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[ クライム/倒叙 ] 暗殺者オファレルの原則 |
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ブライアン・フリーマントル | 出版月: 1993年05月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
新潮社 1993年05月 |
No.1 | 5点 | Tetchy | 2009/04/28 22:47 |
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当初題名から連想していたのは映画『レオン』のレオンの如く、日々の日課を欠かさず、1つのフォーミュラのように固持して生活する内省的な暗殺者を思い浮かべていたが、さにあらず、家族みんなに頼りにされる模範的な父親・夫という人物だったのが意外だった。
このオファレルという暖かな家庭を持ち、規律正しい生活を信条とし、なおかつ潔癖とまで云える正義感を備えた暗殺者というこの設定がこの作品に厚みを持たせている。通常の小説で語られる精密機械のような感情の持たない暗殺者、人殺しに無上の喜びを感じる歪んだ性格の持ち主ではなく、このような生真面目な人物を設定したところにフリーマントルのアイデアの冴えを感じる。 が、最後の締めくくり方は非常に気分が悪い。 読後、しばらく声がでなかった。 最近読んだ本の中では、最も後味の悪い結末だ。 何を語りたくてあのような結末にしたのか、全く以ってフリーマントルの意図が理解できない。この作品を著した当時、家族間に何か問題があったのか、そう勘ぐってしまうほどの結末だ。 もう少し救いがあっても良かったのではないか、フリーマントルよ! |