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ミステリの祭典

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Rommy

作家 歌野晶午
出版日1995年07月
平均点6.77点
書評数26人

No.26 5点 ボナンザ
(2024/11/15 22:50登録)
確かに歌野のその後を方向づけた一作だと思う。今読むと差し込まれた手紙やイラストがあの時代を感じさせてノスタルジー。

No.25 7点 みりん
(2024/05/22 21:02登録)
これは「切断の理由」にあがってもおかしくなさそう。切断死体というといかにも本格という印象を受けるが、事件と犯人だけを取り出すと毎週の30分推理アニメレベル。主題はそこではなく、切断の理由にも結びつくとあるテーマですね。天才歌手Rommyの半生を追う小説として、終始惹き込まれっぱなしだった。458ページ5h29min読了。歌野サンって色んな意味で文章うまいなあ…
「愛がどうだ」とか「人生はこうだ」とかそんな曲で蔓延る邦楽界隈(よく聴きますし好きですよ笑)にファンタジー色の強い歌詞をつくるアーティストが現れたら確かに斬新かも。実在したら聴いてみたい。


※とある方面から怒られるかもしれない話
キーボード奏者に対してRommyとディレクターが「こいつは光る原石だ」と才能を見出す展開があるが、これが作中で1番リアリティないと思う(笑) ピアノならともかく、キーボードなんて誰が弾いても同じじゃないの?

No.24 6点 いいちこ
(2019/01/28 13:51登録)
ありふれたネタではあるものの、作品の構成や叙述に少しずつ感じていた違和感が氷解する真相であり、カタルシスは強い。
その説得力を補強するため、時系列をバラし、手記を多用した作品全体の組み立ては巧妙。
一方で、登場人物の造形や歌詞が陳腐で、真相を示唆する伏線に乏しく、リアリティやフィージビリティには弱さを感じる。

No.23 6点 E-BANKER
(2016/06/04 20:06登録)
1995年発表のノンシリーズ長編。
作者の作品としては、「信濃譲二シリーズ」終了後の充電期間を経て発表されたターニング・ポイントとしての位置付け(だそうです)。
当初の~そして歌声はのこった~からサブタイトルが変更された新装版で読了。

~人気絶頂の歌手Rommy(ロミー)が、絞殺死体となって発見された。Rommyの音楽に惚れ込み、支え続けた中村がとる奇妙な行動の意味は? 一瞬目を離したすきに、Rommyの死体は何者かに切り刻まれ、奇妙な装飾が施されていた・・・。いったい誰が何のために? 天才歌手に隠された驚愕の真相とはなにか?~

初期作品で読み残していた本作をようやく読了したわけなのだが・・・
なるほど
これは“ターニング・ポイント”という表現が相応しいかもしれない。
明らかに「・・・家の殺人」のド本格とは違う肌触りのミステリー。
いかにも新本格というプロットで、若書きが目立った前三作と比べるとミステリー作家としての成長が窺える作品だろう。

プロットの根幹はある大技の「叙述系トリック」(という表現でいいのか?)
この隠された大技が判明するラスト・・・すべてがガラガラと崩れていくカタストロフィを味わうことになる。
約二十年前の作品だし、まぁ今となっては分かりやすいネタと見る向きもあるかもしれないが、ひとつのミステリーを精緻に組み上げていくプロットとしてはよく出来ている部類だろう。
現在と過去を行きつ戻りつする構成の妙や、手記や歌詞などを駆使するなど、作者の持てるアイデアを詰め込んだ感もなかなか良いと思う。

ちょっと引っ張りすぎかなという気がするのが気がかりではあるが・・・
中盤の冗長さを嫌がる方もいるかもしれない。
でもまずは水準以上の評価はできる。
実験的な作品でもあったと思うのだが、本作で自信を得た作者が、次作以降更なる飛躍を遂げたのだろうな・・・
(業界人の描写、書き方がちょっと陳腐かな・・・)

No.22 7点 青い車
(2016/02/25 15:06登録)
これは面白い。ストーリーにぐいぐい引き込まれ、ほとんど一気読みでした。トリックの根幹はすでに知っている類のものでしたが、歌手Rommyという人物のドラマに密接に関係しています。既存のトリックも料理の仕方でこんなにも輝くことが驚きです。また、登場人物にも血が通っている印象の人間が多く、どこか冷めた雰囲気の『長い家の殺人』と違い妙な熱量を感じる作品でした。

No.21 6点 蟷螂の斧
(2011/12/11 18:36登録)
著者の転機になる作品らしいのですが、今一つROMMYに感情移入ができませんでした。それは、ROMMYの隠された真実に要因があるような気がしています。単なる好き嫌いの問題ですが・・・。ミステリーとしては面白いものでした。

No.20 9点 虫暮部
(2010/12/24 10:25登録)
 本作を発表当時ではなく今、読んだのは私にとって幸なのか不幸なのか。衝撃度はおそらく低下している。しかしそれゆえにこそ、感慨深い気もする。時代は変わるのだ。
 惜しむらくは、ROMMYの「歌詞」が物足りない。あれでは'70年代後半のヤマハポプコンである。でもまあ、小説や漫画の作中楽曲の歌詞で出来の良いものには殆どお目にかかったことがない。仕方がないかなぁ。

No.19 6点 測量ボ-イ
(2010/07/18 21:41登録)
トリックや真犯人は比較的平凡ですが、構成にはかなり
個性のある作品ですね。
作者の音楽に対する造詣の深さが味わえましたが、私見
では真相にアンフェアな部分があるとみて、その分減点
しました。

No.18 6点 kanamori
(2010/07/12 21:36登録)
メインの叙述トリックが死体切断の動機に密接に結びついているのは評価したいです。ただ、その叙述ネタは現在では陳腐になってしまったので、出来れば初版時に読んでおきたかった。
文庫版のサブタイトル「越境者の夢」にはナルホドー感あり。

No.17 8点 simo10
(2010/01/09 00:29登録)
-ネタばれ含みます-

登場人物のほとんどが最大の真相に気付いていないこともあり、叙述による仕掛けも少なく、「してやられた」感が足りなかったのが悔やまれます。
もう少し家出以前に関する記述等、騙しの要素が欲しかったなと思いました。
その分叙述とは別に、バラバラ殺人の動機解明がヒントとなっているのはうまいと思いました。
真相はかなり強烈で、これまでのこの作品に関する価値観をひっくり返されるぐらい受け入れがたいものはあります。
しかしこういった重苦しい話は嫌いではないですし、非常に切なくなりましたし、なんとか減点はせずに済みました。
個人的には「ROMMY」VS「CUBIC BALL」や、そのヴォーカルのその後の苦労話なんかも気に入っています。

No.16 6点 VOLKS
(2008/01/30 16:57登録)
Rommyは魅力的に描かれているが、構成がどうも個人的に肌に合わなかったようで、作品にのめり込む前にラストを迎えていた。読後感の切なさも、どうもしっくりこなかったのが残念。

No.15 5点 いけお
(2008/01/11 00:17登録)
構成はおもしろいが内容が今一つ深くない。

No.14 7点 なの
(2007/11/14 22:09登録)
ミステリとしてよりも、ROMMYに7点。
何とも切ないお話でした。

No.13 5点 如月雪也
(2005/06/05 05:41登録)
う、好きな路線から外れてしまった。でもまあ、これはこれで・・・。

No.12 7点 Q
(2005/04/21 19:22登録)
文庫版サブタイトル『越境者の夢』
泣ける。

No.11 9点 えりもみさき
(2004/12/16 16:04登録)
渾身のストレートのために作品中にちりばめられたジャブの数々。やはりこの作家は新本格の第一人者だということが改めて実感されます。

No.10 5点 Zotomo
(2004/10/15 15:49登録)
推理小説という観点より音楽に関係した部分が良かったです。昭和チックな昔を思い出させるライブハウスやスタジオの文章描写も良かったです。最後はちょっと切なかったですが。。

No.9 8点 Platonic Pimp
(2004/10/15 13:29登録)
本格推理小説って言うのとはちょっと違う気が…
ただフインキはあったし、キャラクター、特にROMMYには
感情移入が出来た。 本当に実在していたの!?と思っちゃうくらい。最後は切なくなる。歌野さんは本当に音楽が好きなんだなあ。

No.8 5点 SD
(2004/08/12 04:51登録)
導入部が長くわくわくさせられるがたいした落ちも無く中途半端で少しがっかりする。

No.7 9点 桜ノ宮
(2004/07/14 23:17登録)
ミステリではないような感じもしますが、好きです。
普通に感動してしまいました。
ちなみに、好きな台詞?はp231「おっぱいは食べちゃいました。〜」と、FMの「こんにーてぃは!」
狂ってますかねw

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