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[ 法廷・リーガル ] エディ・フランクスの選択 |
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ブライアン・フリーマントル | 出版月: 1990年03月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
画像がありません。 角川書店 1990年03月 |
角川書店 1990年03月 |
No.1 | 7点 | Tetchy | 2014/12/29 01:00 |
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競争心。それはお互いのプライドと克己心を育て、向上心を伸ばす。しかしそれが行き過ぎると斯くも歪んだ大人になってしまうのかをこの作品は思い知らせてくれる。
イタリア系移民の家族に育てられたユダヤ人エディ・フランクスとその家族の長男ニッキー・スカーゴウ、この2人のある原初体験が物語の軸となっている。 ナチスの、執拗なユダヤ人狩りからの逃亡生活の末、アメリカに流れ着いたアイザック・フランコヴィッチの息子エドマンド・フランコヴィッチはエディ・フランクスと名を変え、エンリコ・スカーゴウに引き取られて、彼の実息のニッキーと常に競わされ、比較されながら育てられた。そのため彼にはニッキーに対して拭いきれない劣等感を抱えており、いつか彼を見返してやるというのが彼の成功の原動力となった。 これはイタリア系民族の、父親が絶大なる権威を誇る典型的な家系ゆえの慣習なのだろうが、この原初体験が逆にエディとニッキーの生活を脅かす結果になる。 マフィアによって会社を犯罪に利用された男が報復を恐れて裁きの舞台に立つことを制止する家長らの反対を押し切って戦いを挑む物語。 通常であれば苦難を乗り越えた主人公がどうにか勝ちをもぎ取り、悪に鉄槌が下るのが定石だが、やはりフリーマントルは一筋縄ではいかなかった。 母国イギリスでは“スパイ小説界のルース・レンデル”と呼ばれていないのだろうか。しかしため息が出る結末だ、本当に。 |