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ミステリの祭典

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9の扉 リレー短編集
北村薫・法月綸太郎・殊能将之ほか

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日2009年07月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 6点 まさむね
(2019/12/08 23:14登録)
 9人の作家によるリレー短編集。次の作家を指名して「お題」を手渡すという形式です。「お題」といっても、「猫」とか「一千万円」とか、ワード単位での指定ですので、手渡された作家さんの裁量の幅は広いと言えましょう。設定を引き継ぐ必要もないのですが、敢えて従前の設定を活用したり、発展させたりする作者さんもいて、その辺りはニヤリとさせられました。
 北村薫・法月綸太郎・殊能将之・鳥飼否宇・麻耶雄嵩・竹本健治・貫井徳郎・歌野晶午・辻村深月と、そうそうたる作家さんが繋げています。ミステリーの味付け度合いは人それぞれで、全体としては相当に薄口なのですが、まぁ、各作家さんの特長を楽しもうということで、それはそれで楽しかったですよ。ちなみに、マイベストは、捻りが「らしかった」歌野センセイの作品かな。

No.3 6点 take5
(2018/10/15 22:41登録)
収録:『くしゅん』北村薫→
『まよい猫』法月綸太郎→
『キラキラコウモリ』殊能将之→
『ブラックジョーク』鳥飼否宇→
『バッド・テイスト』麻耶雄嵩→
『依存のお茶会』竹本健治→
『帳尻』貫井徳郎→
『母ちゃん、おれだよ、おれおれ』歌野晶午→
『さくら日和』辻村深月。

お題を出し合いリレーして書かれている短編集。
それぞれの作家さんらしさがよく出ているのですが、やはりラストのさくら日和が全体を調和させる名作と感じました。(細かい設定に難はありますが人物がよく描かれています。)

No.2 5点 あるびれお
(2009/10/21 02:36登録)
並んでいる名前を見て、これは本格色が強いだろうという思い込みを持って読み始めてしまった。それが最大の間違いでした。
それぞれについては、各作家さんの持ち味が生きていて、そんな不出来なわけではないのですが(いや、面白いのですが)、別の方向に期待してしまっていたので、かなり「肩透かし」でした。

No.1 7点 江守森江
(2009/08/25 21:45登録)
執筆者が次の執筆者を指名し、「お題」を手渡すリレー短編集。
ミステリ的にそうそうたる執筆陣が九名揃ったが、ミステリとしての縛りが無く本格を期待すると肩すかしをくう。
縛りが「お題」のみと緩いので各作者の個性が活きている。
しかも、企画設定が絶妙なので一冊の本としての存在意義は大きい。
「お題」以外も各作者が設定を引き継いだりして相乗効果もある。
貫井の設定を生かして何度も捻ってくる歌野は、らしさ全開。
そして、特筆すべきは「お題」のダブルミーニングに捻りを加えて処理し、先頭の北村に一周する形で戻したトリの“辻村深月”の素晴らしさだろう。
初読な作者だったので、この本で出会えた事に感謝したい。

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