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ミステリの祭典

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カラスの親指

作家 道尾秀介
出版日2008年07月
平均点7.37点
書評数27人

No.27 7点 雪の日
(2022/03/30 19:03登録)
誰が読んでも面白いと思えるのではないだろうか

No.26 5点 新世紀ミステリー
(2019/06/30 09:42登録)
2008年発表。面白くて一気読みしてしまいました。何の感慨も残らずに。この作者にはここらで長いお別れを言う時が来たようです。

No.25 9点 mediocrity
(2019/05/07 03:20登録)
『ラットマン』はあまり楽しめなかった(実際、4月29日に書評書いてるのにもう内容を覚えていないくらい)のですがこれは最初から最後まで楽しめました。結構長いですが、文章が平易で読みやすいですし、色々と目まぐるしく事件が起こるので退屈しません。そしてなんといっても最後が良い。このオチは使い方によっては興ざめしそうですが、ここまで読後感が爽やかだと感動的ですらあります。

No.24 9点 sophia
(2018/03/22 18:46登録)
「シャドウ」に比肩する出来。あるいは超えているかも。テツさんの正体についてはちょっと考えはありましたが、ここまで壮大な話だとは思いませんでした。各章サブタイトルの中にさり気なくネタバレを混ぜる手法がニクい。冒頭の銀行での詐欺に違和感(そのやり方でどうやって成功させられたの?という)があったのも伏線でしたか。

No.23 8点 ねここねこ男爵
(2017/11/01 23:16登録)
ほのぼのクライムノベル。
読後感も悪くないし、読みやすいし、適度にどんでん返しもあるしでオススメ。

漫画的ご都合主義的展開がありますが、本格ミステリじゃないので目くじら立てずにそれを楽しみましょう。

No.22 9点 斎藤警部
(2016/02/22 13:06登録)
こいつ、コンドームとコンゲームを掛けやがったな?
             
ありがとう最高だった。本当はこれだけで済ませたい。
と、50ページも進まないうちに予感痛感させられちゃった。言葉で追い付けないほどの感銘の渦巻きとみずみずしい水しぶきをありがとう。ジワジワ来る言葉遊び(中級篇)も気持ちがいいよ。ごく稀に現れるシャラくさいナニも許せるよ。
それにしてもチャントシ(田原俊彦)と桑田佳祐師匠は半昔程度の年の差だったんだね。世界でも二本の指に入る馬鹿で優しい「お住まいはどちらなんですか?」をお見舞いしてくれてありがとう。Ex X hideをリメンバーさせてくれる哀しいエピソードもありやがってよこのやろう。

ほんの冒頭でちょっとした叙述ジャブ、ありゃやられたね、と思うとナックアウト級の最終反転にホットライン直結しそうな大伏線に見えて見えて仕方の無い魅惑のワーヅが超序盤からちらほらキラキラ、こらたまらんワ、絶対面白い、こいつ最高だ、ってか何なんだこの、長丁場になりそうな明らさまな伏線独白の複利雪だるま堆積はよ、おいおい伏線の伏線かと目を円くしちゃう複伏線もどき(??)まで出てきたじゃねえか、んで~そうして、あン? 数多の伏線たちは何かあるごとに瞠目の機敏さで次々と回収されて行くわけですね。サイムセイリヤってカタカナでカカレタらサイゼリヤとマチガエルヒキガエルじゃねえか馬鹿野郎。指のやつ 試しちゃったよ ダチの結婚披露宴のアレ以来だったよ 考えちゃったよ。。
あゝ 清張に読ませたかったなあ。もし眼が老衰してたら俺が朗読してやる、畜生。

読書として騙されるとしたら、反転にやられるとしたら、何処にその芽が、立脚点があると睨めばいいのか分からないまま物語の刺激的濁流に翻弄されっぱなし、だから最後にあそこまでヤラレたに違いない。いやあぁァあ泣けた、怒った、、 笑みがこぼれてなおさら泣けた。


【ここよりネタバレ】
詐欺師と劇団員(さらに言えば詐欺成功に伴った潤沢な財源)って設定でもって、あり得なさを全クリアしてまう(島荘某作の「○○が好きだから」を思い出す)心温かいズルさには負けた。作者の文書力構成力あってこそ成り立つどんでん返しなんだろう。更にもう一回転喰らわせて(実は武沢が。。。 とか)頭の中を嫌ァ~な真っ白にまではさせない引き際も立派。
数ある伏線の中で、アラレちゃんの件だけは流石に瞬殺で違和感炸裂だったけどサ、どういうわけだかうやむやに納得させられちまってた。筆力だよねえ。
強いてナニをあげつらえば、デブ青年が更に大きな秘密を抱えてたわけじゃなかったのか。。ってとこくらいさ。
【ネタバレここまで】


本当は本当、嘘は嘘ってことだよな 下品なブランド、明るい連城め。
しかし本当にまいったなあ、いやァね、そんくらい巨大なナニで〆るんだろうなってのは感じてたってか、事実上知ってたけどさ、そうなんだけどさ。やばいよベイビイ、父が亡くなる前に読んで欲しいよ。もし眼がダメになってたら俺が朗読してやるから。

ところで本作、なんだか妙に「あまちゃん」に似たストーリー起伏フレイヴァーを感じるなあと思って読んでたら、能年玲奈つながりだったとはな(映画の方ですが)。もしかして、本作でのパフォーマンスが「あまちゃん」抜擢へと繋がっていたのかしら。クドカン的にミステリーってのはどうなのかしら。
しかし本サイトでは10点未出、9点がやっと4人目でしたか。甘ェなあ俺も。

No.21 5点 パメル
(2016/02/10 14:16登録)
小さな謎と伏線を提示し徐々に違和感を感じさせ
予想を裏切る形で謎を解決
そして次の謎へと謎と解決を繰り返しつつ
大どんでん返しも用意されている
ただご都合主義的な箇所もあるしある人の過去のエピソードが
●●のための●●●というのはどうも納得できない
文体も好みから外れている

No.20 5点 風桜青紫
(2015/12/29 01:02登録)
道尾秀介の最高傑作と呼ばれる作品がこの系統のオチだったのが残念。詐欺師たちの生活が楽しめたのは確かなんだが、その部分に思い入れがあったぶん、結末は驚きよりも拍子抜けが先行してしまった。コンドームを買うだの、男を連れ込むだのの、ミスリード(?)の露骨さも鼻につく。人物の印象を変えるためにトリックを使うのは、さすが道尾秀介といったところだが、骨組みがあまりにご都合主義だと萎えてしまう。まあ、このオチを受け入れられるか否かで印象は変わるでしょう。エンタメ小説としては○。

No.19 8点 itokin
(2015/05/26 19:57登録)
道尾氏の作品は初めて。最近よく売れてる人気作家なので興味深く読んだ。話は面白いがご都合主義が目立つ漫画ポイ展開だなと思いつつ読んだが二転三転する終盤に納得した。ここまで読者をだませるのは大したものです。

No.18 6点 メルカトル
(2014/07/27 21:40登録)
我が人生最大の激動の前後に読んだという事実だけは、生涯忘れないかもしれない作品となった。
他の多くの方が絶賛されているほど、面白いとは思えなかった。特に種明かしの部分を、半分上の空で読んだが、それを差し引いてもさして楽しめなかったのは間違いない。だからと言って、その理由をくどくどと並べ立てるような心境にはなれないので、簡単ではあるが終わりたいと思う。
多分、本当に立ち直るのは、少なくとも一カ月先かもっと時間が掛かるだろう。それまでは、読書のペースもかなり落ちるはずだし、書評もあまり長々とは書けないだろう。

No.17 8点 ナノ
(2013/05/29 00:16登録)
見事な作品でした。
普段なら一冊読み終わるとすぐに次の本に移行する自分ですが、この本は久々に余韻が欲しいと思いました。
深い人間模様をここまで分かりやすく流れるような構成で書かれると、引き込まれざるを得ません。

No.16 7点 isurrender
(2013/02/11 02:45登録)
ミステリとしてはそこまでレベルの高い作品ではない。
コンゲーム物ということで古今東西に名作が多くあるため、それらと比較してしまうとやや落ちてしまう。
とはいえ、道尾はこのくらいのミステリ度合いの作品が一番おもしろい。

No.15 8点 mohicant
(2012/09/17 21:55登録)
 最後に暖かい気持ちになれる。ミステリーっていうよりエンターテイメントって感じ。今作でも作者のプロットのうまさが光っている。

No.14 7点 いいちこ
(2012/04/29 22:38登録)
圭角の取れた平易な語り口でご都合主義が目に付く展開。
作者らしからぬエンタテイメントに徹したコン・ゲーム小説と思わせておいて、それさえも伏線にする2度のどんでん返しが待っている。
ありがちなメイントリックだが、考え抜かれたプロット。
加えて作中に再三描かれる見事なメタファーをはじめ、技巧的すぎるストーリーテリングが光る。
あまりにも鮮やかすぎてややあざとさを感じないでもないが、完成度は極めて高く8点に近い7点

No.13 8点 蟷螂の斧
(2012/03/07 08:34登録)
映画化とのことで拝読。コン・ゲームらしいので、ミステリーとしてあまり期待していませんでしたが、予想をかなり上回る面白い作品でした。著者の作品はあまり肌が合いそうではなかったのですが、本作品は大収穫となりました。どんでん返し大好きなので(笑)。

No.12 9点 E-BANKER
(2011/08/27 19:47登録)
作者の最高傑作との呼び声も高い作品。
本の帯コメント(道尾秀介の真骨頂がここに!)どおりでしょう。
~人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年2人組。ある日、彼らの生活に1人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を賭け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして、感動の結末~

ただ一言、「面白かった!」
久々にこんな痛快かつすっきりとした騙され感を味わわせていただきました。
そうですかぁ、伏線はきっちり張られてたんですよね。
それでいて、見事なまでの逆転劇!
巻末解説では、「騙し」ではなく「マジック」だと評してましたが、まさにこの言葉(マジック)が言いえて妙。
たった一言で世界が反転する「痛快」は、やはり作者の非凡さを表しているのでしょう。

キャラも1人1人効いてます。
ラストはすべての伏線を回収したうえで、何だか「じーん」とするような感動までプラス。
とにかく、作者のファンならずとも手に取って読んで欲しい佳作です。
(貫太郎もいいが、やっぱりテツさん・・・ヤラレたなぁ・・・)

No.11 8点 haruka
(2011/07/30 21:31登録)
これまでの道尾作品は、トリックは凄いけど物語が暗すぎる印象があったのだが、本作は(決して明るい話ではないが)ユーモアたっぷりに描かれていて、最後まで楽しめた。ラストのどんでん返しも必然性があって良い。

No.10 7点 yoneppi
(2011/07/28 18:48登録)
期待していた驚きとは違ったけれど楽しい作品。
読後の気持ちよさにプラス1点。

No.9 7点 HORNET
(2011/01/10 16:07登録)
 詐欺師の化かしあい,裏のかきあいで,最後にはどんでん返しをさらにどんでん返し。登場人物のキャラクターにも好感がもて,読後感もよい話でした。

No.8 7点 まさむね
(2010/08/05 22:48登録)
この作品がミステリなのかどうかといった疑問はとりあえず右に置いて,楽しい読書の時間をありがとうと言いたい。
読中感・読後感とも,相当に良い。作者の「主張」も嫌味が一切なく,良い。ご都合主義的側面も,まあ,このストーリーであれば,目くじらを立てる気にはならなかった。純粋な「読書」としての評価は,個人的には「ラットマン」より上。

<以下,未読の方は注意!>
でも,道尾作品を多少なりとも知る者にとっては,どうしても「このまま終わるわけがない」という(ある意味非常に悲しい)視点で読み進めてしまう。結果として,詳細は分からないまでも,キーパーソンが誰であるのか,そしてキーパーソンと他の登場人物との真の関係が何となく予想できてしまう。無論,「何となくの予想」以上の仕掛けがあったので,それはそれで楽しめたが…

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