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ミステリの祭典

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探偵映画

作家 我孫子武丸
出版日1990年12月
平均点6.39点
書評数41人

No.41 6点 斎藤警部
(2020/10/22 13:00登録)
ストーリーがもうちょっと暴れてくれたら良かったかな、折角のトリッキーでギミッキーなメタミステリ(?)なんだから。必然性ある「告白合戦」の位置付けは興味深い。「叙述トリック」が完全に映画の枠内に押し込まれてる構造なもんで、そこで驚天動地とも行かない歯がゆさは仕方ないか。(「メイキング」の方を一皮剥けさせて大爆発、とは行かないものか..) でも発想は面白いですね。 ま、ユーモラスで明るいのはいいけど、せめてもう少しの分厚さが欲しかったね、お話に。んでも、あの映画枠内の真相とその隠し方&バラし方は小味なれどなかなかピリっとしてますよ。映画枠外のトリックもまずまず。悪くないです。6.2点あげちゃいます。

No.40 6点 メルカトル
(2017/03/03 22:18登録)
再読です。
まあちょっと地味ですね。しかし、映像上での叙述トリックを文章で著すという功妙なテクニックを駆使しているところが新しいとは言えると思います。
監督を失って完成まであとわずかながら締め切りが迫る状況で、助監督三人をはじめスタッフがクランクアップに向けて悪戦苦闘する様が読みどころの中心となっています。また、すべてのキャストが我こそが犯人であると主張し、犯人探しではなく、犯人たる資格探しをするシーンなどは、明らかに推理合戦ですね。ある有名な海外作品を意識していると解説の新保博久は書いていますが、そこまで大げさではありません。
なぜ監督は撮影終盤まで来た段階で失踪したのか、なぜ主人公立原に対して美奈子は突然冷たい態度をとるようになったのか、これらの謎をはらみつつ進行していく物語は、一種の青春群像劇とも呼べるような、爽やかな印象を残す異色作だと思います。

No.39 6点 パンやん
(2016/06/08 07:46登録)
してやったり感溢れるトリックよりも、助監督を取り巻く映画制作の舞台ウラの、ドタバタ青春ストーリーとしての面白さに尽きる。又、ちょくちょく挟まれる映画作品のトリビアが楽しく、映画好きには堪らない、色褪せていないミステリーであった。

No.38 5点 パメル
(2016/02/12 01:25登録)
映画監督が撮影途中で失踪?
映画はとにかく完成させなければと映画スタッフとキャスト自身が
ああでもないこうでもないと議論するところが読みどころ
ミステリでありながら軽いというか軽すぎる
設定が全てのような作品
真相も驚きは無かったし何か物足りない感じ

No.37 6点 風桜青紫
(2015/12/19 19:59登録)
アイデアの面白さに関しては文句なし。途中の「犯人になりたがる推理合戦」もドタバタしていて笑えたし、それぞれの提出する推理もよく出来てる。『毒入りチョコレート事件』のオマージュと称してくだらんパクりの詰め合わせをやらかしていた米澤穂信の某作品を圧倒してるのは確か。けどまあ、アイデアが良くても、登場人物のやりとりにさして魅力があるわけでもないので、中盤は妙にぐだぐたして読み進めづらかった。アイデアが枯渇したあと我孫子が失速した理由もたぶんここ。できりゃゲームにはまってる間にそのあたりを磨いてほしかったかな。

No.36 7点 ボナンザ
(2014/04/07 01:22登録)
解説にあるとおり、殺戮にいたる病をのぞけば作者の最高傑作といえるでしょう。
映画に関するうんちくが楽しい一方で、ラストの展開も衝撃的です。ただ、どうしても設定に小説と言うより台本のようなものを感じてしまうのは私の気にしすぎでしょうか。

No.35 6点 itokin
(2013/10/08 19:04登録)
映画界の内側がよく解って映画好きの私にとってはそれだけで楽しめた。それにしても、犯人探しにいろんな見方があるもんだと作者の頭脳に敬服。最後はチョットアンフェアーと思えるがだまされた私が悪いのでしょう。

No.34 4点 蟷螂の斧
(2012/01/04 16:14登録)
作中のスタッフは監督に騙されたわけですが、読者はいったいどうなんだろう?よく解りません。

No.33 6点 kanamori
(2011/11/08 18:15登録)
「探偵映画」というタイトルの探偵映画を巡るメタ・ミステリ。
これ、最初の方の、映画の撮影技術のウンチクと叙述トリックの映像化に触れた会話で、仕掛けを大胆に暗示してたのか。再読するまで気付きませんでした。
叙述トリックもののミステリ小説、たとえば本書で例示されているビル・バリンジャーの某作に限らず、「ハサミ男」や「消失!」などのタイプは、まず映像化不可能ながら、確かにこういう使い方なら可能で面白いアイデアです。

No.32 7点 好兵衛
(2011/04/24 00:21登録)
映画の結末を推理するというちょっと変わった
面白い形の作品。

実際事件は映像の中で起きているのですが
そのなかの犯人を決めていく形がひきつけられるます。
途中の犯人立候補の図などはとても面白い。

我孫子氏の軽いかんじ&ちょっと変わった感じ
がよく出ていると思う。
結末&トリックですが
分かりそうで分からない。


意外性は十分あると思います。読後感がよいです。
楽しくさくさく読めます。

No.31 3点 ムラ
(2010/12/16 02:43登録)
叙述トリックとしては面白かったです
主人公の性格も好み。
でも気持ちグダグダしちゃってた感が。

No.30 7点 シレン
(2010/11/13 01:10登録)
話の展開がすごくうまいと思った。
まったり楽しめる作品でした。

No.29 7点 seiryuu
(2010/08/30 16:08登録)
登場人物が騙されているから読者がわかるわけないか~。
私には高度すぎる叙述トリック。
面白い発想だと思います。
人間関係も面白かったです。
でもこの監督の下で働くのは嫌だわ。

No.28 6点 E-BANKER
(2010/03/12 21:49登録)
初期のノンシリーズもの。
設定自体が変わっていて面白い作品。
ただ、最初から「叙述トリック」ということを宣言して進めており、ある程度ラストが読めてしまうところが玉に瑕かなぁと感じました。
作者の初期作品は、設定やプロットは面白いけれど、それがあまりうまく生かされてないという印象が強いんですよねぇ・・・「0の…」とか「メビウス」とか
ただ、映画に関する薀蓄や技法については面白かったし、参考になりました。

No.27 5点 いけお
(2010/02/09 22:23登録)
設定はおもしろいと思うがあっさりまとまりすぎなので、物足りない。

No.26 7点 文生
(2010/01/31 11:00登録)
地味な小品だが、映画の結末を推理するという趣向が面白い。
結末もきれいに決まっていてよくまとまった佳品という感じ。

No.25 4点 江守森江
(2010/01/31 00:42登録)
メタ設定で作中人物の一人が他の作中人物達を騙す→ある意味で究極な形の叙述トリック。
しかし、映画制作の過程で用いると、余りにベタで結末が解ってしまい驚けない。
書かれた年代を考慮すれば同情の余地はあるが‘この手’の騙しなら道尾の方が格段に手慣れていて上手い。
もっとも、驚きを求めず、映画制作のドタバタ系ユーモア小説としてなら充分楽しめる。
(テレビの二時間ドラマに毒された視点からだが)ここまでして犯人役をやりたいものなのだろうか?

No.24 6点 spam-musubi
(2009/11/16 11:40登録)
推理小説としてはかなり異色ではありますが、
この作者らしいコミカルな雰囲気の作品。

映画に詳しくないんですが、この仕掛け自体、
そんなにスゴイことなのでしょうか??

No.23 8点 isurrender
(2009/07/21 13:13登録)
一般に受け容れ易い作品だと思う
後味が悪くなる展開でもないし、良作

No.22 7点 あるびれお
(2009/06/13 06:11登録)
リアルタイムで読んでいたのですが、この頃の我孫子さんの作品、とっても好きです。中学生の頃にはまった作家が辻真先さんだったので、ユーモアミステリでトリックがきちんとあって、時にメタだったり、というのはストライクゾーンでした。

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