複雑な殺人芸術 法月綸太郎 |
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作家 | 評論・エッセイ |
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出版日 | 2007年01月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 蟷螂の斧 | |
(2017/02/21 22:32登録) 1997年から2006年の評論集。「ミステリー通になるための100冊(海外編)」1ミステリー幼年期、2探偵小説の黄金時代、3アフター・ザ・ゴールドラッシュ、4アメリカ探偵小説の自立、5フレンチはお好き?、6あいつの名はポリスマン、7スパイ・ストーリー、8追憶のネオ・ハードボイルド、9一発屋(?)たち、10ミステリーは進化する?と各項目10冊程度の作品と2、3行の簡単な紹介文。気になったのは「夜は千の目を持つ」ウィリアム・アイリッシュ~今ならホラーに分類されるかも。「殺人四重奏」ミシェル・ルブラン~女優殺しの四段返しの真相をロンド形式で描いた。「秘密の友人」アンドリュー・クラヴァン~我孫子武丸が絶賛しているのでリストに追加。の3冊です。 続いて14作品の評論。本書を手に取ったのは、「わが子は殺人者」パトリック・クェンティンの解説文を読みたいがためのものでした(笑)。「騙し絵の檻」ジル・マゴーンは著者と森英俊氏が絶賛していますが、さてどうでしょうかといったところ。 次の「初期クイーン論」は難解でした。探偵小説を数学定理に当てはめ説明していると思うのですが、なんとなくこじつけのような気もします。いわゆる後期クイーン的問題「「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できないこと」も、そもそも証明してくれなくても読者は困らないのでは?。読後感は、評論家気質(多読で良く分析している)のほうが作家気質を上回っているような気がしました。お気に入りの作家の1人なので創作活動(本格長篇)で頑張ってもらいたい。 |