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ミステリの祭典

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聖女の救済
探偵ガリレオシリーズ

作家 東野圭吾
出版日2008年10月
平均点6.85点
書評数47人

No.27 6点 ayulifeman
(2012/09/01 10:59登録)
さくっと読めて面白かった。
ガリレオシリーズもドラマを見たわけではないですが、
読んでいると福山さんが頭の中では動き回ります。
水道関係に詳しくないですが、このトリックで本当に普段大丈夫なんでしょうか。

No.26 7点 中野ウルフ
(2012/08/26 13:41登録)
トリックに若干の非現実さがあるものの全体を通して楽しめた。「聖女の救済・・・なるほどね」と思える良作品。

No.25 5点 ボンボン
(2012/08/19 15:22登録)
単純な事件に、少しずつ時間軸や人間関係で深みが出てくるが、その展開に無理やりな感じがなく、流石に上手だなあと思った。ただ、台所の一角でトリックの検討が行ったり来たりしているうちに、なんだか全体の印象が薄くなってしまって、読んだ後しばらく経ったら何だったのか忘れてしまいそう。
基本的に女性の心象表現にリアリティがない作者だが、今回は頑張ってみました、という感じか。内海が、他の刑事と全く違う視点で事件を見るのは面白いけど、”男と女は感覚が違う!”ということに神経使い過ぎでは?

No.24 6点 蟷螂の斧
(2012/07/14 11:05登録)
トリックは、湯川の言葉通り「理論的に考えられても、現実的にはありえない。」ということでしょう。アイデアは面白いと思いましたが、やはり現実味がないので、感心することはありませんでした。ストーリーテリングはうまいといつもながら感心します。内海薫は、テレビと違い切れ者の感じがし好印象でした。

No.23 8点 haruka
(2012/04/25 21:11登録)
文庫化を機に拝読、長い間待ったかいのある内容だった。トリックは地味かもしれないが、不自然さを感じさせないために細心の注意を払って伏線を張っている。草薙の恋心を絡め、内海、湯川、三者三様の推理も個性があって楽しめた。タイトルも秀逸。

No.22 7点 mozart
(2011/06/25 09:36登録)
湯川が虚数解と表現した毒物混入「トリック」はまさに驚愕ものでした。ただ、その「救済」を続ける間の主人公の心情はいまいち理解できなかった。その「救済」にかける労力を考えると、およそ人非人である夫など、さっさと見切りをつけられなかったのかと。

No.21 7点 touko
(2011/04/01 23:11登録)
ミステリとしての出来はともかく、無辜の犠牲者が出る、男性の究極の片恋ものの容疑者Xより、すんなり読めて、後味もよかったです。

No.20 8点 VOLKS
(2011/02/04 13:39登録)
一晩でさくっと読めて、トリックに驚かされ、犯人の切なさに胸を打たれ、そしてやっぱり面白い。
さすが、東野圭吾作品。

No.19 5点 HORNET
(2011/01/15 21:03登録)
 トリック以上に,トリックをなし得た犯人の執念というか徹底振りに驚愕。言われてみれば,確かにそう描かれており,その描き方にわざとらしさを感じさせないのはさすが著者といったところ。しかし,長編にしてこの仕掛けは物足りなさも正直あった。
 むしろ,冒頭のシーンの意味が分かる所のほうがうまく騙された感じがする。

No.18 7点 ムラ
(2010/12/20 23:52登録)
(ネタバレあり)
相変わらずのテンポの良さと盛り上げ方の巧みさは素晴らしい
人間ドラマを上手く描きながら話が進んでいくのでどんどんページをめくることが出来ます。
草薙や内海もガリレオに負けず劣らずのいいキャラをしている。
しかしこの話で何より目を見張るべきなのは、序盤のミスリードではないでしょうか。あれは素晴らしかったです。
ただトリック自体はそこまで驚くものでもなかった。短編向きなトリックを長編に持っていけたのは凄いですが。

No.17 7点 まさむね
(2010/09/13 22:26登録)
清く・正しく・美しい(?),正統派のハウダニット作品。
叙述的ミスリードまで,清く・正しく・美しかった。
基本トリックが1点厳選というのも,潔さを感じて,嫌いではない。(トリックの発想自体が斬新なため,現実味云々は,私的には敢えて減点対象とせず。)
トリックのみでいえば,短中編でも,十分に作品として成り立つと思うが,これに種々人間ドラマを絡ませ,冗長さを感じさせない長編に仕上げてしまう作者の力量は,さすがとしか言いようがない。(注:皮肉などではなく,純粋に拍手)
ただし,湯川氏の「虚数解」発言は,こじ付けが過ぎる印象がして,最後まで違和感が消えなかったので,マイナス要素。本筋とはあまり関係のない,細かい点ではあるが…。
(ちょっとネタバレ)
しかし,どうしようもない奴が随分モテたものだ。そもそもこんな奴と結婚しなきゃいいじゃない…ってトリックの全否定になっちゃうような気もするから,あくまでも戯言で。

No.16 7点 kanamori
(2010/08/26 18:56登録)
毒物混入トリック一本に絞った倒叙形式のハウダニット・ミステリですが、正直これだと短編ネタだと思いました。
しかし、さすがと思ったのは、その非現実的でありえないトリックを、ありえるかもと思わせる作者のストーリーテリングの巧さ。
また、本書でも探偵役から出た「虚数解」という思わせぶりな言葉は、本格ミステリ読みを惹きつける。ツボを押さえた小説創りのうまさはやはり一級品ですね。

No.15 7点 ある
(2010/07/30 11:27登録)
「殺人を実行しないこと」自体が殺人のトリックとは!
こういうトリックは知らなかったので斬新でした。
ただ,実際にこのトリックを行うことは難しいと思われますが。

叩かれている被害者ですが,この人は別れることを前もって言っていた訳ですよね?とすると,結局,殺人の動機は自分に対する被害者の気持ちということになるのかな‥?
友人に対する仕打ちということであれば,「救済」する必要など無く,すぐに実行するはずでしょうし。実行後に自分が捕まりたくないがために「救済」していたというなら分かりますが。

最後に突きつけられた証拠品にしても,押収されたものでもなく単に個人が「保管」していただけなので,否認されてしまえば証拠能力は厳しいかなぁ。。

No.14 8点 seiryuu
(2010/07/21 18:52登録)
女性の心情が丁寧に書かれているし、内海薫大活躍で楽しかったです。
トリックが秀逸。

No.13 8点
(2010/06/06 21:40登録)
相変わらず、巧いです。
物理的な謎と空間的な謎を読者に更にミスリードさせています。

No.12 7点 江守森江
(2010/05/26 04:18登録)
ガリレオシリーズで「容疑者Xの献身」に続く第二長編。
倒叙形式に叙述トリックを絡めたハウダニット作品なのは前作に同じ。
シンプルなワントリックなのも前作同様だが、こちらの現実味の無さ(発想を褒めている)の方が勝っている。
#その点で「容疑者X〜」の本格ミステリ大賞受賞に対し、本作を既受賞と受賞作を越えないとの見解からノミネートしなかった選考役員の見識には疑問を呈しておきたい!#
見事に張られた伏線から湯川同様論理的に読者も解答に到達できる作りは「前作での本格では無いとのイチャモン」や「シリーズ短編での物理的過ぎて読者の推理を拒絶するとの意見」に対する作者の解答なのかもしれない(グーの音も出ない解答を提示されてしまった)
※要注意
ここから微妙にネタバレします。
書き出しからヒッソリとミスリードを仕込む叙述は、わざわざプロローグなどで構えさせる稚拙な作品を書く作家には是非とも見習ってほしい。
先の方々も書いているが内海刑事はテレビのイメージを遙かに上回る切れ者で、更に洞察力で上回る湯川は(天才かどうかはともかく)間違いなく名探偵だろう!
草薙を含む刑事達のキャラ立ちも素晴らしい(ここまで満点)
しかし、先にトリックありきで設定した故か、犯人の行為は救済ではなく単なる猶予でしかない。
タイトルが「聖女の猶予」では、トリックが透ける弱点が生じる。
また、被害者の倫理観とそれに基づく行動は(石持浅海作品に似た感じで)納得出来ない。
更に、大きな如雨露を購入する御都合主義で決定的証拠が保存されたり、キッチンの水道設備描写の不親切さにも不満が残り1点減点した。
それでも、本格ミステリとして(現在までの)東野圭吾の最高作だろう。

No.11 8点 TOMY
(2010/02/08 07:20登録)
ネタバレあり
着想が見事。
欲を言えば、ペットボトルか水道水かという展開の中、浄水器の話が浮上する辺り、ただの水道水と浄水器の使い分けなどどのような状態だったか、書いてあったかもしれないが、その理解できていなかったので、その辺り、より巧く説明してあるとよかったのと、その点の使い方によって、トリックの不自然さも緩和できたのではないかという気がする。

No.10 8点 akkta2007
(2010/01/24 20:30登録)
トリックの内容に大満足!
非現実的でなかなか思い付かない展開ではないだろうか?
物語の展開、読みやすさなど、さすが東野作品である。

No.9 8点 ミステリー三昧
(2010/01/09 15:09登録)
※ネタばれあり
<文藝春愁>ガリレオシリーズの4作目(長編)です。 ※『ガリレオの苦悩』と同時刊行
雰囲気がドラマ版に完全シフトしていますね。内海薫が登場した途端に俄然面白くなる。まず、女の直感とやらで(読者に自明な)「真柴綾音が犯人であること」「草薙が犯人に好意を寄せていること」をいきなり言い当てます。『ガリレオの苦悩』と同じく「女性ならではの着眼点」が冴え渡る設定は徹底されている模様。
本作は倒叙形式の本格ミステリになっています。普通の毒殺事件ではありますが、倒叙形式を採用することで「不可能興味」をそそる展開になっている。「遠距離から人を殺すことが果たして可能なのか?」が本作のメインであり、毒の混入経路が終始議題の中心となります。その解答は正直、驚けなかった。けど、その解答が何故「虚数解」なのか?その部分に感心してしまい高評価とする結論になりました。少なくともオリジナリティが高い真相であることは間違いない。
その他、動機を描く徹底さ、二つの異なる捜査がリンクする展開、犯人の趣味にまで伏線を張っていた周到ぶりなど物語全体に無駄がなく「本格ミステリ」として充実していた。






(ここからネタばれ感想)
今回のトリック、驚きよりも感心の方が強い。確かに理論的にはあり得ても、現実的にはあり得ない(普通の犯人なら考えないor実行しない)です。「何もしない」ことが殺害方法。表現上「プロバビリティーの犯罪」と似通った意味合いがあると思う。ただ、最初は「死の確率」を最小限に留めないといけない。「勝手に死ねばいい」という問題ではない。被害者の気持ちが変わるまで「救済し続けなければ・・・」という気持ちがある。愛がある故に殺人に踏み切れないでいる微妙なバランス加減をトリック一本で表現したという部分にオリジナリティを感じました。「タイトル」も巧いですね。愛情と憎しみが混在する渦中だからこそ見守り続けた一年間・・・つらい一年間だったと思う。
ただ、被害者は女の敵だったと思う。被害者の愛人、宏美を庇い続ける綾音の心理状況も読み終わってやっと理解できた。

No.8 10点 サクラユタカオー
(2009/11/23 11:10登録)
このトリックだけで8点。
中学の時からミステリを読んできたが、確かにこういう
犯人はいなかったと思う。
そして、あらゆる描写が、このエラリー・クイーン的な
ロジックの完成に向けて描かれていることに感動した。
これでプラス1点。
にもかかわらず草薙の、なんだろう「男の純情」みたいな
ものを(パズルの1ピースではあるが)読むことができて、
「小説」としても楽しめ(悲しめ?)た。これでプラス1点。

超がつくマニアのひとの採点が見たいですね。

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