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ミステリの祭典

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イニシエーションラブ
タロット・シリーズ

作家 乾くるみ
出版日2004年03月
平均点7.05点
書評数87人

No.47 6点 kanamori
(2010/08/27 18:05登録)
若者のありふれた恋愛小説が2部構成で綴られ、最後まで読むと巧妙な仕掛けが飛び出すという小説でした。
1つ目の欺瞞は、B面途中でなんとなく分かりましたが、もう1種類の叙述トリックの方は気が付きませんでした。たくさんの伏線というかヒントは、アラフォー世代ぐらいの方はより身近に感じられることでしょう。

No.46 7点 江守森江
(2010/08/22 16:35登録)
ミステリー三昧さんの書評に刺激されて恋愛リドル・ストーリーの側面から再度書評したくなったので例外的に同一作品二回目の書評をアップする。
※要注意!!!
既読を前提に書評してますので完全ネタバレです。
マユが二股していた事(何が起きていたのか・ホワットダニット)が読者に曝されて物語は終了する(謎と解答が、最後から二行目で同時に提示される)
大方の読者は真相の隠蔽により、涼しい顔で二股するマユで女性の怖さを炙り出してみせる恋愛恐怖小説だと思っているだろう(多くの書評に書かれている)
しかし、私は書かれていない結末の先を想像し、二股が発覚しないと思っているマユを描く事で女性の浅はかさを炙り出す作品だと考える。
結末時点では騙されているA面のたっくんだって男として成長するし、先々マユに二股されていた事に気付き、そして物語はタイトル通りにイニシエーションする!(私の想像での結末の先の展開)
果たしてA面のたっくんが成長してマユの二股に気付くか?気付かないとして、そんな鈍い男が女性を幸せにできるのか?気付いても付き合い続けるのか?等々、書かれていない先の展開のリドル性が非常に秀逸だと思うのだが、如何だろう!
叙述トリックで恋愛模様を浮き彫りにし、恋愛観や経験を顧みさせる素晴らしい作品。
※採点については二回目の書評なので平均点を考慮し7点だが、私本来の採点は先の書評時の9点。
平均点や書評数より書評の長さが作品の影響力の目安になる顕著な例。

No.45 9点 すねいち
(2010/08/15 16:53登録)
途中で解ったが、緻密で、とても面白い。ふだんあまり人に薦めないが、これは薦めた。

No.44 4点 ポセイドン
(2010/08/10 23:28登録)
意外ではあったが、それほど驚けなかった。

No.43 4点 りゅう
(2010/08/05 18:28登録)
 ありきたりで陳腐な恋愛小説が続き、いったい、いつになったら事件が起こるのかなと思っているうちに最終ページになり、結局最後まで事件らしい事件は起こらない。最後から4ページ目にこれまでの記述と食い違う箇所を見付け、最後の2行で○○が行われていることがわかったが、いつ○○が行われたのかはしばらく考えないとわからなかった。解説サイトを見て真相を確認したが、再読はしなかった。初読で丁寧に読んだつもりだし、再読する価値があるとは思わなかったから。アイデアは確かにすばらしいと思う。作者はラストで読者に驚愕を与えようとしているのだろうが、その意図はほぼ完全に失敗している。解説サイトを読まないと誤読するような作品は失敗作ではないだろうか。あえて言わせていただくと、最後に繭子の視点で語らせて、真相を明確にばらして終了したほうが良かったと思う。まあ、そんなことよりも何よりも、事件性も謎の提示もない本作品がミステリと言えるかどうか、それが問題だ。サプライズエンディングを持っているが、ミステリではない作品は星の数ほどある。叙述トリックを使っているだけでミステリとみなすのはいかがなものか。

No.42 8点 seiryuu
(2010/07/16 16:53登録)
便秘に驚き。

No.41 10点 まさむね
(2010/06/09 22:56登録)
(ネタバレ注意)
⇒side-Bの「もやもやした違和感」が,ラスト2ページで「明確な違和感」に!
⇒あれ?しばし本を閉じて考える。「秋物語…」
⇒そういうことか?もしかして…
⇒両sideを読み比べてみる。(頭に時系列表を描きながら)
⇒なるほど「日焼け」「指輪」「イブのホテル予約」「アインシュタイン」「便秘」「木曜日に変更」…(その他諸々)ね…。
という訳で,極めて楽しめました。
すり替え具合,暗示の具合が絶妙。2回目の読書がこれまた楽しい。こういうミステリもアリですね。
叙述トリック系の傑作と評価いたします。

なお,トリックによって,あの世代特有の男女のかけひき(?)の連綿性まで表現できていると思う。恋愛モノとしてのチープさ(確信犯だろうが)がいい味を出している。スイカに塩的な感じ。
昭和30年代~40年代生まれの方は,さらに楽しめるのではないでしょうか?学生時代に気分が戻るかもしれません。

No.40 6点 メルカトル
(2010/05/27 00:03登録)
これは・・・ミステリですか?
確かに数々の伏線はミステリの流儀に則ってはいるし、最後の叙述的仕掛けはミステリ以外の何物でもない。
しかし敢えて言わせてもらうと、これはまぎれもなく恋愛小説だ。
一般の読者にとってはどうだろう、やはり本作をミステリとは思わないのではないか。
中立的立場に立てば、どう考えても恋愛小説としか思えない。
でもそれなりに楽しめたので、それで十分かな。

No.39 7点 E-BANKER
(2010/05/05 13:15登録)
「叙述トリック」で評判の作品。
今回あえて予備知識ゼロで読了しました。(本当に)
普通に読み終えてしまうと、80年代を舞台にした切ないラブ・ストーリーそのものですから、「どこがミステリー?」と思うしかなかったんですが・・・
というわけで、今回だけは2度読みする前に「解説サイト」を閲覧することに・・・
「なるほどね」・・・多分ほとんどの読者はそういう感想になるんじゃないでしょうか。
でも、これは80年代という時代に思い入れがないと楽しめないかもしれませんねぇ。
あと、個人的には繭子の行動には若干納得できないところもありますけど・・・2人に同じ○○○を付けるなんて!

No.38 8点 spam-musubi
(2010/03/29 21:34登録)
ミステリとは何ぞや?と考えさせられてしまった。
叙述トリック一発勝負の作品をミステリと呼んでいいのだろうか・・・
また、解説サイトを読まなければ理解しきれないような、
或いはその時代を知らなければわからないような
細かすぎる伏線(例:男女7人、BOOWY)も
いかがなものか、という感じ。

その他突っ込みたいところはたくさんある。
が、それでも今の感想は『こんなの初めてだ!すごい!』
このオリジナリティだけでも高得点に値する。

No.37 6点 STAR
(2010/02/23 11:43登録)
(ネタバレあり!)
ミステリーではないけれど、こちらで人気があるようだったので読んでみました。
小道具を使った複線などは細やかです。
女性はしたたかだなと思う内容ですが、実はこういうことは身の回りでよく起こっていることかも。。。

No.36 8点 測量ボ-イ
(2010/01/29 18:16登録)
殺人事件があって、犯人は誰という狭義の本格ミステリでは
ないですが、これは秀作です。
読了後に直ぐに判る作者のミスリ-ドだけではなく、その他
にも散りばめられたトリック(というか、ミスリ-ドかな?)
があり、再読してもあらたな発見が楽しめるのが良いです。

恋愛小説としては、確かにベタなのかも知れません(そうい
う小説を僕は若いころからそもそも読まない)が、作者と同
年代であるこの僕にとっては当時の風俗も含め、自分の若か
りし日を思い起こしたりできて楽しかったです。

No.35 7点 文生
(2010/01/22 12:45登録)
意表をつく結末は素直に驚いた。
これを見抜いたという人が予想以上に多いのも驚きだが。
ただ、恋愛小説としてはごく普通の話。
あのラストがなければ4点か5点の作品だろう。

No.34 9点 band box
(2010/01/15 22:40登録)
伏線の張り方が絶妙で秀逸な作品だ。
違和感を感じながらも最後までもってかれ、やられたと思った。
表ヅラとしての恋愛物語はチープなようだけど最後のひねりを活かすには適切な書き方だったと思う。

No.33 8点
(2010/01/01 02:01登録)
アイデア勝ち!実にすばらしい出来ばえです。
仕掛けが抜群にうまい。特に時制のほうは文句なしです。伏線もばっちりで、これを解説の用語辞典や分析(ネタバレ)サイトで復習すれば、点数を上げざるを得ません。まさかコンテンツのサイドA、サイドBまでがヒントになっているとは。。。「国電」と「JR」も良かったですね。それから、当時(80年代)のテレビ番組名や流行語など歴史的事象で当時を懐かしむのも一興ですね。作者と同世代なら、まちがいなく青春小説としても楽しめます。

No.32 10点 いけお
(2009/12/06 15:04登録)
人物誤認と時系列の逆転かと思っていたので、最後の2行で〜の煽り自体がミスリードなことに気づかなかった。
こんなに意外な読後感になるとは思わなかったので、すっかり騙された。
完成度は相当高く、タイトルも秀逸。

No.31 5点 sai
(2009/11/18 02:59登録)
評価が難しい。他の方がおっしゃっている通りで、B面で明らかに別人とわかるように書いてあるのが悔しくてw
疑って疑って読んだんですけどね・・・。ラスト読むまで分かりませんでした。悔しい思いしてる時点で作品の面白さにやられてるということなのでしょうけど、ひとつだけ。(負け惜しみじゃないですよw)恋愛小説面の完成度をもうちょっとあげたらより凄いのかなと、少し勿体ない気がしました。そういう部分を読み進めるのが完全にやっつけ仕事になってたところがあるのは確かなので。あくまで個人的見解です。

No.30 7点 ある
(2009/11/15 23:35登録)
前知識を全く持たずに読みました。
Side-Bに入って男の違和感を感じつつも,最終ページまでトリックには気がつかず,素直に「そうなんだ!」と唸りました。
そう言われると,これもあれも…そういうことだったのか,と納得した小説でした。

No.29 9点 (^^)
(2009/10/05 00:11登録)
テンポが良く3時間ほどで読めた。
事前情報なく読んだので「どこがミステリーなんだ?」と思いつつも、B面で少しずつ違和感・・・。
そして最後の二行・・・。理解できずに、解説サイトを読んであんぐり。大満足です。

No.28 5点 給食番長
(2009/09/16 02:32登録)
わかり易い伏線がタップリ散りばめられていたためミエミエだったけど、まぁ楽しめた。

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