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ミステリの祭典

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私たちが星座を盗んだ理由

作家 北山猛邦
出版日2011年03月
平均点5.71点
書評数7人

No.7 5点 八二一
(2019/12/03 21:02登録)
物理トリックからファンタジックな無想と冷徹さが同居した、本格ミステリならではの興味深いアプローチを施した切れ味鋭い短編集。

No.6 7点 ことは
(2019/02/04 23:57登録)
「嘘つき紳士」は平凡な感じだけど、他4作「恋煩い」「妖精の学校」「終の童話」「私たちが星座を盗んだ理由」はなかなかよい。
「終の童話」はとくに好み。これだけなら8点だけど、総合では7点。

No.5 5点 名探偵ジャパン
(2015/07/13 17:15登録)
とにかくバラエティに富んだ短編集。
舞台も現実世界からファンタジー、SFちっくな近未来まで多種多様。
「最後に世界が反転」とは、本書の帯に書かれた売り文句だが、読み終わっても何のことか分からない、「すぐには効かない考えオチビーム」というか、昔懐かし「ボキャブラ天国」的に言えば、「シブ知」といえるネタ。
いつもの『物理の北山』が、「バカパク」だとすれば、何と作風の幅広さを備えていることか。
「終の童話」は、完全なファンタジーだが、私も昔から気になっていた、「石になった人間を元に戻す」というファンタジーお約束な作業の疑問点を指摘してくれていて面白かった。

No.4 6点 アイス・コーヒー
(2014/07/11 22:43登録)
最後の一撃をテーマにしたノンシリーズ短編集。
印象に残ったのは表題作「私たちが星座を盗んだ理由」と、「妖精の学校」。どちらもダイナミックな仕掛けが施された傑作だ。天体や星座が好きな自分としては、表題作のトリックは何とも云えない感動があった。後者は伏線の凄まじさに驚愕。どちらも、ほのぼのとした平和な筋書きでありながら、スパイスを利かせてくるところが見事。
その他、器用なテクニックで読者を欺く「恋煩い」や、ありがちな構図でありながら少し哀しい「嘘つき紳士」、奇妙な余韻を残す「終の童話」など異色の力作が並ぶ。

「物理の北山」的物理トリックは見受けられないが、本作の童話的世紀末的世界観は北山氏にしか書けないものだ。

No.3 5点 まさむね
(2011/07/02 23:01登録)
 ラストでの覆りに力点を置いた短編集。
 作品ごとにレベルはまちまちですが,「妖精の学校」は怪作です。なるほど,なるほど,そう来たか。
 「終の童話」もなかなか趣深いです(最終的にはリドルストーリーってことなんでしょうかねぇ。)
 両作品とも,読み終わった後が,ある意味で入口かもしれません。好き嫌いは分かれそうですけれども。

No.2 6点 虫暮部
(2011/06/15 17:28登録)
片山若子の表紙イラストのせいで、つい米澤穂信を読んでいるような錯覚に陥ってしまう。
 というのはそれなりに褒め言葉になるのだろうか?

No.1 6点 kanamori
(2011/06/04 21:39登録)
ノンシリーズのミステリ短編集。
初期作のような物理トリックを用いたものはなく、最後の一撃でサプライズを演出した作品が多い。
以下、察しのいい人にはネタバレぎみですが、

メルヘンチックな語りとラスト一行で明かされる真相との落差に唖然とさせられる「妖精の学校」が素晴らしい。”その場所は何処にも属さない!”という紙片の存在がなかなか効果的。これは物理ではなく地理トリックというべきでしょうか。
あと、「少年検閲官」に通じるような異世界本格「終の童話」も印象に残った。
「嘘つき紳士」は凡作だが、他の現実的な設定のミステリ「恋煩い」や表題作も水準以上の出来だと思う。

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