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[ 短編集(分類不能) ]
家日和
平成の家族小説シリーズ
奥田英朗 出版月: 2007年04月 平均: 7.08点 書評数: 13件

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集英社
2007年04月

集英社
2010年05月

No.13 9点 タピオカ 2023/09/01 20:12
この作家が描く人物造形が面白い。家庭を持つ中年の大人たちが、ひょんなことから新しい趣味を見つけ没頭する姿が、どこか親近感を感じて面白い。皆、今まで溜まっていたフラストレーションを発散するかのように新しい趣味にのめり込む。

No.12 6点 take5 2023/08/24 05:54
ミステリーでも
ミステリーではなくとも
一番身近な家族を題材としたものが
読んでいて安心して面白い
しかもそこにユーモアがあれば尚更、
というのが私の定説です。
私見です。

No.11 7点 HORNET 2021/02/14 17:33
 「家族」シリーズの初作。私は他作品を先に読み、さかのぼって本作を読んだ。普通の家庭に起きるエピソードをユーモラスに描き上げる筆致は相変わらず面白く、シリーズ化してくれてありがとう!と思った。
 作家の家族の話は、シリーズを通して描かれているんだね。このあと「我が家の問題」でマラソンに挑戦し、「我が家のヒミツ」で市会議員に立候補するという展開を知っているので「はじめはこうだったのかぁ」と思いながら楽しんだ。
 シリーズ3冊は結構 間を空けながら出されているので、次も出してほしいなぁ、と期待する。

No.10 6点 まさむね 2019/04/07 18:26
 とっても読みやすい短編集。登場人物達とは当然に立場が違うのだけれども、何か分かるような気がしますし、最終的には「ほっこりとした」気分にさせてくれます。
 続編的位置づけの「我が家の問題」の方が、タイトルどおりトラブル感が強めで、その分、ほっこり感も強めに出て好きでしたが、この短編集もイイ。ミステリーとは言い難いのでこの採点にしますが、安定的に楽しませていただきましたよ。

No.9 6点 いいちこ 2017/10/27 21:32
日常的なテーマ・登場人物を題材に、リアリティのあるエピソードを、少し皮肉っぽく軽妙なタッチで描いている。
それぞれのエゴが見え隠れしつつも、至って善良な登場人物たちの活き活きとした姿が、読後感の爽やかさにつながっている。
「イン・ザ・プール」「マドンナ」ほどのインパクト・パンチに欠ける分、両作には及ばないが、読者の期待を裏切らない作品と言える

No.8 9点 ねここねこ男爵 2017/10/13 21:21
この人がすごいのは、性別年齢層関係なく人間を書けることでしょう。
他作品の作者の言葉で「ふとした瞬間に表れる人間の小さな真実を書きたくて、ストーリーの皮をかぶっているのだ」というのがありましたが、まさにその通りの短編集です。気楽に読めて笑えて共感できてで文句なしにおすすめ。

ミステリの評価も高い作者ですが、この人はやはりコメディとエッセイでその真価を発揮する人だと思います。

No.7 5点 パメル 2016/01/13 19:20
ミステリ小説とミステリ小説の間に箸休めの感覚で読んだらいいと思うような
万人受けする短編集
でも自分は奥田さんには犯罪小説を今後も書いてほしいと思う

No.6 6点 メルカトル 2014/10/11 22:07
さすがに奥田氏は期待を裏切らない。いずれもごく平凡な人物の、誰にでも起こり得る少しだけ日常から逸脱したエピソードを綴った短編集。
ネット・オークションの出品に燃える主婦、会社が倒産し初めての主夫を経験することになる中年男性などを、何とも軽妙なタッチで描いている。どの短編も主人公は勿論、その伴侶や子供までが生き生きしており、いかにもありそうな家族の生身の姿を描写することに成功している。慣れてしまえばどうということもない日常を、これだけ面白おかしく書けるのは、氏をおいて他に考えられない。
心が疲れた時や、ふと会社や家庭に嫌気がさした時などには持って来いの一冊。『我が家の問題』と双璧を成す、夫婦や家族の絆をさりげないタッチで描いた佳作だと思う。

No.5 8点 2012/07/04 20:34
短編集で読みやすく、しかも面白い。久しぶりに一気読みした本です。
減点は、ミステリーじゃないからです。

No.4 8点 akkta2007 2012/02/29 14:31
日常どこにでもありそうな「家族」の話。
とても親近感があり、一気に読んでしまった。
6編からなる短編集の集まりであるが、どの作品も丁度よい長さ、内容で面白い。引き込まれること間違いなし!

No.3 7点 E-BANKER 2012/02/16 22:43
夫と妻、そして家族をテーマとした作品集。
第20回柴田錬三郎賞受賞作。

①「サニーデイ」=夫や子供から相手にされなくなった専業主婦が嵌っていくもの・・・「ネットオークション」(!)。ホントに時間を忘れるほど熱中するものらしいですねぇ。良い評価をしなかった落札者への感情なんかも笑える。ラストはいい話に。
②「ここが青山」=会社が突然倒産した夫だが、なぜか主夫業に嵌ってしまう・・・。でも、なんか分かるなぁー、幼稚園児の子供の弁当作りに夢中になるところなんか。1日に3回聞くことになった言葉が、「人間いたるところに青山あり」。『じんかんいたるところにせいざんあり』って読むこと知ってる? 
③「家へおいでよ」=妻と別居し、自分好みに自宅を改装することに嵌っていく男。いつしか、気の合う会社の同僚たちの溜まり場と化していくところなんか分かるなぁー。(自宅がAVシアターって夢だもんね) そして気付く、妻とのすれ違いの原因・・・。
④「夫とカーテン」=根っからの営業マンだが、自分の才覚をかてに起業と転職を繰り返す夫、そして夫がピンチのときになぜか絶好調になるイラストレーターの妻。これこそが絶妙な夫婦の関係っていうんだろう。でも、夫の真の能力を知らない妻って多いんじゃない?
⑤「妻と玄米御飯」=ロハスに嵌っていく妻と、その姿を楽しみながらも冷静に観察する作家の夫。これってやっぱり「奥田家」がモデルなんだろうなあ? 確かにこういう妻や優子さん夫婦なんて輩は皮肉りたくなるってもんです。

以上5編。
ホントに面白い。作者のストーリーテリングの能力はスゴイの一言。
どの作品も、日本中のあちこちに実在しそうな夫婦や家族の姿が描かれていて、読者はいつの間にか自身を重ね合わせながら読んでしまう。(かく言う私もそう)
そして、読んだ後には「ホッコリ」した気持ちにさせられる・・・何とも言えない読後感なのだ。
それもこれも、やっぱり登場人物たちが実に生き生きと描かれているからなのだろう。
ここが並みの作家とは違うところ。

コンパクトな作品集ですし、ちょっと気分が落ち込んだときなんかにはお勧めの1冊。
まぁ、ミステリーではありませんが・・・
(①~⑤まで全てが秀作。個人的に好きなのは④かな。)

No.2 6点 シーマスター 2011/04/16 21:38
アラフォー(流行語になったのは2009年でしたっけ)の男女6人(34歳が1人いたかな?)に訪れた「ちょっとした日常の変化」を描いた6つの物語。

・「サニーデイ」・・ネットオークションにはまっていく主婦。
・「ここが青山」・・家事にはまっていく新主夫。
・「家へおいでよ」・・部屋作りにはまっていく別居男。
・「グレープフルーツ・モンスター」・・夢での快楽にはまってイク主婦。
・「夫とカーテン」・・職を転々とする猪突猛進型の夫がベイエリアの新築マンション街を見込んでカーテン屋を始めるという。
・「妻と玄米御飯」・・N木賞受賞を機に生活に余裕が出てきた作家の妻が裕福な主婦グループに仲間入りし「ロハス(健康と地球のためのライフスタイル)」にのめり込んでいくが、夫はあまり面白くない。 これって御自分がモデル?奥田さん。

奥田さんの今までの短編は(「ララピポ」を除いて)「起・承・転・結・爽」が水戸黄門にかなわぬまでもパターン化されていた印象だったが、本書の収録作は、最後の2話以外は、既作と異なり何とも表現しづらい読後感を残す話だった。それが斬新さを感じさせる。

No.1 9点 itokin 2008/10/30 09:02
奥田さんの作品は、それぞれ生活感が出ていて妙に共感させられる。今回の短編集もどれをとっても秀逸だが、「麦と玄米御飯」は、奥田さんの日常がかいま見られて楽しかった。それにしても、妻の里美さんは幸せな人です。


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