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ミステリの祭典

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閉ざされて

作家 篠田真由美
出版日2010年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 斎藤警部
(2017/02/14 06:48登録)
容姿が原因で、大邸宅の一室に引き篭もること数年の主人公。兄の助言を受け、一種のセラピーとして自らの来し方を三人称の客観文章で手記に認(したた)め続ける。その文章が本小説の根幹だが、時おり手記外の独白等も混じり。。

最後に●●●●ッ●が暴露されますが、決して天地がひっくり返るわけではなく、視点が斜めに30度ずれる程度です。しかしその裏打ちとなる社会意識と人間悲劇のそれなりの厚みと、物語がそこに至るまでのそれなりに切実なサスペンスがあるから、やっぱり読んでそれなり以上に面白い。

ハンマースホイの絵は私も好きでね、自宅冷蔵庫のメモ用マグネットに使ってるんで毎日目にしてます。何ともミステリ心が惹かれる画風の人です。

No.1 6点 虫暮部
(2011/02/09 05:59登録)
 叙述トリックは前半で見当が付いてしまった。それが最後まで引っ張られていたので少々イライラしてしまった。今となってはかなりありきたりな手法だし、このネタは早めに明かした方が寧ろ良かったのではないか。文章の巧みさと登場人物たちの錯綜した思惑、そして澪についての謎、で充分に作品として成立したと思うのだが。
 ただ、DNA鑑定をしたわけでもないのにラストで緑がああいう行動に出るのは腑に落ちない。
 あと、パソコンは「都合の悪いファイルを消し」ても機械そのものを物理的に壊さない限り復元できてしまうのでは。

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