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[ クライム/倒叙 ]
リバー
奥田英朗 出版月: 2022年09月 平均: 6.75点 書評数: 4件

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集英社
2022年09月

No.4 7点 猫サーカス 2025/03/08 17:47
二〇一九年五月、群馬県桐生市の渡良瀬川の河川敷で若い女性の全裸他殺死体が発見される。その捜査も進まない五日後、栃木県足利市の同河川敷でやはり若い女性の全裸他殺死体が発見される。両市では、十年前にも千野今日子事件が相次いで起きており、未解決になっていた。犯人は十年前と同一なのか、それとも模倣犯か。この渡良瀬川連続殺人事件を巡り、刑事、記者、犯罪被害者、それぞれの視点から物語が織り成される。物語の主流は両県の刑事の捜査劇。刑事個々の造形もさることながら、一敗地にまみれた地方警察のリベンジ、捜査を取り巻く周辺人物のドラマが読みどころとなっている。サイコな池田清をはじめとする新旧の容疑者たちや犠牲者家族の松岡、引退刑事の滝本、さらには中央紙の若手女性記者・千野今日子、変わり者の心理学者・篠田といった人々。とりわけ印章に残るのは、まず犯人逮捕が執念を燃やし続ける松岡だ。警察に目を付けられようが、自分の目がいかれかかっていようが、ものともしない暴走ぶり。人々の出入りの激しい北関東を舞台に、圧巻の群像劇に仕立てられている。ところが疑惑の人物からの内面は、作者の構築した精密な世界の中に、あえて残した空洞のようにつかめず、彼らの行動や仕草から想像することしかできない。人間には共有したくない感情、見せたくない顔がある。作者はそれを巧みに描かないうえで、ディテールを積み上げる。本書がベースにしているのは、一九七九年以降、断続的に発生、未解決になっている北関東連続幼女誘拐殺人事件だろう。現実の事件とは違えど、このドラマが現代社会の一端を切り取っているのは間違いない。

No.3 7点 take5 2023/08/18 12:57
この作品をなぜ選書したのか
忘れてしまいましたが、
図書館から予約の連絡が来て
読んだ次第です。
読了し、この書評の前に、
既読お二方のコメントを見て、
それぞれ納得。
ミステリーとして弱いが
物語として読みごたえあり。
人物像は立ち上がっているが
事件の整合性は疑問。
警察の様子はよく書けています。
630ページも凄いねと息子が言う割に
サクッと読めました。

No.2 7点 文生 2022/11/07 12:40
渡良瀬川で起きた10年越しの連続殺人を巡るドラマは登場人物たちのキャラも立っており、群像劇として抜群の面白さです。特に、一筋縄ではいかない3人の容疑者が印象的で物語を大いに盛り上げてくれます。ただ、真相はある意味意外ではあるものの、つじつまの合わない点が多くてそこが残念。
読み応えは満点なので8点をあげたいところですが、本格ミステリでないとはいえ、真相の説得力のなさは看過できずマイナス1点の7点です。

No.1 6点 HORNET 2022/11/06 20:46
 群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで発見された女性の死体。その手口は、10年前の未解決連続殺人事件と酷似していた。かつて容疑をかけられながらも不起訴となった男、その取り調べをした元刑事。娘を殺され、執念深く犯人捜しを続ける父親。若手新聞記者。一風変わった犯罪心理学者。新たな容疑者たち。10年分の苦悩と悔恨は、真実を暴き出せるのか──

 10年前に容疑がかけられた男、解離性同一性障害の県会議員の息子、そして10年前も町に来ていた期間工。3人の男に容疑がかけられ捜査が進められていく過程が緻密に描かれていく。その過程は読み応え十分で、600ページを超える厚みも気にはならない。
 話が進行していくにつれ、期間工の男の容疑が濃くなっていくのだが、描かれている人物像からは真犯人とは想像しがたい。うーん…どういう結末になるのか?とかなり期待を込めて読み進める。
 結果は…まぁ点数のとおりです。物語としては面白いが、ミステリとしてはそれほどでもってとこかな。


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