viviさんの登録情報 | |
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平均点:6.50点 | 書評数:327件 |
No.167 | 6点 | 悪霊島 横溝正史 |
(2008/02/11 01:01登録) 久しぶりに読み返してみましたが、 この作品は、ミステリとしては少し物足りない作品です。 横溝作品に良く出てくる、双子、複雑な血縁、鍾乳洞、孤島、と、 読者のサスペンスをそそる部分は多いですけど、 肝心の事件でいえば、トリックは大きなものではない。 この小説はプロットとシチュエーションで成り立っている、と思うのです。 その点では小説としては面白いけれど、 ミステリとしては、「獄門島」にかなわないかな~と思います。 |
No.166 | 8点 | テロリストのパラソル 藤原伊織 |
(2008/02/10 01:31登録) 物語を通して、クールに時間が進んでいくのは、 「私」の視点が、自らの状況を冷静に客観視しているからでしょう。 そして、交わされる会話。 非常に洒落てますね、ある意味、村上春樹風?(^^; その辺は、女性にも受けがいいんじゃないかと思います。 「私」によって掘り起こされる様々な事柄が、 次第に1つの結論へと向かっていく過程が面白かったです。 まあ、確かに偶然の出逢いが多すぎますけど(^^; |
No.165 | 6点 | 眠れぬ夜の殺人 岡嶋二人 |
(2008/02/10 01:23登録) ものすごい派手な設定です。 警察にこんな強引な捜査組織があるわけないけど・・・ でも、あったら面白いかも!と思える作品でした。 事件のカラクリについては、 冒頭の事件と脅迫という時点で読者にはわかりますが、 それを解明していく過程を楽しむ作品なのでしょうね。 |
No.164 | 7点 | 悪魔が来りて笛を吹く 横溝正史 |
(2008/01/31 02:08登録) ドロドロとした人間関係の極みに起こった悲劇。 密室殺人、死んだはずの人間の復活・・・ そこに帝銀事件をモデルにした事件まで絡ませて、物語は進みます。 悲しい事件の解決のとき、 犯人が『悪魔が来りて笛を吹く』を演奏するシーンは、 ぞくぞくすると共に、しんみりとしました。 |
No.163 | 7点 | 八つ墓村 横溝正史 |
(2008/01/31 01:39登録) 横溝ミステリの定番ともいえる設定。 古い言い伝えを効果的に生かし、相続問題に揺れる古い家の姿を描きます。 登場人物の1人称のスタイルを取っているせいか、 大きな波に翻弄される「私」の運命をドラマチックに感じられますね。 はっきり言うと、金田一耕助の活躍は事後解説にとどまる感じで、 その辺が不満と言えば不満なのですが、 (動機がわからない、立証できないと言ってる場合?^^;) やはり全編を覆うロマンティシズムが素敵です。 横溝作品に女性ファンが多いのも、その辺りかな~。 |
No.162 | 8点 | 女王蜂 横溝正史 |
(2008/01/31 01:14登録) 20年前、小さな島・月琴島で起こった密室での殺人。 そして現代、美しい主人公・智子にふりかかる悪夢。 非常に盛りだくさんの仕掛けが施された作品です。 横溝氏は、血みどろの人間劇を書く一方で、 非常にロマンティックな恋模様も描いた作家でしたが、 この作品では、その両方を味わうことができますね。 作中、何度もハッとさせられること請け合いです(^^) |
No.161 | 7点 | 犬神家の一族 横溝正史 |
(2008/01/30 02:27登録) これは映画にもなった作品で、1回目の石坂金田一には横溝氏も出ています。 強烈な映像シーンが印象的かと思いますが、 これは原作で読んだほうが恐ろしいという作品。 文字の力というのは、大きいなと思いますね。 これまた「よき」「こと」「きく」の見立てや、 人物入れ替わりなど、派手なアクションも多いのですが、 謎を解くきっかけのアイテムに目からウロコというロジカルな作品でもあります。 |
No.160 | 6点 | 悪魔の手毬唄 横溝正史 |
(2008/01/30 02:00登録) 童謡への見立て殺人ですが、日本風になると恐ろしいですね(^^; しかも、肝心の歌詞の続きがなかなかわからないもどかしさ・・・ 金田一耕助シリーズは、人が死にすぎだとよく言われますが、 彼もベストは尽くしてるんだけどな~・・・と この作品を読むと思ってしまいます。 |
No.159 | 8点 | 虚無への供物 中井英夫 |
(2008/01/30 01:56登録) アンチミステリと呼ばれるこの作品。 普通のミステリ好きな私には敷居が高かったけれど、 色々な作家の先生方が名前を挙げる書名なので読んでみました。 読んで驚いたのは、思ったほど文章やキャラが古臭くないこと。 怒涛のごとく進んでいく事件にどんどんのめり込んでいきました。 そして、最後の結末。 なるほどな~と、つい納得させられました。 |
No.158 | 7点 | 3000年の密室 柄刀一 |
(2008/01/30 01:52登録) 縄文時代のミイラが発見され、 それが従来の学説をひっくり返す大発見だというだけでワクワクなのに、 発見現場である洞窟が「密室」だというのですから・・・ 古代史に興味がある人には、大変面白い設定だと思います。 私も楽しめました♪ 現代の事件は、ちょっと小粒かなと思ったのですが、 縄文密室の解答を読んだときは、ため息が出ました。 3000年の年月を、痛切に感じましたね。 |
No.157 | 8点 | 本陣殺人事件 横溝正史 |
(2008/01/23 02:55登録) 戦争でミステリを禁止されていた時代を乗り越え、 最初に現代あるようなミステリの原型を、 しかも日本的土壌の中で実現した傑作です。 トリックも当時では最新鋭(日本建築だし)で、 そこに至る背景の描き方も、非常に魅力的です。 金田一耕助の誕生した長編。 未読の方は、是非♪ |
No.156 | 6点 | 赤緑黒白 森博嗣 |
(2008/01/20 16:12登録) なるほど~、そういうことだったのか・・・と、 ラストでしみじみ思う以外は、普通の森ミステリでしたね。 サイコキラー的な殺人が登場した時点で、 ちょっと推理とかは諦めていました(^^; そう言えば、今回は密室らしき密室はなかったですね。 アリバイ崩しだけど・・・それも中途半端だし、 ミステリとしては不満の残る作品です。 シリーズ全体のしかけとしては、ちょっと驚かされました。 ただ、途中変だな~と思う部分(時代的な点)もあったし、 納得はできます。 こうなると「四季」シリーズを読まないといけないのかな?? |
No.155 | 6点 | 朽ちる散る落ちる 森博嗣 |
(2008/01/20 16:05登録) 今回はかなり動きの大きな作品でした。 なんせ宇宙と地下の事件で、スパイとかテロとかもあり・・・ まあ、地下の事件の方は予想の範囲内でした。 森ミステリでは、ありがちなトリック(?)でしたね。 じっくりと推理を働かせる場面は少ないのですが、 キャラの勢いに魅かれて、ついつい読み進んでしまうシリーズです(^^; |
No.154 | 6点 | 捩れ屋敷の利鈍 森博嗣 |
(2008/01/17 02:36登録) いつものVシリーズのメンバーは出ずに、 替わりにS&Mシリーズのメンバーが出るという、変わった作品。 捩れ屋敷とログハウスのトリックは、 森ミステリの範疇に入るとは言え、 わざわざS&Mシリーズの登場人物を出す必要性も認められず。 このキャストに意味があるとすれば、 シリーズ全体に関わるようなものしか考えられないのですが・・・ |
No.153 | 6点 | 六人の超音波科学者 森博嗣 |
(2008/01/17 02:32登録) 『すべてがFになる』と比べると難点はありますが、 暗号とか、死体の謎とか、色々な面でロジックが楽しめます。 Vシリーズでは、トリックそのものよりも、 周りのキャラ設定が大きいので、 その点では満足できると言えるかも知れません。 |
No.152 | 6点 | 恋恋蓮歩の演習 森博嗣 |
(2008/01/17 02:28登録) Vシリーズのキャラをちゃんとつかんでいれば、 大きなトリックの解読は難しくなかったかと思います。 豪華客船での事件ということの面白みはありますが、 解決しての爽快感はあまり無し。 キャラ読みの楽しみは、非常に高いものがありますが・・・ |
No.151 | 6点 | 魔剣天翔 森博嗣 |
(2008/01/17 02:25登録) トリック自体には、やや難点があります。 動機もまたしかり。 ただ、Vシリーズのキャラクタの出揃った感じもして、 読んでいく中のスリルもあります。 キャラ読みとしての心はくすぐられるけど、 ミステリ読みとしては、いまいちな評価です。 |
No.150 | 6点 | 七つの棺 折原一 |
(2008/01/10 01:34登録) 折原氏の最初の作品も入った短編集。 全てを密室で統一しているのですが、 古典的作品をベースにしたパロディにもなっています。 ミステリ界では「密室」は大きなテーマではありますが、 これはスゴイという密室にはなかなかお目にかかれません。 この短編集も、トリックとしては今ひとつというもの多し。 ただそれ以外の部分で、折原氏らしい演出があって、 その部分はなかなか面白かったです。 |
No.149 | 7点 | 桜闇 篠田真由美 |
(2008/01/08 01:12登録) 短編集なのですが、これはかなり楽しめました。 結構「おっ!」と思うトリックが炸裂していて、 HOWを考えるのが楽しかったです。 キャラクターは相変わらず重いものを引きずってますが(^^; |
No.148 | 5点 | 美貌の帳 篠田真由美 |
(2008/01/08 01:07登録) トリック的には大きなものは無く、 フーダニットとしても少し弱い感じでした。 建築をめぐる執念のようなものは感じられたけど。 キャラ小説としても、ちょっと重い展開ですね。 (このシリーズ全体がですけど) |