大胆な仕掛けが明らかになることが多くてこれには大変満足しているのですが、一方で前半から中盤にかけての謎作りという点では地味過ぎに感じてしまうことが多かったです。しかし本書は謎の提示も謎解きもどちらも魅力的です。誘拐を扱った本格派推理小説自体さほど多くありませんがその被害者が猿だったなんてのは前代未聞です。しかも猿事件が決して奇を衒っただけのアイデアでないところが素晴らしいです。

No.5 7点 文生
(2015/03/05 21:06登録)
トリックそのものは極めてオーソドックなものですが、殺されたのが猿であるという事実が読者を上手くミスリードさせることに成功しています。
発想の勝利というべき佳作です。

No.4 7点 ボナンザ
(2014/09/12 13:35登録)
見事に決まった感のある名作。
ユーモラスな作風と侮ると最後で持って行かれる。

No.3 5点
(2012/02/02 15:50登録)
殺猿事件の真相と動機にはなるほどと納得しました。このアイデアはなかなかのものです。
でも、察しのいい読者ならなんとなく想像がつくように思います。そもそも猿が殺されるという不自然さはどうしようもありません。それに、警察ならすぐに解決できるではずですしね。たしかに警察の出番を少なくしたところは上手いといえるのかもしれません。作者の隠し方も問題です。トビー&ジョージは事件の状況を把握していたのだから、もっと早く解決できていたのではとも思います。

『自殺の殺人』でも感じたことですが、中盤にメリハリが感じられないのはこのシリーズの特徴なのでしょうか。読者が物語に嵌まり込むことなく、冷静に推理できるのはメリットでもあるのですが…。かならずしもストーリー・テラーである必要はないとは思いますが、もうちょっとなんとかなりそうな気もします。
それに、トビー&ジョージという凡人型コンビ探偵のスタイルも、天才型探偵に慣れ親しんだ読者にとっては物足りないですね。いっそのことお笑い中心のユーモア本格にしてしまえばよかったのにと思います。

褒める点もおおいにありますが、基本的にこの作家には、あまり合わないのかもしれません。3作目にして気がつきました。でももうちょっと読むつもりです(笑)。

No.2 7点 isurrender
(2011/05/05 14:18登録)
面白い、いろんな意味で
伏線の張り方も上手いし
良い作品でした

No.1 7点 kanamori
(2010/04/19 18:37登録)
犯罪ジャーナリストのトビー&ジョージ・シリーズ第4作。
ホームズ&ワトソン風の探偵コンビのシステムに軽い遊びを入れていて、本書がシリーズの邦訳1作目ということで、それが効果を上げているかもしれません。
今回はトビーの一人称記述になっていて、読者は彼の思考を辿りながら猿の誘拐殺害事件を推理していく訳で、ミスディレクションの方策としてはどうかなあと思いながらも、巧妙なことは否定できません。
ユーモア風味ではありながら、殺猿事件の動機など意表を突くものがあり、本格ミステリとして充分合格点の出来だと思います。

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