測量ボ-イさんの登録情報 | |
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平均点:6.25点 | 書評数:631件 |
No.291 | 8点 | だれもがポオを愛していた 平石貴樹 |
(2011/08/12 14:57登録) 確かにこれは良作ですね。 本格色が強く、読者への挑戦があり、関係者のアリバイ表で 登場人物の整理もしやすい・・・これは僕の嗜好にかなり 近い作品です。 謎解きも一発トリック系ではありませんが、確かなロジック で犯人を絞り込んでいく過程は破綻がなく、納得のいく結末 です。 あえて難点を挙げると、謎解きの難易度が高すぎる(これだ とヒントが欲しい)くらいでしょうか。 読了してみると、この題名にもなんとなく余韻があっていい ですよね。 エドガ-・アラン・ポ-・・・この名前は僕達推理小説を愛 するものにとっては独特の響きを持つのでしょう。 |
No.290 | 6点 | 犬坊里美の冒険 島田荘司 |
(2011/07/29 19:17登録) 謎のメインは死体消失を扱った作品。 種明かしは意外なものですが、海外の古典作品で類似の トリックがあったので、僕は途中で気づきました。 犬坊里美のキャラ立ちには賛否両論ありますが・・・ まあ松崎レオナよりかは好感持てるのでは? |
No.289 | 6点 | 地底獣国の殺人 芦辺拓 |
(2011/07/23 22:30登録) 何だかSFっぽい作品ですね。でも謎の提示とそれに対する 合理的解決はあるので本格の体は保っています。 解決の鍵となる伏線ですが、これは○○に詳しくないととても 判らないのでは?(僕が常識を知らないだけ?) 犯人は判らないとも、例の老人の正体はせめて見破りたかっ たです。 |
No.288 | 7点 | 探偵小説のためのノスタルジア「木剋土」 古野まほろ |
(2011/07/17 09:39登録) 著者の作品は初読。 扱うのが陰惨な殺人事件の割には軽いタッチ(というか、 やや軽すぎ?)でしたが、意外と本格色は強いようです。 ただ真相を推理するには僕にはやや難易度が高すぎたき らいがありようです(特に絵を切り裂いた人を特定する ロジックなど)。 ありきたりの作品では簡単過ぎるという方は一度本作品 にチャレンジしてみては如何ですか? |
No.287 | 7点 | Zの悲劇 エラリイ・クイーン |
(2011/07/01 21:56登録) いわゆる「XYZ」で唯一未読だった本作品を今さらですが 拝読。 真犯人を絞り込むロジックはいつもながら秀逸ですね。 先の方の指摘のように、解決編寸前まで読者が犯人を絞り込 むことができないのがやや不満点かな? 水準以上の評価は十分できる本作ですが、「XYZ」で評価 すると、やはりY>X>Zになりますかね。 採点もそれを反映させました。 |
No.286 | 6点 | シクラメンと、見えない密室 柄刀一 |
(2011/06/04 07:23登録) 氏の作品をはじめて読みましたが、評価はまずまずです。 特筆すべき作品は、解説の方も言っておられるように「遠隔 殺人とハシバミの葉」のメイントリックがなかなか斬新でし た。 あと「シクラメンと見えない密室」の密室のカラクリもなる ほどと思いました。 植物絡みの話しが多く、そちらに疎い僕には勉強になったか な? |
No.285 | 6点 | 最後から二番めの真実 氷川透 |
(2011/05/20 23:38登録) 氏の作品らしいロジカルな作品、なかなか良かったですよ。 不満点は関係者のアリバイ等が大事な作品なのに、証言の 一覧表やタイムテ-ブルがなく構成が不親切なのと、途中 展開がやや中だるみだった点です。 採点7点といいたいところですが、その分マイナス1点。 でもこのサイトでの評価は思いのほか辛いですね。 |
No.284 | 4点 | KAGEROU 斎藤智裕 |
(2011/05/10 23:13登録) 妻が図書館で借りてきた本のまわし読みです(笑) サクっと読めるのが良いところでもあり、何か物足りない ところでもあります。 採点は5点レベルかなと思いますが、やはりミステリとは 思えないのでマイナス1点。 |
No.283 | 6点 | 少女Aの殺人 今邑彩 |
(2011/04/29 20:11登録) まずまずの作品。 水準の評価はできるも、「水準以上」の評価には少し たりない、そんな印象です。 本格色もそこそこあり、サスペンス性もあるので一応 満足はしています。 |
No.282 | 3点 | リアル鬼ごっこ 山田悠介 |
(2011/04/15 23:17登録) このサイトでのあまりの評判の悪さにこわいもの見たさ(?) で読んでみました。 感想は、まあこれはミステリではないです。 それを抜きにしても、特に見るべきところもない・・ 従いこの点数ですが、これでも平均点を上げてしまっている のですね(笑) |
No.281 | 5点 | 『瑠璃城』殺人事件 北山猛邦 |
(2011/04/12 23:13登録) ちょっとこの世界観にはついていけなかった・・ 密室トリックは結構面白かっただけに少し残念。 私見ですが、「クロック城」の方が良かったです。 |
No.280 | 4点 | 人形館の殺人 綾辻行人 |
(2011/03/31 10:45登録) 世間の評判が芳しくないこともあり、氏の館シリ-ズで 未読だった作品。 感想は、やはりこのオチは微妙・・・謎の殆どを、○○で 片付けられるのも如何なものかと。 ミステリ慣れした人なら、犯人も判りやすいでしょうし。 他の館シリ-ズと同様、話しの雰囲気とスト-リ-展開 は好みの範疇なので、そこが救いです。 |
No.279 | 5点 | 赤い月、廃駅の上に 有栖川有栖 |
(2011/03/27 12:31登録) 基本的に鉄道ネタ好きなだけに楽しくは読めました。 しかしこれは本格ミステリとはいえない内容。 従い、採点は辛めで。 |
No.278 | 4点 | 風刃迷宮 竹本健治 |
(2011/03/19 08:19登録) 本格色が薄く、やや不満の残る作品。 話しが終わっても結局何がどういうことなのか説明できて いない部分も多いですしね。 やや凝った構成もあまり成功しているとは言えない感じで す。 これなら以前に読んだ「妖霧の舌」の方が良かったです。 伝説の名作「箱の中の失楽」は別格ですが。 |
No.277 | 7点 | 『クロック城』殺人事件 北山猛邦 |
(2011/03/06 14:54登録) これは良かったです。おおいに楽しめました。 こういうトリックが嫌いでないもので(笑)。 「世界の終わり」に対する説明がない等の不満点が なければ8~9点の評価はできたと思います。 |
No.276 | 6点 | インシテミル 米澤穂信 |
(2011/02/25 20:57登録) SFやライトノベルっぽいイメ-ジがあっていままで手を出し ていなかった氏の作品をはじめて読みました。 この作品に関しては想像より本格色が強く、満足いく作品です。 惜しむらくは他の方も指摘されているように解決編にやや物 足りなさが感じられるところかと思いました。 (余談) 最初に監獄に閉じ込められた人物(名前失念)のミステリ知 識はすごいですね。ヴァン・ダインの12作をコンプリ-ト( 完全読破)しているとは。 ちなみに僕は4作しか読んでいません(苦笑)。 |
No.275 | 7点 | 毒入りチョコレート事件 アントニイ・バークリー |
(2011/02/20 14:50登録) チョコレートに仕組まれた毒殺事件を「犯罪研究会」なる 6人のグル-プがお互いにその推理を披露しあい、一見そ のどれもが解釈として成り立ちそうに見えます。 ところが大部分の人の推理は別のデ-タによって否定され、 その中の一つだけが残る・・「探偵小説」による名探偵の 推理も作者の匙加減一つでどうにでもなる、後日「アンチ ミステリ」と称される先駆的作品です。 僕自身もどの推理に魅力を感じるかと聞かれたら、4番目 (人名は敢えて書かず)と答えるでしょうね・・それが否 定されるのですから、まさしくアンチ・ミステリ、後のこ の手の作品に大きな影響を与えたと同時に、このまさに黄 金時代の初期にこの性格の作品が書かれていたことに驚嘆 しました。 採点は正直6点クラスに感じますが、歴史的意義を勘案し てプラス1点。 |
No.274 | 5点 | 家守 歌野晶午 |
(2011/02/06 17:02登録) 代表して、表題作「家守」を書評します。 結構斬新な密室トリックでした。やや無理っぽいところが 密室の巨匠ディクスン・カ-を彷彿とさせます。 殺された奥さんが家を立ち退かない理由には成程と思わせ ました。 他の作品も、可もなく不可もなしで。 採点は5点or6点で悩みますが、後者だと他の皆さんと 同じになってしますので、天邪鬼の僕は前者でいきます。 (笑) |
No.273 | 5点 | 妻に捧げる犯罪 土屋隆夫 |
(2011/01/30 16:38登録) これも20年以上前に読んだ作品の再読。 内容は悪くはないですが、やや本格色が薄くサスペンス 小説っぽいです。 あと主人公の大学講師の心境にもちょっと同調しかねる ところがありました。 |
No.272 | 8点 | 死の接吻 アイラ・レヴィン |
(2011/01/28 19:45登録) 海外古典作品で固定的評価を受けている作品。 ただ古典といっても、戦後の作品だけに古典といえるか どうか微妙ですが・・・ でも内容は期待以上の内容で良かったです。何より文章が 読み易い! 構成も最近出版されたものならありきたりかも知れません が、当時としては斬新なものだったでしょう。 最後の第三部でもうひとひねり(というか、どんでん返し ?)を期待したのにという意見が多いようですが、僕は 特に気になりませんでした。 |