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ミステリの祭典

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真夜中の死線

作家 アンドリュー・クラヴァン
出版日1999年11月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 7点 蟷螂の斧
(2017/05/21 20:38登録)
裏表紙より~『セントルイス・ニューズ』のエヴェレットは、事故にあった同僚の代わりに、その夜死刑になる男へのインタヴューを担当するよう命じられた。ところが下調べを始めると、事実関係に不審な点が浮上してくる。これは無実では? 雰時一分の死刑を止めるべく不埒な記者が夜の街に必死の活動を繰り広げる、絶妙の時限サスペンス!~

600頁の長編。デッド・リミテッド型サスペンスです。冤罪を晴らすための正義感を前面に出すというようなこともなく、エンタメに徹していると思います。まず主人公が女たらしの浮気性であり、妻から離婚を申し出られたり、新聞社からは首を宣告されるといった具合。といっても死刑囚側の描写には、ホロリとさせられる場面も用意されています。プロットもよく考えられており、終結に向けて一直線ということもなく、読者に期待させておいて、それを裏切るというような紆余曲折があります。

No.1 8点 kanamori
(2010/06/17 18:38登録)
タイムリミットものサスペンスの傑作。
死刑囚の無実を確信した新聞記者が、残されたわずかの時間内に冤罪を晴らすべく孤軍奮闘するというプロット。同類のサスペンスはいくつか読んできましたが、定番の展開と思いながらも物語に引き込まれました。
要因は構成の巧さと達者な筆力で、一人称部分の新聞記者エヴェレットのダメ男ぶりな人物造形と、三人称部分の死刑囚の緊迫した心情が対比して描写されて物語が進展していくところ。
仕事と家庭両面でのダメ男が最終局面でどう変わっていくか、サスペンスとともに人間ドラマとしてよく書けています。

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