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ミステリの祭典

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霧越邸殺人事件

作家 綾辻行人
出版日1990年09月
平均点6.76点
書評数95人

No.95 8点 みりん
(2023/05/18 00:04登録)
骨格は本格ミステリだが、水車館のラストで魅せられた幻想的な雰囲気が終始漂うので怪奇幻想小説の側面も強い。というか実は綾辻行人はこちらの方が得意なのかな…

No.94 10点 密室とアリバイ
(2023/05/02 15:24登録)
この頃の綾辻行人はミステリの神が宿っていたのだろうか

No.93 9点 よん
(2021/09/17 15:27登録)
オカルトや超常現象とミステリの融合。不可解な謎を読者に公正なヒントを提示し、明快な謎解きへと導いていく。
人の抱える闇と不安定さと不条理さとが織り込まれた本格ミステリの傑作。

No.92 9点 じきる
(2021/03/04 07:14登録)
硝子細工のような…という例えがぴったりの儚くも美しい名作。
霧越邸の幻想的な雰囲気もさることながら、細かな伏線といい謎解き過程の論理といい、(賛否両論はあるが)本格ミステリとしても非常に丁寧な造りをしていると感じた。

No.91 6点 虫暮部
(2019/05/28 11:23登録)
 綾辻行人の一連の館ものは、どれも割と(叙述)トリックのコンセプトが明確でしかもそれらが上手く分散している為、個々の存在感が際立ったシリーズになっていると思う。
 それに対して本書の要素“ホラー”は物足りない。構成上の必然は判るし、本格との絡め方もこれはこれで上手い。しかし意地悪く言えば“暗号クイズがオマケとして付いている”に過ぎない。単独で読むならともかく、綾辻行人作品リスト中の一冊として見ると“良作だが地味”との印象。

 西條八十の自鳴琴は“読者には知り得ない手掛かり”と言うことでS.S.V.D. へのオマージュと言うかジョーク?
 “ウォークマン”と言う語を解説無しで使っているがいつまで通じるだろうか?

No.90 6点 ミステリ初心者
(2018/08/21 16:56登録)
 ネタバレを含みます


 連続殺人は、一人の犯行であるパターンが多いことを逆手に取ったミスリード的なものが良かったです。自分は、なんとなく"どうせ犯人っぽい槍中犯人だろう"と決め付けていたのですが、最初のアリバイが完璧すぎて頭を悩ませていましたw
 主人公の独白?の"彼は見事に犯人を言い当てた"的記述にも嘘がなく、よかったです。

 以下好みではなかった部分。
・余分な文章がおおく、無駄に長い気がする
・複数犯人を示唆する部分があり、フェア度が高いが、すべてを推理するには難易度が高すぎると思う。
 甲斐は睡眠薬を見ていない→どれが睡眠薬かわからない→甲斐は犯人ではないという良いロジックがありましたが、甲斐は医学の知識もあるんですよね? 睡眠薬は医師忍冬しかわからないもんでしょうか?
・槍中視点で見ると、都合の良い偶然と都合の悪い偶然がおきすぎている。
・死体を冷凍して、犯行時間を偽装するトリックは簡単すぎてあまり魅力に感じなかった。

 ページ数の割りに地味な印象を持ちました。

No.89 4点 斎藤警部
(2018/01/05 17:59登録)
嗚呼、こんな緩くて馬鹿馬鹿しい連続殺人ファンタジーもたまには最高だ。とは言え時に反撃して来るそれなりのスリルもまた良し。と思えばそれなりプラスαの再反撃も時を置いて腹を打つ。こりゃひょっとして、まさかの核心大逆転、読者側に向けた逆々トリック趣向では。。なァどと淡い期待を奔走させたが最後に解明された真相は厚み有る割に肩透かし。もうひとひねり半を期待しても無駄だったナ。。何と言うか悪い意味で『意外と』化けなかった何人かの登場人物の在り方に不満が。。よく構築された推理小説とは思うが、私個人の趣向として面白さの点では詰めが甘過ぎ。精妙なものですね、ガラス細工の様な本格ミステリのバランスって。クラヴサンで「月光」第一楽章ってシーンはちょっと印象的だ。初期の綾パンは青臭い文章がどんなに好みでなくとも内容に圧倒されて大好きな作品が多いのだが、本作は、誠に残念ながら!!

No.88 7点 あびびび
(2017/06/12 23:55登録)
豪雪で閉じ込められた謎の洋館…。あえて、ミステリの最高の舞台を作り、そこに作者の力量をぶっつけたという設定が素晴らしい。

こちらも身構えて、じっくり読みました。

No.87 8点 パメル
(2016/06/19 01:21登録)
吹雪の山荘と見立て殺人というどちらもミステリで多く使われた形式が使われている
洋館のアール・ヌーヴォー調の装飾や収蔵品など幻想的な要素に加え
謎めいた住人・奇怪な現象のような不気味な雰囲気で独特な世界観を持っている
ストーリーのリアリティを保ちつつも現実と異なる意識下に刷り込ませてくるような
感覚が絶妙
偶然の要素が占める割合が多い事とラストで本格ミステリのルールを
微妙に逸脱していることで賛否両論あるようだが
個人的には相当楽しめた

No.86 7点 風桜青紫
(2015/12/21 05:19登録)
トリックはそうインパクトがあるわけじゃないし、SF設定を用いた謎解きについてもそう成功してるとは思わんのだが、いかにもって感じの雰囲気がいいんだよね。作品のタイプとしては水車館と近いんだろうけど、ストーリーの盛り上がりではこっちのほうが上。ヤリさんのうんちくもウザいけどなんか嫌いじゃない(笑)。幻想小説ってほど高尚(?)じゃないにしろ、アーヤは雰囲気作りがうまいな、と思えた。遊び心に満ちあふれたワクワクする館ミステリ。十角館を別格にすれば、これが綾辻行人のベスト作品かな。

No.85 9点 CHABI
(2015/04/11 00:01登録)
幻想と本格のハイブリッドですか。上手く融合していたと思います。
事の真相部分に関しては100%本格ですから。
例の失言には当然気づきましたが、それ故の誤った推測をしていました。
氏のトラップにみすみす引っ掛かった感じです。
お遊びの要素も好きです。

No.84 7点 まっち
(2015/03/12 00:46登録)
長かったので疲れましたが面白かったです。解けない謎、細かい暗号等は少し無理矢理な気がして気にいりませんが、大筋の意外な真相が極めて論理的に解き明かされていく解決シーンはとてもワクワクしました。

No.83 10点 sophia
(2014/08/03 18:09登録)
いつか再読しなければと思いつつもなかなか機会を得ず、今回約10年ぶりに再読。
本格ミステリーとしての完成度の高さは言うに及ばず、館シリーズには見られない重厚な文体、幻想的な雰囲気、宿泊客たちの運命を映す家など、装飾が素晴らしい。
インターローグによるミスディレクションも秀逸。
薀蓄の多さは確かにありますが、バランスを崩壊させるほどではありません。
自分の中で9点評価でしたが10点に格上げ。
氏の最高傑作と言っても過言ではないかと。

No.82 4点 ボナンザ
(2014/04/07 01:38登録)
過去最長の長さでありながら、それを支えるトリックに過去作ほどのインパクトがないのが残念。思えばこの頃から綾辻氏のホラー要素が本格ものにも見え隠れするようになっていますね。

No.81 5点 いいちこ
(2014/03/20 18:09登録)
プロットやトリックは及第点だが、解明されない謎がご都合主義と解さざるを得ず減点材料
作者の稚気と解せる人なら高得点の作品

No.80 7点 バード
(2014/03/07 22:38登録)
前評判が高かったので期待して読んだがそれにこたえてくれたとは思う。読んだのは割と前なのだが劇団暗色テントは中々にインパクトのあるネーミングで嫌いじゃない、迷路館に出てくるキャラの名前が出てきたりとリンクしてる感じも良いと思う。

内容も古典ミステリによくあるドロドロした雰囲気を出しつつ暗くなりすぎてなく素晴らしい、トリックも叙述じゃないというのも館シリーズと差別化できてていい。
ただ槍中のうんちくはちょっとしつこい気がする、更に槍中さんあの失言はいくらなんでも初歩的なミスすぎるでしょ。

No.79 7点 アイス・コーヒー
(2013/06/14 19:06登録)
信州の山奥で吹雪にあい、山奥の古風な館に閉じ込められた人々。吹雪はなかなかやまず長期間閉じこめられる事が分かったとき、館で殺人が発生する。
霧越邸の怪しげな雰囲気やそこに住む怪しげな住人たちなどは綾辻行人らしいもので楽しめた。ただ衝撃の結末と言われたわりに真相はそこまでおもしろくなかった。これは館シリーズと決定的に違う点だろう。
個人的には本作より館シリーズをお勧めする。

No.78 8点 TON2
(2013/02/28 18:52登録)
新潮文庫
 吹雪の山荘、童謡の見立て殺人、最後に探偵が一室に関係者を集めての謎解きとくればミステリーの王道で、十分楽しみました。
 犯人の1人は、あまりにも幼稚なひっかけに気づいたため分かりました。殺人の動機は観念的で弱いと思います。
 登場人物の名前が不自然なほどかわったものだったのは、言葉遊びだったんですね。

No.77 9点 HORNET
(2012/10/10 13:34登録)
※多少ネタバレ気味
 新本格の旗手としての「らしさ」が存分に発揮された、厚みのある作品。綾辻ファンの多くの人は、こういう作品こそ氏の真骨頂であると思っているであろうし、私もそうである。
 意匠の凝らされた豪奢な館、C.C、謎めいた館の人々、複雑な人間模様をなす若者たち、事件の鍵を握る白秋の童謡、それになぞらえた見立て殺人―そしてその犯人を探る純粋なフーダニット。しかも、今回は氏のミステリの多くを占める「叙述トリック」ではなく、ストレートなロジカル・ミステリであったことも好感を強くした。
 唯一、四つの連続殺人の犯人が、こういう結論になるのは、アンフェアとは言わないが、やや肩透かしの感もあったが…それを差し引いても文句なく綾辻氏の最高傑作の一つと言えるだろう。

No.76 8点 シレン
(2011/12/11 08:16登録)
論理を超えるような描写もありますが、それ抜きの純粋なミステリーとして読んで問題ないと思います。
この作品の雰囲気、好きです。さすが。

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