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ミステリの祭典

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死者の木霊
信濃のコロンボ+岡部警部

作家 内田康夫
出版日1980年12月
平均点6.25点
書評数4人

No.4 7点 斎藤警部
(2017/11/07 01:25登録)
振り返れば、真犯人は見え透いているし、では早々に犯人決め打ちで強固なアリバイ粉砕に心血を注ぐのかと言えばそんなことは無い、アリバイトリックの核心は単純極まりない●●だし、主役の若刑事が犯人に気付くタイミングもじれったいほど遅い。なのに、きめ細やかさと胆力とを併せ持つ流石の筆力にほだされて一片の退屈も無く、心地良い読書体験を完遂出来ました。 やはり真髄はバランスですね。 何気にいっぷう変わった人物造形配置のたくらみも見事です(たぶん本作充実の肝はそこ)。 もう少し彼の初期作を読んでみたいと思わせる、人気作家内田康夫のデビュー作でした。

No.3 6点 E-BANKER
(2009/10/27 17:25登録)
”信濃のコロンボ”こと、竹村警部(本作では部長刑事ですが)シリーズの第1作。
それ以上に意義深いのは、現代の大流行作家である内田康夫を世に送り出した作品ということでしょう。
作品の内容としては、解決した殺人事件に疑問を感じた竹村が、様々な障害を乗り越えて、真相に辿りつく・・・というもの。
何となく、コロンボというよりは、フレンチ警部を思い起こさせます。(多少のアリバイ崩しもありますし)
氏の作品というと、テレビの2時間物を思い浮かべて敬遠する方も多いと思いますが、”浅見光彦物”のワンパターン旅情ミステリーに比べて、本作は作者のエネルギーのようなものを感じさせる分良いと思います。
氏のもう一人のキャラクター、岡部警部補と竹村の出会いも本作の魅力の1つでしょうか。

No.2 6点 あるびれお
(2009/10/24 01:54登録)
初出からは少し経ってから、でも、内田康夫が本格的に人気になってくるよりは前に読みました。手に取った動機は、現場の一つが直ぐ近くだったから...そんな安直な入り方でしたが、(失礼ながら)意外にも面白くて得した気持ちになったのを覚えています。

No.1 6点 ZAto
(2009/10/21 00:54登録)
冒頭こそいきなりの濡れ場に驚かされたが、処女作にありがちな文章の硬質感や妙な気負いがないのも実年デビューであるためかもしれない。私は面白かったです。

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