home

ミステリの祭典

login
虫暮部さんの登録情報
平均点:6.20点 書評数:2209件

プロフィール| 書評

No.29 6点 私たちが星座を盗んだ理由
北山猛邦
(2011/06/15 17:28登録)
片山若子の表紙イラストのせいで、つい米澤穂信を読んでいるような錯覚に陥ってしまう。
 というのはそれなりに褒め言葉になるのだろうか?


No.28 7点 写楽 閉じた国の幻
島田荘司
(2011/06/08 16:20登録)
 江戸編の後半が感動的。ミステリの感動ではないけど。
 日本人論については“またか”という感じ。美人教授も島田荘司作品に良く出て来る類型的な変人だと思った。
 “やれ突け”なんて単語が説明なしで使われているが、これは常識の範疇なのだろうか。


No.27 8点 さよならドビュッシー
中山七里
(2011/06/08 16:04登録)
 ミステリとして面白く、青春音楽小説としても非常に楽しめた。そして後者の要素がミステリに於けるミスディレクションとして上手く機能していると思う。
 クラシック音楽の演奏の良し悪し、というか“良い演奏と、物凄く良い演奏の違い”は熱心なリスナーでないとなかなか判りづらい。この作品を読んで、自分にもそういう鋭い耳があるように錯覚してしまうのは、筆力のなすところだと思う。
 ところで、応募の時点では『バイバイ、ドビュッシー』だったタイトルを刊行時に変更したとのことだが、それで何が変わったのだろうか。不思議だ。


No.26 5点 ラガド 煉獄の教室
両角長彦
(2011/03/23 15:00登録)
 面白かったし筆力があるのはわかるが、「最後まで書ききる」というところから逃げてしまっている気がする。もう少しきっちり結末を締めてあればなぁと思う。


No.25 7点 エコイック・メモリ
結城充考
(2011/03/11 10:51登録)
 二瓶勉のSF漫画『BLAME!』のイメージを連想させられた。SFじゃなくて現代を舞台にした警察小説なんだけど。
 「携帯電話とインターネットが現代ミステリの成立を困難にした」と言われて久しいけれど、その一方でそれらを前提としつつ新たな地平に向かっている作品もちゃんとある。しかもラノベ系ではなく骨太な文体で(ここが重要)。
 ところで、いつのまにか作中のPCやネットの用語がそこそこ理解できている自分を発見。2年前なら斜めに読み飛ばしていたところ。
 あと、前作を読んだ時からずっと作者名を結城充「孝」だと誤認していたことも発見。


No.24 8点 セカンド・ラブ
乾くるみ
(2011/03/07 09:41登録)
 わざわざ『イニシエーション・ラブ』路線第二弾、といわんばかりの題名をつけて読者を警戒させた上で見事に驚かせてくれた。でも終章の解説部分はあまりにもわざとらしい。
 そして、彼女の行動は確かに謎なのだが、奇しくも本書の前に読んだ京極夏彦『死ねばいいのに』にこんな台詞があって、私はそれでなんとなく納得してしまったのだった。
 「……人間は性欲だけで生きてる訳じゃねぇって言ったじゃないすか。俺もそう思いますよ。でも、人間金欲しいって奴ばかりでもねぇっすよ。(中略)面白がってただけかもしれねぇすよね?」


No.23 7点 死ねばいいのに
京極夏彦
(2011/03/07 09:39登録)
 なんかとても気持ち悪くてよかった。


No.22 6点 月と蟹
道尾秀介
(2011/03/07 09:37登録)
 ミステリを、少なくともミステリ的な仕掛けのあるものを期待していたので、肩透かしを食らってしまった。
 初期作品には感じられたのにだんだん薄まってきていた悪意のようなものが、今作では割と復活している点は良かった。
 しかし、直木賞のせいで今後こっち方向に進んでしまうなら、私にとって重要な作家ではなくなると思う。


No.21 6点 閉ざされて
篠田真由美
(2011/02/09 05:59登録)
 叙述トリックは前半で見当が付いてしまった。それが最後まで引っ張られていたので少々イライラしてしまった。今となってはかなりありきたりな手法だし、このネタは早めに明かした方が寧ろ良かったのではないか。文章の巧みさと登場人物たちの錯綜した思惑、そして澪についての謎、で充分に作品として成立したと思うのだが。
 ただ、DNA鑑定をしたわけでもないのにラストで緑がああいう行動に出るのは腑に落ちない。
 あと、パソコンは「都合の悪いファイルを消し」ても機械そのものを物理的に壊さない限り復元できてしまうのでは。


No.20 9点 折れた竜骨
米澤穂信
(2011/02/03 10:29登録)
 「無自覚な×××=犯人」というのは岡嶋二人にもあったが(あと『喰いタン』にもあったような……)、それとは別のルートでこの大技をアリにしていて面白い。
 身分制度の(やや)上位者を一人称の語り手にして、しかも特権意識やいわゆる上から目線を嫌味に感じさせず描写しているところは、北村薫の「ベッキーさんシリーズ」を思わせた。
 しかしなにより、ライト系作品では隠れがちな米澤穂信の名文家としての資質が全開になっているところが良かった。


No.19 6点 真夜中のタランテラ
麻見和史
(2011/01/29 11:19登録)
 誠実な筆致が上手くリーダビリティに結び付いていると思う。義肢というネタによるふくらみも感じる。しかしミステリとしては手堅く、驚きには欠ける。好感は持てたが、そこからもう一歩抜きん出るとまでは行かなかった。


No.18 9点 見えない精霊
林泰広
(2011/01/22 10:08登録)
 御見事。
 難を言えば、殺人四件をまとめて説明しているから止むを得ないが、ラストの謎解きがくどい。ポイントはひとつだけなのに。
 リーダビリティがあるゆえに重厚感には欠ける。
 あと、大シャーマンの死についてウィザードはなんとも思っていなかったのか?


No.17 10点 隻眼の少女
麻耶雄嵩
(2011/01/19 15:26登録)
 ミステリはその性格上、型を持ちつつその型から逸脱していくことを求められるので、後発の者は(つまり現代の作家は皆)どんどん大変になってゆくのだろうが、この作品は天晴れである。
 しかしいくらなんでも「種田静馬」というネーミングはないだろう、まさか何かの伏線なのか、と思っていたら、本当にラスト付近のワン・センテンスのための(笑)伏線でやんの。
 あっ、今気が付いたけど、カヴァーのアートワークも伏線!?


No.16 9点 Rommy
歌野晶午
(2010/12/24 10:25登録)
 本作を発表当時ではなく今、読んだのは私にとって幸なのか不幸なのか。衝撃度はおそらく低下している。しかしそれゆえにこそ、感慨深い気もする。時代は変わるのだ。
 惜しむらくは、ROMMYの「歌詞」が物足りない。あれでは'70年代後半のヤマハポプコンである。でもまあ、小説や漫画の作中楽曲の歌詞で出来の良いものには殆どお目にかかったことがない。仕方がないかなぁ。


No.15 5点 夢は枯れ野をかけめぐる
西澤保彦
(2010/12/18 14:33登録)
 西澤保彦の、思いがけないほうへ飛躍するロジックとか、本作でもそうだが「日常の謎」かと思うとえらくシビアなネタがいきなり出てくるところとか、非常に好き。なんだけど、自分の方が読者としてそういう作風に慣れすぎてしまって「あ~またこれか」と感じたのも否定できない。例えばチョーモンインは再読するけど本作はしないだろうな、という気がする。あと、ネーミングが普通で物足りなかった。


No.14 6点 夏の魔法
北國浩二
(2010/12/11 01:18登録)
 面白かったが、これはミステリの面白さではないと思う。その点で、ミステリ・フロンティアというパッケージが仇になってしまった観があり、つまりなにか大ネタのラストを期待してしまったので肩透かしを食らったことも否めない。別のレーベルからの刊行であったらもっと素直に読めたかと思う。でもミステリ・フロンティアだからこそ手に取ったというところも大きいしなあ……。


No.13 5点 武家屋敷の殺人
小島正樹
(2010/12/06 09:34登録)
 終盤がくどい。それとも私の読み方が下手なのか。
 邦彦の「わけあり」は、いらなかったような。
 あと、この作品に限らず、「一族の者が同じ漢字を含む名前を付けるならわし」という設定は良く出て来るが、結果似たような名前が並んで紛らわしいよね?


No.12 7点 クドリャフカの順番
米澤穂信
(2010/11/25 10:04登録)
  お料理の場面が楽しいっっ!


No.11 7点 六つの手掛り
乾くるみ
(2010/11/17 14:17登録)
 この作者の妙に嘘っぽい作風がプラスに働いて、楽しいパズル小説集に仕上がっていると思う。
 「五つのプレゼント」の “正しいルートじゃない解答” の論理展開が面白かった。「四枚のカード」で “ナオミは発音によっては『波』に聞こえる” というのはどうなんだろう。それなら奈美とか波岡とかにしとけばいいじゃないか。
 あと、これってやはり泡坂妻夫へのオマージュ的なものですよね。ファンとしては “おお同志よ” てな感じで嬉しかったなあ。


No.10 6点 この国。
石持浅海
(2010/11/17 14:14登録)
 (ネタバレ気味)大体は面白かったが、第×話はちょっといただけない。全てが○○であったという結末は事実上ユメオチに準ずるものだと思う。それをアリにするだけのプラスアルファも見受けられない。
 あと、名詞に句点をつけてタイトルにするのは何かの物真似であって褒められたセンスではない。

2209中の書評を表示しています 2181 - 2200