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[ 本格/新本格 ]
首無の如き祟るもの
刀城言耶シリーズ
三津田信三 出版月: 2007年04月 平均: 8.45点 書評数: 84件

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原書房
2007年04月

講談社
2010年05月

No.24 8点 あびびび 2010/09/09 01:54
題名どおり、やたら首が切られるので、結末はどうするのか?
と思ったが、うーんなるほど。

昭和初期ならいざ知らず、今の時代でこの世界を作るのは
並大抵ではないと思う。結末はページをめくる早さが倍に
なった。

No.23 6点 rintaro 2010/08/23 19:05
 オーソドックスな本格探偵小説。というのが、まずうかんだ読後の印象です。自分はもっと本格的なホラーを期待していたのですが、そのホラー的な部分もほとんどトリックの下地としてしか機能しておらず、ホラーとミステリの融合とうたっている割には少々ホラー要素が薄いかと思いました。
しかし、謎解き部分はさすがによくできていて、たった一つの事実から芋づる式に戦中戦後二つの事件が解き明かされる構成は見事です。
メインの首切りについて、解説で柄刀氏が「新たな公式」を生み出したと言及していますが、自分には基本的には既存の複数のトリックを効果的に複合しただけのようにしか思えませんでした。首切りの扱いについては笠井潔の「バイバイ・エンジェル」のほうが斬新さを感じました。
あと刀城言耶シリーズは今作以外読んでいないのですが、このキャラクター、容姿を除けば、性格とか言葉遣いとかが金田一耕助によく似てますよね。(多少ネタばれになりますが、今作で刀城はほとんど一章ぐらいしか登場してませんけど・・)

No.22 10点 ポセイドン 2010/07/30 23:57
う~ん、凄い。

これ、うまく翻訳して欧米のミステリファンにも読んでもらえば世界的な傑作になるのではないか。

No.21 8点 E-BANKER 2010/07/01 22:10
刀城言耶シリーズ。
力作ですね。
1頁目からラストまで、作者の”仕掛け”が施されており、作家としてのレベルの高さを十二分に窺わせます。
「首切り」の理由が作品中を貫くメインテーマとなりますが、媛首山での男女首無殺人の「からくり」は見事というほかありません。(久しぶりに読んでてゾクッとしました)
この「からくり」を成立させるための「秘守家の秘密」であり、中途での蘭子や毬子の登場である訳ですよね・・・よく練られていると思います。
ただ、刀城言耶いうところの「(隠された)たった一つの事実」は微妙ですねぇ・・・確かにこれを成立させるための最低条件としての”時代設定”であり”隔絶された土地の隔絶された一家”なんでしょうし、伏線が張ってあるじゃないかといわれればその通りなのですが、結構乱暴な設定かなぁという思いもしました。
その点だけを割引ましたが、本格推理小説を堪能できる作品なのは間違いないでしょう。

No.20 9点 まさむね 2010/06/03 22:02
(一部ネタバレ注意)
皆様の評判のよさに刺激され,図書館で借りました。
ホラー的要素が効果的に働いていることは間違いないですが,その根幹となるトリック構成にはとても感動しました。
古典的ともいえる「顔のない死体」&「人物入替」を重層的に,拘りぬいて使ってますよね。一本の結び目を紐解くと,あれよあれよと解明していく様も見事。伏線も見事。(叙述的ミスリードも,ある意味見事。)
結末のどんでん返し連発(返して一部戻してと言った方がより正確?)も,息つく暇なく良かったですね。
最後に「1ページ目」を読み返さざるを得なくなったのも,私好み。
これは高評価にならざるを得ません。
※漢字の多さに馴染めなかったこと(それはそれで雰囲気醸成に重要なのだろうが)+前半,状況把握&伏線認識のみに特化せざるを得なかったことが「10点」をためらった理由

No.19 9点 2010/05/22 20:12
本サイトで知った作品でした。
読みやすいし、最期のどんでん返しの連続は秀逸です。

No.18 9点 白い風 2010/04/19 19:30
初めての三津田作品でした。
冒頭の「編者の記」や「はじめに」では叙述トリックにニオイがプンプンしましたね(笑)
首無し死体の王道作品だと思う。
ラストの謎解きも二転三転していて面白かったね。
大満足な作品でした。

No.17 7点 こう 2010/03/08 01:06
 このサイトで評判が良かったので手に取った作品でした。首無しトリックはひねりがなく面白くない作品も多々ある中で独創的に処理してありとても面白かったです。
 ただ読了後、トリックに必要なため特定の人物が登場しているような印象を受けてしまいます(真相のためのいくつかの伏線には大事なのでしょうが)。
 こういうトリック、真相を読ませてくれれば大満足といえる作品でした。

No.16 8点 minii 2009/12/23 01:46
初めて読んだ作家さんだったが、トリック、構成、その華麗な謎解きに驚きすぐに再読した。

あんなに伏線が張られていたのにと、唸ってしまった。

確かに、スピード感はあまりなく、登場人物の人間関係が複雑な為、そしてさらにトリックも複雑な為に読みにくさは感じたが、個人的に映像化できないミステリーが好きな私としてはとても楽しい時間だった。

No.15 8点 測量ボ-イ 2009/12/21 20:50
このサイトで評判が良いので読んでみました。
確かに期待を裏切らず、おおいに楽しめました。21世紀に
現れた名作だと思います。
一見ホラ-色が強いですが解決は合理的で、しっかりとし
た本格仕立ての作品です。
採点は本来なら9点評価できるのですが、事件現場の地図
や見取図が一切なく、状況が分かり辛い構成なので、マイ
ナス1点としました。

それといらぬツッコミですが、使用人の斧高君、とても当
時6才とは思えない証言力ですね・・

No.14 10点 とろろ 2009/11/06 23:18
これは凄い。
占星術殺人事件に匹敵するのではないか。

No.13 9点 江守森江 2009/09/25 03:46
「首切り死体物」の金字塔としてミステリ史に燦然と輝く傑作だろう。
シリーズ前二作も佳作と云えるが、この作品を'より楽しむ'為に存在していると思えてしまう。
前半部は、前二作同様に地図が添付されず不親切設計で、状況を把握しながら伏線を拾う読書でナカナカ読み進まない。
しかし、今作は状況把握がし易く中盤からテンポアップする。
解決編前に列記された謎が"一つの鍵"から綺麗に氷解し、伏線を回収しつつ紐解かれる過程は素晴らく満点(8点)を献上する。
※ここからネタバレ注意!!
"入れ替わり"に拘り抜き、残り少ないページ数で何度も捻るシリーズのお約束も健在。
ボカシテいるが、シリーズ探偵・刀城言耶を途中少し登場しただけの捨て駒にした結末(解決編)にニヤリとした。
(今回の解決編の推理は刀城言耶らしからぬ'鮮やかさ'だったので上記の解釈で良いと思う)
シリーズ順に読み進めた自己満足で+1点!

No.12 9点 結奈 2009/05/19 16:20
唸らせて頂きました。
解決編の、息もつかせぬ展開、とはまさにこの事。
お見事です。

No.11 9点 だい様 2009/03/05 09:50
再読しました。

刀城言耶シリーズ第3弾

謎のほぼすべてがたった一つの事実によってきれいに解き明かされてしまうという解決はまさにお見事。
また全く予想外であった叙述トリックにも驚きました。

No.10 10点 ロビン 2009/02/10 14:29
初の三津田作品。いやぁ、まいった!すごい!
読みにくい文体や漢字の連続(それは自分に学がないからですけど)から、読み始めた当初は挫折感も漂っていたのに、まさかこんな「現代的」本格の傑作に出会えるとは。
核となる「たった一つのある事実」、確かにそれが判明した途端、一気に思い描いていた物語世界が崩れていった。前半の事件を前振りにしての、後半の首切り事件の構図は凄まじい!よくこんなに複雑な画を思いついたものだ。
正直、ラストのどんでん返しの連続で、自分の中では評価が10~8点の間を行き交っていたが、ようやく最後に落ち着いたアレが真相ならば10点です。(しかし、どうやらホラー的結末のほうが強いらしく、それならば減点かなぁ……。いや、やっぱり勝負となる「本格」部分のみを考えて10点で!)

学生アリスファンの自分ですが、本格ミステリ大賞は「女王国の城」よりも本書のほうが相応しいのでは……?

No.9 10点 touko 2009/01/12 14:46
ホラー+ミステリーがうまく融合しています。
超常現象的と思われた謎の数々があるトリックひとつで、ドミノ倒しのように合理的な解明に導かれるところや、謎解き部分のどんでん返しの連続が快感でした。

設定等はいつものようにドロドロのホラー風味で、人間関係や愛憎も複雑なわりに、メイントリックはありがちなものかもしれませんが、そのトリックを使う必然性や動機に説得力があり、この作家の他作品に比べると、強引さを感じず、無理なくスムーズに納得できました。
ロジック以上にレトリックのバランスが素晴らしかったのが勝因かと。

No.8 9点 CATS 2008/05/13 11:50
本格+ホラーいいね

No.7 2点 ゆき 2008/05/13 00:44
私には文体があいませんでした。

No.6 9点 クロノス 2008/02/22 18:32
横溝正史のような暗くおどろおどろしい書き方が良かった。

No.5 8点 シーマスター 2008/02/19 23:36
基本的に旧家だとか祟りだとかは苦手だし、神社の~堂や~塔などの構造もうまくイメージできなくて結構キツイものもあったが、文章そのものは読み易いこともあり、何とか完読・・・・・・した価値は十二分にあった。

メイントリックは決して斬新なものではないが、「それ」の暴露によって、数多くの不可思議な謎が一気にクリアされる構図は見事というほかない。
特に「婚舎の集い」での連続殺人における「who? why? how?」に対する「それ」の効用は奇跡的ですらある。
また最後の方で炸裂するドンデン連射も実に楽しい。

ただ、冷静な視点に立てば、いずれのトリックも推理もチョット厳しいなぁというトコロが少なからず引っかかるのは如何ともし難い。
・・・が、それらに目をつぶっても「組み立て方、見せ方」において「勝ち作品」と言えると思う。


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