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ミステリの祭典

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龍臥亭事件
御手洗潔シリーズ

作家 島田荘司
出版日1996年01月
平均点6.22点
書評数40人

No.40 4点 レッドキング
(2020/07/14 08:10登録)
トリック作家:島田荘司礼賛やぶさかではないが、小説作家:島田荘司は退屈である。

No.39 5点 ボナンザ
(2017/09/28 21:14登録)
物語としてはまずまず。すでに平成が終わろうとしている今日この頃だが、昭和の犯罪史をうまくちりばめた出来。
ただ、石岡と彼女の描写があまりに希薄で、最後の展開にいまいちしんみりできない。
トリックは例によっての島田トリックだが、跳躍の方はもう少し工夫がほしかったか。そうなっているとか言われても・・・。

No.38 6点 MS1960
(2017/09/14 12:37登録)
歴史的な事件をメインテーマにした力作。雰囲気も出ていて小説としての満足度は高い。石岡が不安を感じながらも当事者として事件を解決して自信を取り戻していくくだりは好感が持てる。しかし、本格という視点から考えるといささか物足りない。但し、周囲から本書に関する感想を求められたら「一読の価値はあるよ」と答えると思う。

No.37 3点 いいちこ
(2017/07/03 16:18登録)
ミステリとしてはご都合主義を超えて、もはや空想的と呼ぶべきレベル。
津山事件の描写には、作者の高い筆力が反映され、日本論・日本人論として見るべき部分もあるのだが、参考文献を無批判にコピーしているとも考えられ、作者の作品として評価することはできない。
また、本作の性格に照らして、ボリュームが多すぎるのも大きな難点。
以上、作品として読ませる部分もあるのだが、その評価は批判的にならざるを得ない

No.36 7点 HORNET
(2014/11/09 10:13登録)
 御手洗潔シリーズでありながら、探偵役は石岡がやり、御手洗はほとんど登場しない、というスタイルはファンとして面白いものだった。(京極夏彦「百鬼夜行シリーズ」で関口が探偵役になるような感じ?)
 「津山三十人殺し」を題材に扱った作品では横溝正史の「八つ墓村」が有名だが、あちらよりもこっちの方が事件そのものに色濃く関わってきている印象。読んでいくほどに不気味で陰惨な雰囲気が高まっていき、長い話だったが飽くことなく読み進められた。
(ネタバレ要素含む)
 トリック、真相についてはアクロバット的な印象だが、「斜め屋敷」でもそうだったので、こうした大胆な構えはミステリの世界ならではだと思い、私は嫌いではない。次々と人が死んでいき、長い話の中でどんどん謎が積み上げられていってしまうのだが、事もなく平坦に過ぎる部分はほとんどないという意味で楽しかった。石岡からの手紙だけで真相を看破する御手洗は、いくらなんでも天才すぎると思ったが。

No.35 7点 TON2
(2012/11/05 21:03登録)
ノベルスで約1000ページ、大変長い物語ですが、十分満喫しました。御手洗潔はほとんど出てきません。友人の石岡の物語です。本筋とは直接関係のない「津山三十人殺し」の内容が詳しく書かれていることが、自分的には大変面白かったです。
殺人トリックの銃弾の反射は、少々無理があるかな。

No.34 7点 makomako
(2011/08/18 21:48登録)
力作であることは分かるが、やっぱり長いなあ。社会派と本格と文章的表現のいずれをも大切としたという姿勢は分かるけどちょっと凡長にすぎる。小説の雰囲気はとてもよいと思うのだが切れ味が悪い。30人殺しの真実を伝えたいという試みも悪くはないと思うしこの小説にとって肝心なところではあるのだが、ここまでだらだらと書く必要はないのでは。犬坊里美の冒険を読んで久しぶりに読み直したが発表当時に読んだ印象とあまり変わりはなかった。

No.33 8点 E-BANKER
(2010/11/03 23:32登録)
350冊目の書評はこの作品で。
御手洗潔シリーズというよりは、情けない中年の象徴「石岡」覚醒&再生の物語・・・
まず最初から「何で光文社ノベルズで石岡が?」という初歩的な疑問を持ちながら読み進めていきますが、最後の最後で「あの人が○○だったのか!」という(ファンにとっては)驚きの真相が披露され、島田氏の「企み」に唸らされる結果に!
作者あとがきでも触れてますが、本作はいわゆる「コード型ミステリー」と島田流日本の昭和史の融合を狙った作品ということで、それを十分に感じるほどのエネルギーとクドさを十二分に堪能できるでしょう。
「見立て」の必然性の問題とか、いかにも島田流の大掛かりなトリックについては、そのクオリティ云々を含めて、今回はあまり気になりませんでした。
「津山三十人殺し」や、それを生んだ日本の風土・風習など、その正誤や是非はともかく、読み手に考えさせずにはいられない圧倒的なスケール感にはやはり脱帽するしかないような気がしますね。(当然、好き嫌い・合う合わない、はあるでしょうが・・・)
今回、久々にこの超長編を再読して改めて思いました。「島田ファン以外がこれを読破するのは相当キツイ」と!
何しろ、上下刊で千ページ強。これでもかと続く殺人事件のオンパレード! こんな作品書ける作家は他にいないでしょうねぇ。それを含めての評価。

No.32 7点 toyotama
(2010/09/21 15:25登録)
石岡先生、いつのまにこんなダメ人間になってたのだ?
長い割りにきちんと読めるのはいい作品なんだろうけど、登場人物表がないから、昔の事件の計画書の人物と現代の事件の被害者との対比が難しい。
菊子さんはともかく、由利子さんて誰?という状態だった。
最後の最後で、むしろ物語の本編以上のドンデン返しが!

No.31 5点 seiryuu
(2010/07/16 17:37登録)
最初は吉敷シリーズを知らずに読んだので
だらだら長くてトリックがしょぼいだけに終わりました。
御手洗・吉敷シリーズを大方読んで再読したら
島田氏が番外編と言ったのがわかるような気がした。
石岡君とミチらしさが出ていてよかったけれど
やはり創作部分の事件がつまらなかったのが残念。

No.30 4点 nukkam
(2010/03/08 12:35登録)
(ネタバレなしです) 1996年発表の本書は御手洗潔シリーズ番外編でワトソン役の石岡和己を主人公にしています(「アトポス」(1993年)のように最後になって御手洗潔登場、という風にはなりません)。作者の大作主義は留まることを知らず光文社文庫版で上下巻合わせて1100ページを超すボリュームですが、さすがに長すぎかなと思います。特に後半で挿入される3章200ページに渡るドキュメンタリー風の物語は、コナン・ドイルの「緋色の研究」の構成を連想させるもので物語の流れを中断させてしまったように感じました。またエピローグで「ある事実」が判明するのですがこれは他の島田作品を読んでいないと読者にはぴんとこない事実です。メインの謎解きに関係ないとはいえ、1つの作品内で全てが完結するようにしてほしいですね。

No.29 9点 E
(2009/07/25 23:21登録)
これは傑作。大満足です。
石岡君、大活躍で新キャラも登場。事件舞台の情景が
美しく表現されていました。
都井睦夫が長かったので・・・それだけは不満ですね。
何で別にしないのかなぁ・・本当疑問に思います(爆)
味付けとして別話・事件等を入れるのは判りますし、雰囲気作りとして必要だったり別知識として有難く感じることもあります。

しかし、長いって!!半分でいいだろ!本編の事件に戻ってくれ~と絶叫しました(苦笑)

まぁ、本編が面白かったのでやはり読んでよかったと思いました。本編の長さは気になりませんでした。
重厚な作品!

No.28 5点 あい
(2008/03/24 18:14登録)
とにかく長い。そして長いわりにはトリックがしょうもない。上下で分かれてるのを読んだので、上巻を読んだときは良かったが、下巻を読み終えてがっかりした。話は面白いし、展開も悪くないけど、トリックを真剣に考えてると時間を無駄にする作品

No.27 9点 マニア
(2007/12/30 17:57登録)
全編に行き渡る都井睦夫の影と謎、そこから醸し出される闇のような雰囲気を十二分に堪能できた。結局石岡は御手洗がいないと何もできないんだと実感。最後の電車の中で涙を流す石岡には胸を打たれたが・・・。

トリックとそれに関する伏線は立派。昭和初期の犯罪の、当時の世相故の陰鬱さが現代に蘇るという視点も面白い。
御手洗ホラーミステリの傑作!!

No.26 6点 姑獲鳥
(2007/08/30 23:39登録)
トリックやストーリーはとても面白いものでしたし、都井睦夫の事件にも考えさせられるものがありました。
しかし、石岡君が好きじゃない私にはちょっと残念でしたので少し厳しめの採点にしました。でも完成度の高い作品だと思います。

No.25 10点 あんくう
(2007/06/10 03:07登録)
なぜだかわからないがこの作品の犯人が印象に残っている。

解決部分で多少がっかりする部分もあったが、雰囲気がとてもよかった。

No.24 8点 北浦透
(2005/08/17 17:55登録)
迫力の一編。
本格と社会派の融合は島田荘司の豪腕だからこそできるが、この作品では石岡の再生を描いたという点が評価できる。手紙の御手洗が、いい味を出していると個人的に思う
。ミステリーとしてはもう少し作りこめたかもしれない。

No.23 9点 Tetchy
(2005/08/10 22:26登録)
否定的なコメントが多いのであえて肯定的なコメントを。
『秋好事件』のノンフィクションタッチを経ての本作。その経験が活かされており、巨匠にして新たなる手法を生み出す、この貪欲さを買います。
連続殺人が続くのも、最後の最後まで御手洗を登場させず、石岡という凡人に解決させることにより、不自然さが無い―よく名探偵がさんざん人が死んでおきながら犯人は貴方だ!と誇らしげに指摘する厚顔無恥さがこの作品にはありません。昭和初期の殺人事件に基づいて連続殺人が成されたというのも島田がこだわる日本人論、昭和論をほのめかしており、しかも忘れ去られるであろう事件を再認識させてくれたのも作者の真面目さだと思います。あと最後の最後であっと云わされるミチの正体。こういう演出が心憎かったです。

No.22 9点 ういける
(2005/07/11 16:42登録)
都井睦夫に関してこの小説内で始めて知りましたが、何とも言えぬ切なさが残りました…。最後の、睦夫の血を残そうとする者と絶やそうとする者の相討ち劇は良かったと思う。しかし、石岡君が「龍壊せ」を実行していれば・・・。

No.21 5点 如月雪也
(2005/06/05 06:34登録)
長かったです。ええ。ちょっぴり横溝の匂いがします?でも匂いだけ〜

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