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ミステリの祭典

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人形はなぜ殺される
神津恭介シリーズ

作家 高木彬光
出版日1955年01月
平均点7.96点
書評数70人

No.50 9点 ボナンザ
(2014/04/08 00:43登録)
これも今更語るまでもあるまい。タイトルの印象もあるが、どこをとっても本格で、心躍る。

No.49 8点 ミステリ初心者
(2014/03/01 10:29登録)
ネタバレがあります

 
 これがはじめての高木作品、探偵神津作品です。

 ミスリード・ヒント・暗示の嵐。メイントリックが抜群で、大満足でした。特に、詩人による詩的なヒントの「首をどこかに飾ったら?」は、犯人がわかった状態で読むと衝撃。
 古い?作品にもかかわらず、かなり読みやすかったです。

 以下不満点。
 ・協力者が多い。やっぱりいないほうが好み(ヒントはあるものの)。
 ・第二幕最初に、筆者から登場人物紹介がありますが、ミスリード過剰な気がします、いらない。これがやりたいために、最初に登場人物紹介をつけられなかったのかな?
 ・第二幕・第六場の"犯人はここにいる"という題名はきわどいと思うんですがどうでしょう? 綾辻さんのある作品を思い出した。良い点にもなりえますが。
 ・神津は、自分で消去法で犯人をはずしたくせに、アホな推理をした挙句、アリバイを大して調べない。初めての神津だったため、自分にとって神津=アホというイメージが付いてしまった。払拭するために、他の作品を読みます。

追記 払拭できました

No.48 3点 ムラ
(2013/04/29 07:44登録)
古き良き時代のミステリー。
トリックとしてはほんとに良く出来ているのだが、セオリーすぎて、ある程度ミステリ読んでいると読めちゃうのが難点。
いまだと、昔の背景を楽しむのに重点を置くかも。
頭脳明晰な名探偵が苦戦しすぎて、中弛みしてしまったのでこの点数で。
(あの天才が苦悩してる!?って煽りが多すぎてちとくどかった)
短編もそうだけど、神津さんよりも周りの人間のが頭良く思えてしまう。

(ここからネタバレあり)
昔だからこれも仕方ないけど、首なしトリックと電車のトリックが定番すぎるとやはり鼻白んでしまう。
一番怪しくない奴が一番怪しいという、魔術というかミステリの定番も踏んでくれているのでさらにわかりやすい。
(ここからは追記)
自分の読んだのは新装版だったので一緒に収録されている【罪なき罪びと】と【蛇の輪】もついでにレビューしてみます。
罪なき罪びと:これまたセオリーな感じだが、いい感じに怪奇小説になっている。
蛇の輪:人形はなぜころされるもそうだけど、これもタイトルが上手く絡んでいるお話。短い上にまとまっているのでこれが一番面白かったかも

No.47 8点 itokin
(2012/02/06 16:37登録)
長年探し求めていた本でようやく入手できたので胸を躍らせて読み終えた。確かに本格の名作と評価するが謎解きだけで心に迫るものがないので満足感がいまひとつ感じられなかった。

No.46 9点 いいちこ
(2011/12/24 16:42登録)
まずトリックが意外性に富んでおり、一見奇をてらったように見せながら極めてロジカルに解決できるところが素晴らしい。
特にメイントリックの衝撃度には脱帽。
犯行が雑すぎる第三の殺人をはじめ、ディテールには不満が残るものの必読の作品。

No.45 5点 haruka
(2011/12/05 22:03登録)
鮎川哲也作品と同様、純粋に推理小説として優れた作品だと思うが、犯人候補が少ないうえに、伏線が露骨なため、結末の意外性は低かった。

No.44 8点 蟷螂の斧
(2011/11/03 12:43登録)
最初の首無死体のトリックはすぐ判ったが、タイトルである人形はなぜ殺されるのかが、ずっと判らず最後まで楽しく読めた。だだ、神津恭介のうろたえブリが気になって反って邪魔な感じがした。学生時代「刺青・・」「白昼・・」は読んでいたが、本作品は知らず、本サイトに感謝します。

No.43 9点 HORNET
(2011/09/18 21:56登録)
 このサイトで非常に評価が高いので中古で購入して読んだ。期待にたがわず、人形が殺されるという舞台設定、首なしや轢断死といった事件の陰惨さ、これぞ本格という雰囲気が存分に楽しめた。
 「推理を楽しむ」タイプのミステリ愛好家の大好物、「読者への挑戦状」もあり、そういう点でも楽しめたが、その挑戦状が親切すぎたのか、タイトルが親切すぎたのか、「好きな割には推理音痴」の私がほとんど真相を看破できた。そういう意味で、読者の思惑をはるかに凌駕する「参りました!」という爽快感ではなく、「神津恭一郎の推理に肉薄できた」という自分への満足感で読後感もよかった。
 それもすべて、精緻なプロットと、後出しなどのないフェアな作品展開によるものだと感じる。氏の他の作品も、是非読みたいと思えた。

No.42 8点 好兵衛
(2011/04/23 21:19登録)
これぞ本格といった作品。面白かったです。

なかなかミステリを読んでいくと純粋な本格はみつからない
ですね。
その中でもプロット+時代のおどろおどろしい雰囲気+奇術
が楽しめる作品だと思います。

高木氏は綺麗で怪しい雰囲気の引きが上手いですね。

ですが、犯人とトリックの難易度が少し低いところが
少し残念。ギリギリわかってしまう程度だと思いますが。

でもそれを込みでも、幅広く楽しめる本格だと思います。

No.41 8点 あびびび
(2011/03/07 16:55登録)
高校のころ?刺青殺人事件や、白昼の死角(内容はまったく忘れた)を読んだ記憶ありで、この本は知らなかった。

あまりに評判がいいので、図書館でボロボロになった本を借りてきて読むと、なるほど当時の雰囲気というか、高木彬光の世界がいきなり拡がってきた。

しかしどういうわけか、動機はまだ分からなかったが、第二章で犯人とトリックはすぐに頭に浮かんだ。興味深く読んだが、これほど探偵がボロボロになるのは珍しい。

ほとんど他の人のヒントでやっと解明?名探偵・神津恭介もこの事件に関してはとても頭脳明晰と言えないのでは…。

No.40 7点 misty2
(2011/01/22 21:06登録)
評判通り、楽しく拝読。
文も読み易く、あっという間に完読。
活字が大きいのも小生には有難かった。
今、付属になっている2話を楽しんでいるところ。
中盤から犯行者の目星がついてしまい、感動が無かったが、とにかく満足。

No.39 10点 まさむね
(2010/12/26 10:53登録)
これはすごい。なぜ今の今まで読んでなかったんだろう。
読む動機付けを与えてくれたこのサイトに感謝いたします。

純粋に犯人当てやトリック証しを堪能できました。
タイトルを含め,材料の見せ方が抜群です。
今だったら,もっとヒントを絞って,「驚き」に力点を置く作家もいそうですが,それをやらずに純粋に楽しませてくれます。
いつもは漫然なる読書を続けている自分ですら,この作品は相当念入りに読み進めざるを得ませんでした。
個人的にはめったにないことだけど,トリックや犯人の予想がピタリ賞。ちょっと嬉しい。(その後の類似プロット作品を読んでるからだろうケド…)

でも,第2幕のメイントリック。年代によっては「えっ?」だろうなぁ…。今は物理的に無理だろうしなぁ。
アラフォー世代がギリギリでしょうかねぇ。(私の生まれ育った地方では,小学校くらいまでは,一部のヤツが「それ」だったんですよねぇ。)

ちなみに,近年は年度内ミステリランキングが花盛りですが(ちなみに個人的には大好き),うち何作品が,この作品のように,半世紀を超えて読み継がれる作品となるのだろう。
そう考えても,この作品は素晴らしい!

No.38 9点 メルカトル
(2010/08/27 23:41登録)
『刺青殺人事件』と並び称される高木彬光氏の代表作のひとつ。
「人形はなぜ殺される?」の命題のもと、披露される数々の殺人は芸術作品といっても過言ではない。
天才神津恭介が苦戦し過ぎのきらいはあるものの、事件が解明されると納得が驚愕に変わる。
特にアリバイトリックは前代未聞。

No.37 7点 kanamori
(2010/07/31 14:04登録)
「東西ミステリーベスト100」国内編の32位は高木彬光3作目のランクイン。
犯人当ての本格編にしては、タイトルがヒントになったこともあり、真相は早めに分かってしまいましたが、それでも作者が色々と駆使しているミスディレクションの技巧が楽しめて面白かった。
神津恭介シリーズの中では読みやすい最良の作品だと思います。

No.36 4点 seiryuu
(2010/07/16 18:17登録)
ここで高評価だったので読んだけど、あまり面白くなかった。
なぜ入れ替わりがばれなかったのかとか
首に気づかなかったの?とか違和感が残りました。

No.35 10点 STAR
(2010/02/18 15:21登録)
新装版が出ていたので読みました。新装版だとやはり読みやすいので、この名作を新装版にしてくれて、ありがたいです。

これは30年も前の作品とは思えない!細かい部分全てがつながり、合理的。
「人形はなぜ殺される」という題名がいいですね。まさにその通りの内容。

No.34 9点 星屑の仔
(2010/02/14 13:09登録)
このサイトで最高評価を受けていたとあって、「どれ、ならば読んでみよう」と言うことで読んでみました。

舞台は、とある魔術サークルの団員内で起こる、不可思議な事件。
ショーの舞台裏で起こった、いたずら。
そこから派生する連続殺人。
閑静な住宅街の一角で、女性の首なし死体殺人、
静岡の別荘付近の線路での轢死殺人、
そして黒魔術中の詩人の謎の殺人、
そしてそれらには全て、事前のマネキンの死が付きまとっていた。

誰が犯人なのか?
どうやってこんな連続殺人を犯すことができたのか?
その理由は?
そしてどうしてマネキンは、人形は殺されなくてはいけなかったのか?

それがラストで一瞬で繋がる瞬間は、爽快の一言でした。
やはり名作と言う肩書に偽りなし、文句なしの作品でした。
いや~~。てんこ盛り。

ただ一言言わせてもらえれば、途中で答えがうっすらとではありますが、頭に浮かんでしまったことです。
ラストに近づくに従って、自分の中ではある程度仮説ができあがっていました。
「この答えでなくてくれ」と思っていたら、ニアピンでした。
このサイトで高評価を受けていた、と言うことが頭にあったためでしょうね、皮肉なことです。
ただ、全てを思い浮かべることができたわけではないので、いやむしろそれ以外の部分での衝撃が多く、殆どがっかりと言うことはありません。

こんな昔に、こんな作品を書き上げることができるとは、いやはや恐れ入りました。


そうそう。
この作品シリーズに登場する神津恭介って、日本の三大名探偵のうちの一人だったんですね。
容姿端麗・頭脳明晰・医学部助教授であり女性に対してやや疎い、とまぁ非の打ちどころのない名探偵ですよ。
たぶん、今のミステリ小説でこんな探偵を書き出したら、たちまち読者から「アンリアルだ!」って叩かれるんでしょうね。
そういう意味でも、これからは三大名探偵を超える探偵は出てこないんでしょうね。

今回の神津さんは苦戦している様子がありありと書かれていました。
「あの神津が失敗するなんて・・・」なんて台詞がありましたね。
できれば過去の作品を読んで、神津さんの凄さを味わってからこの作品を読むと、さらに神津の偉大さと、今回の犯人のレベルの高さを味わうことができたんでしょうね。

No.33 5点
(2010/01/22 11:35登録)
このサイトで高評価なので、期待しすぎたかも。
私には、あまり合わなかったです。

No.32 6点 文生
(2010/01/21 13:28登録)
トリックは独創的でいいのですが、この作者の本格ミステリーは言い回しが大げさでどうも鼻につく。

No.31 7点 makomako
(2009/12/23 19:27登録)
30年以上前に読んだ小説だが、新装版が出ていたので懐かしく購入再読した。大分昔に読んだため犯人もトリックも大半は忘れてしまって新鮮な気持ちで読んでいたが、佳境に入ったところは覚えていてはじめて読んだ衝撃はやや少なかった。密室物のほうが時間トリックより好きなので刺青や能面のほうが好きではあるが、こちらのほうがさらによく出来た小説であることは間違いなく十分に楽しめた。

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