あるびれおさんの登録情報 | |
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平均点:6.39点 | 書評数:124件 |
No.104 | 6点 | 死者の木霊 内田康夫 |
(2009/10/24 01:54登録) 初出からは少し経ってから、でも、内田康夫が本格的に人気になってくるよりは前に読みました。手に取った動機は、現場の一つが直ぐ近くだったから...そんな安直な入り方でしたが、(失礼ながら)意外にも面白くて得した気持ちになったのを覚えています。 |
No.103 | 4点 | 身代わり 西澤保彦 |
(2009/10/22 05:24登録) タック&タカチシリーズの最新作ということで、一も二もなく読んだのだが、この二人の影が薄いせいもあるのかもしれないが、インパクトがとても弱かった。早くタックに復調してもらって、タカチと一緒に活躍してくれる物語を読みたいなあ。 |
No.102 | 5点 | 9の扉 リレー短編集 アンソロジー(出版社編) |
(2009/10/21 02:36登録) 並んでいる名前を見て、これは本格色が強いだろうという思い込みを持って読み始めてしまった。それが最大の間違いでした。 それぞれについては、各作家さんの持ち味が生きていて、そんな不出来なわけではないのですが(いや、面白いのですが)、別の方向に期待してしまっていたので、かなり「肩透かし」でした。 |
No.101 | 4点 | プリズン・トリック 遠藤武文 |
(2009/10/21 02:31登録) 選評にもあった通り、視点がコロコロ変わるため、どうにも居心地が悪い読書でした。トリックについても、東野圭吾の言葉通り(乱歩賞史上最高)とは思えず、「理事長にうまく乗せられて買ってしまった」。もっと何かにしぼり込んで書き込まれていたら、違った印象になったのでは、と思います。 |
No.100 | 6点 | さよならの次にくる 新学期編 似鳥鶏 |
(2009/10/21 02:23登録) 予定調和ではあるけれど、卒業式編で消化不良だったあたりをきっちりとまとめてくれているので、すっきりとした読後感でした。分冊されていますが、これに関しては、卒業式編の後で読まないと駄目です。 |
No.99 | 9点 | 十二国記 小野不由美 |
(2009/09/29 08:32登録) ミステリーじゃないけれど、小野不由美といえばこのシリーズなくして語れません。陽子がどんな国をこれから作っていくのか、続きを、首を長くして待っています。 わたしは講談社文庫に入ってから読み始めましたが、高校生くらいで読んでいたらもっとのめりこんでいたのでは、と感じました。娘がまもなく中学に入るので、はやみねかおるはそろそろ卒業してもらって、このあたりを薦めてみようかな。 |
No.98 | 8点 | 朝霧 北村薫 |
(2009/09/29 08:26登録) シリーズの最後として、とてもきれいな終わり方だったと思う。もしかしたら、最後に「私」の名前が呼ばれて終わるのかな、とも思っていたのだけれど、そちらは永遠の謎、ということで...(東京創元のリレー小説では「ブッキー」というあだ名で呼ばれていましたが) |
No.97 | 9点 | 覆面作家の夢の家 北村薫 |
(2009/09/29 08:20登録) 最終話は予定調和! だから何だって言うんだ? それで良いじゃないか。 このシリーズの一冊目だったかに、「ローマの休日」を見て新聞記者になろうと思った人がたくさんいた、という話が出てくるが、この本を読んで「ミステリー雑誌の編集者」になろうと思った人っていたりしないのかな? |
No.96 | 8点 | ブラックペアン1988 海堂尊 |
(2009/09/25 10:43登録) いろんなタイプの医師が登場するけれど、みんなそれぞれに「カッコいい」ところが凄い。グッチー&白鳥の話では医療崩壊が描かれているが、本作において描かれる医師の矜持というものがあってなお、なぜこんなに医療は崩壊してしまったのだろう。 |
No.95 | 6点 | 午前三時のルースター 垣根涼介 |
(2009/09/25 10:39登録) ミステリーとしてどうか、と問われれば、あまりにも判りやすいシンプルな構造で、謎と呼べるほどのものではないけれど、でも、「ワイルド・ソウル」で感じた、何か熱にうかされたような、なかなか他では味わうことのできない高揚感の一端は、この作品でも感じることができた。ミステリとして読むよりも、青春冒険小説として読んだ方がいいのかもしれない。 |
No.94 | 6点 | 敗北への凱旋 連城三紀彦 |
(2009/09/25 10:37登録) 昔、島田荘司の「奇想、天を動かす」を読んだときのような、ミステリにも物語にも満足できる感覚を味わうことができた。これで、作中に出てくる楽譜の音が、それを見るだけで頭の中に響けばもっと素晴らしかったのだろうけれど... |
No.93 | 4点 | Fake 五十嵐貴久 |
(2009/09/25 10:34登録) 「交渉人」の印象が良かったので、かなり期待して読んだ。コン・ゲームも好きであるし、期待値はとっても高かった。 確かにそれなりに面白かったけど、期待していたほどではなかった。コン・ゲームにしては、サスペンス色が高くないし、キャラクタの書き込みが足りていないせいか、それぞれのキャラクタが決して生き生きとしていない。 |
No.92 | 7点 | 六番目の小夜子 恩田陸 |
(2009/09/25 10:31登録) ファンタジー、ミステリー、学園モノといった、恩田陸の得意分野をすべて集めたような作品で、確かに面白かった。 今の高校生って、よく知らないけれど、この本に書かれているほど落ち着いてもいなければ、深く物事を考えたりもしないのではないだろうか。篠田真由美の作品に出てくる高校生もそうなのだけれど、1980年代頃の高校生といった趣きが強い。 |
No.91 | 5点 | キララ、探偵す。 竹本健治 |
(2009/09/25 10:28登録) 正直なところ、読んでいる間、カバーを外せない本であった。黒田研二の「嘘つきパズル」以来のことである。中身としては、かなり普通に本格ミステリしていたし、竹本健治らしくて文句はないのだけれど、ミステリとは関係ない、そのテの記述が多いのは、よくもあり悪くもありといったところである。「ウロボロスの偽書」の著者なのだから、納得できなくもない。 |
No.90 | 9点 | 夜のピクニック 恩田陸 |
(2009/09/25 10:26登録) やはり高校時代に、50km程度の強歩大会というものがあった。ただ単に長い道のりを歩く、というだけなのに、高校時代のこういった行事って、なんであんなに特別なものなんだろう。その空気がとってもよく伝わってきて、ずっと楽しい読書だった。 |
No.89 | 5点 | ユージニア 恩田陸 |
(2009/09/25 10:23登録) ミステリを読むときに一番期待するのは、最後のカタストロフィーというか、世界がまるごとひっくり返る感覚なのだが、恩田作品の場合、トリッキーなものであっても、その驚きはゆるゆるとやってくる。 この作品に関しても、どっちが事実でどっちが手記なんだろう、というところとか、もうちょっとキレのあるものにできたようにも思う(ただ、そうしてしまうと恩田らしさがなくなってしまうような気もする)。 |
No.88 | 3点 | 酸素は鏡に映らない 上遠野浩平 |
(2009/09/25 10:20登録) 子どもから大人まで、幅広い読者を対象としたミステリーランドの一冊。これまでこの作者の本を読んだことがなかったので、どんな作者なんだろう、という興味もあって読み始めた。う~ん、ちょっと期待はずれだっただろうか。 ミステリとしての面白さがあまり感じられなくて、不思議な話ではあるのだけれど、楽しめなかった。子どもが読んだら感想はまた異なってくるのかもしれないが、ミステリーランドとして変化球を投げてみたけどすっぽ抜けてしまった、という印象であった。同じ変化球でも、殊能さんの「子どもの王様」の方が、まだ読み応えがあった。正直、不満。コストパフォーマンスが著しく悪い。 |
No.87 | 6点 | 林檎の木の道 樋口有介 |
(2009/09/25 10:18登録) 樋口有介の作品は、その殆どが似た色合いを持つ。探偵役の男は、学生だろうが中年だろうが、屈折しているくせに(それゆえか?)なぜかよくもてる。柚木草平なんて、なんであんなにもてるんだ?そして、事件の中で主人公と対をなすヒロインは、決まって勝気で潔癖症でまっすぐで。その組合せの妙は楽しめるのだけれど、そればっかり、というのも「なんだかなあ」という気にさせられる。別に、水戸黄門のような「お決まり」が悪いとは言わないが...読んでいて心地よいし、時々無性にこの「お決まり」を読みたくなる。同じテイストでも、「ぼくと、ぼくらの夏」よりも、こちらの方が、個人的には好みかな。 |
No.86 | 6点 | 猫島ハウスの騒動 若竹七海 |
(2009/09/25 10:15登録) 若竹七海といえば、やはりデヴュー作の「ぼくのミステリな日常」に特徴的な、シニカルな目線を想像してしまう。「水上音楽堂の冒険」なんて、当時、「この読後感の悪さは何ダ!?」と思ったものだ。ところが、最近はコージーミステリの代表作家なんて言われている。この作品は、そこに分類されるのだろう。背筋に刃物をあてられたような“うすら寒さ”は感じられず、ユーモラスでちょっと洒落た謎解きミステリという印象。 |
No.85 | 7点 | 殺人喜劇のモダンシティ 芦辺拓 |
(2009/09/25 10:07登録) 過多本格、と評されている方がいらっしゃる通り、過剰なサービス精神溢れる作風は最初からだったんですね。いろんなものが詰め込まれていて、でも、ミステリとしての仕掛けもきちんとなされていて、こういう作品は好きだな。 |