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ミステリの祭典

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少女Aの殺人

作家 今邑彩
出版日1995年01月
平均点5.12点
書評数8人

No.8 7点 虫暮部
(2023/03/17 12:19登録)
 ミステリとしての出来は良いが、それを飛び越えてググッと迫る小説としての強さには欠ける。

 “偽装工作として犯人がラジオに投稿したのでは?” との意見に対して “採用される保証が無い” と反論は誰もしていないが、そこを突き詰めればもっと早く解決出来たかもね。
 “埋める” エピソードは使い回しが過ぎると思う(読むの三作目)。
 チョイ役で “聖子” が登場するのは洒落?

No.7 6点 E-BANKER
(2017/12/21 22:59登録)
1995年発表の長編。
作者あとがきを読んでいると、文庫化に当たってノベルズ版から大幅に手を加えたとのことだが・・・

~『養父に身体を触られるのが、嫌でイヤでたまりません。このままでは自殺するか、養父を殺してしまうかも・・・』。深夜放送の人気DJのもとに届いたのは、「F女学院の少女A」という女子高生からのショッキングな手紙だった。家庭環境から当てはまる生徒三名の養父は、物理教師、開業医、そして刑事。直後、そのうちのひとりが自宅で刺殺され・・・~

この作者の作品って、やっぱり平均値高いよなぁー
って思った。
よくできていると思う。
何て言えばいいのか、読者を作品世界に引き摺り込む術に長けているのだ。
“養父と娘の二人暮らし”っていう特殊環境の生徒が偶然にも同じ高校に三人もいて、しかも三人の養父が徐々に繋がってきて・・・
そこに人気DJと高校教師が絡まってきて・・・
って感じで、読者はついつい頁をめくらされてしまう。
探偵役となる中年刑事のキャラも程よく、真犯人も程よく魅力的。
実にまとまってると思う。

確かに「分かりやすい」「察しやすい」という批判は首肯できる。
「少女A」=(イコール)『あの人』だろう、と多くの方は終盤前には気付いてしまうかもしれない。
それがバレると、ドミノ倒しのように事件の構図が読めてしまう。
確かに・・・

やっぱり私が単純なのだろうか?
「多分こうなんだろうなぁー」って思いながらも、興味は減じることなく読了してしまった。
これはもう作者とのフィーリングの良さっていうことかな。
(返す返すも作者の死去が惜しまれる)

No.6 3点 初老人
(2014/04/23 20:41登録)
この作品の肝は、章の合間に挟まれる少女の物語で義理の父親を殺したのは一体誰か?という点に尽きる。その仕掛けが分かってしまうと後は文字を追って確認するだけの作業に終わる、という残念な作品。

No.5 5点 こう
(2012/02/04 01:19登録)
昨年本屋に並んでいて手に取った今邑作品の一冊でした。プロローグから全体の構図は察しやすいですが手堅い作品と感じました。ただ高校の教師、刑事など事件に関わる人物たちがこんなに都合よく集まるのかなという不自然さはありますが。あと終盤は結構あっけなかった印象が強いです。

No.4 3点 判子
(2011/11/26 11:27登録)
すらすらと読めました。
ハードルを上げ過ぎたのか、斬新なトリックやメッセージ性の無い本作は少々つまらない印象がしました。
量産される2時間ドラマの様な、捻りの無い物語はあまり好きではないです。

No.3 6点 makomako
(2011/07/16 14:39登録)
私は推理小説が好きなくせに、読んでいて犯人あてをしようと思っていないのか馬鹿なのか犯人が途中で分かることが少ないのですが、これは残念ながら途中で犯人が分かってしまった。犯人は結構以外ではあるのですが。当初はこんなみえみえで大丈夫かと思っているとそれ自体はうまくまとまって意外な展開とはなる。ちゃんと本筋ははずさないところもあるが、いかんせん犯人が分かってしまったのでちょっとつまらなかった。

No.2 5点 メルカトル
(2011/06/17 21:18登録)
なかなかよく練られたストーリーだとは思うが、インパクトに欠ける上、正直あまり面白くない。
それ程複雑なプロットでもないわりに、冗長な感が否めない。
タイトルはなるほどと思わせるが、登場人物が限られているので、比較的真犯人が分かりやすいのもマイナス点になるだろう。
まあ、凡作と言っても差し支えないと思う。

No.1 6点 測量ボ-イ
(2011/04/29 20:11登録)
まずまずの作品。
水準の評価はできるも、「水準以上」の評価には少し
たりない、そんな印象です。
本格色もそこそこあり、サスペンス性もあるので一応
満足はしています。

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