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ミステリの祭典

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山口線"貴婦人号(エレガンス・トレイン)"

作家 草野唯雄
出版日1981年05月
平均点7.00点
書評数3人

No.3 7点 斎藤警部
(2021/08/13 14:44登録)
大胆なトリック再現シーン(熱い)! 大胆過ぎる■■■捜査(でも、やるよね)。。 そしてあの、素晴らしき中規模物理トリック(て言うたらネタバレやないか。。?)!! 。。。 の全てを卓袱台返しして、尚且つこの最後の、気を持たせるおセンチなオープンエンディング..!! 折り返しあたりから(なんなら●●から)メインプロットは見切れてしまうという読者もおいでなさろうが、気品と俗っぽさが綱引きする文章力大いに含む全体力で、こりゃ現代に於いて評価が高めでも訝しからぬ事でしょうな。物語がかなり進むまで、□□が誰なのかまだ靄の中(強力無比な候補はいるが、決め打ち出来ず..)という興味牽引の工夫は素晴らしい。 で、その人が実はダミーで真□□が別にいたら、、なんて妄想はしたけれど。・。・ (そういうのは某氏とか某氏の決め技なわけで。。) ところで、この大見得を切る中規模物理トリックですが、過去の或る事件と相似形の全く同じ原理を当事者本人が使っているわけだから、そこに生まれる苦しい葛藤など、もう少し熱く叙述されてもよかったのでは? サラっと触れる事で察してくれという書き様かも知れないが。 で、どことなく『永遠の◯◯』を思わせなくもない結末に、結果的になった、とも言えましょう。 ところで、例の五百万円はどこへ行っただね ?!

アリバイトリックに、昭和後期の復刻版(?)蒸気機関車が登場するという大胆な作品です。 中堅建設会社の跡取りの話が出ますが、会社派でもまして社会派でもない、本格推理小説である事は読んですぐに窺い知れます。 それから、時刻表アレルギーの方は、気にする必要無いです。 って言うとネタバレになりそで怖い。

No.2 7点 蟷螂の斧
(2017/05/04 11:52登録)
津和野へ向かう山口線下りSLが県境のトンネルにさしかかったとき、崖の上からカメラを構えていた男が突然、宙にとんだ。容疑者となった男はSLに乗車しており、その現場を目撃していたのだ・・・。このトリックは島田荘司氏張りのトリックを思い起こしますが、氏のデビューより以前の発表であり、かなりの高評価としたいと思います。物語は、ほぼ倒叙刑式のような感じで進行します。全体のプロットは、ミステリーファンならすぐ察しがついてしまうと思います。それが明らかになる場面があります。本文~「うーん・・・」誰かが唸った。目の前にモヤモヤと立ち塞がっていた霧。それが一気に吹き払われた感じ。~正にその通りでした(笑)。

No.1 7点
(2009/04/16 20:27登録)
30年ぐらい前の鉄道ミステリー。時刻表トリックもあったし、今なら最も嫌われるタイプのミステリかもしれません。
でも、トリックは意外にすごいです。はっきりいって本格中の本格です。まだミステリ経験の浅かった当時は、読後、興奮状態が続きました。サスペンスフルなこともあって楽しめた作品です。
その後、なんども2時間ドラマになっています。ミステリーロマンという陳腐で、チープで、俗っぽい表現が似合いそうですが、これは仕方ありません。当時はそれがよかったのですから。
草野唯雄という作家は、好きな作家の一人ですが、活動した時期が悪いのか、知名度はあまり高くないですね。今は作品のほとんどが入手しにくくなっています。残念です。
なお、評価は、記憶が薄れている分を減点しています。
(2010年6月追記)
筋の記憶がほとんどないので評点を抑えていたが、読後の感動があったことだけは今も忘れていないので、1点加点した。

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