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ミステリの祭典

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七つの棺
黒星警部シリーズ 旧作「五つの棺」

作家 折原一
出版日1988年05月
平均点6.21点
書評数14人

No.14 5点 虫暮部
(2020/01/20 10:53登録)
 トリックの傾向を考えるとパロディ形式の選択は妥当だけれど、ユーモアのセンスが自分にはあまり合わなかった。“要は見せ方なのだ”との作者の言に同意(見せ方が合わないのでアウト、と言う意味で)。

No.13 7点 makomako
(2019/09/01 12:42登録)
本格推理物が好きになった方は一度は密室の謎に興味を持たれたことと思います。私も昔は黒星警部ほどではないですが、密室ものに惹かれて色々と読んだ経験があります。ところが不思議な密室なんてそう簡単にできるわけがなく(簡単にできるようら不思議ではなくなりますが)、密室トリックをある程度読んでしまうと新しい密室ものは少なくなってしまいます。せっかくアッと驚く密室が提示されても、解決編はちょっとこんなのあり?とか、無理に決まってるでしょ、
さらにぜったいむりだ、まで失望することが多くなってしまいます。
 本作品はかなりが昔の作品のオマージュとなっているようですが、それなりにひねっており、最後の天外消失事件以外はまず納得できるお話でした。
 こんなお話がデビュー作なんて折原氏はやっぱりすごい方だと改めて感心しました。
 氏の作品は発表されたらすぐに読んでいたのですが、内には新作のように見えて実は改題した作品を読まされて、以来ちょっと避けてきました。以前の作品を推敲した結果、題名も新たに付け直したものと思いますが、読者にとっては一杯食わされた感があったのです。内容の濃い良い作品が多いので今後未読作品を読んでみることとします。ネット販売だと内容までは調べられないので、書店で内をよくみてから購入しよう。

No.12 5点 ボナンザ
(2018/11/24 11:06登録)
デビュー時から密室縛りという高度なことに挑戦する意気込みを評価したい。が、やはり叙述トリック以外は本職ではない感があるか。

No.11 6点 蟷螂の斧
(2013/10/20 19:53登録)
あとがきにあるように「折原一の出発点」の作品。「懐かしい密室」は、その後の氏の作品(叙述ミステリー)への片鱗が覗えました。密室もののパロディですが、原作を知らなくとも楽しめました。不可能性密室では「天外消失」、推理過程を楽しめたのは「脇本陣殺人事件」、オチが良かったのは「ディクスン・カーを読んだ男たち」。初登場の黒星警部が、密室好きではあるが、まだまだおとなしい(ドタバタ調ではない)感じで描かれていました。

No.10 7点 E-BANKER
(2010/08/27 23:54登録)
作者のデビュー作「五つの棺」に2編を加えて、再編集した短編集。
黒星警部-竹内刑事の迷コンビシリーズ。
作品の多くは過去の密室物名作のパロディになってます。
①「密室の王者」=ノックス「密室の行者」のオマージュ。ひじょうーにくだらない真相。
②「ディクスン・カーを読んだ男たち」=ラスト、3人の登場人物の独白が面白い。ただ、プロバビリテイすぎる!
③「懐かしい密室」=密室での死体出現を扱ってますが、この「ユダの窓」はあまりに安易。普通気付くだろう!
④「脇本陣殺人事件」=当然あの作品のパロディ。4本指の男も出てきます。真相は肩透かし。
⑤「天外消失事件」=かなり強引だと思うが、プロットは結構好き。
他2編。
辛目の書評を書いてますが、全体的には作者の遊び心が前面に出た異色の短編集といったテイストで割りと気に入ってます。

No.9 6点 こう
(2010/05/06 01:34登録)
 密室パロディものとして黒星警部ものとして割と気に入っています。タイトルもばかばかしくていいです。

No.8 6点 測量ボ-イ
(2009/05/16 10:52登録)
カ-の名作「三つの棺」をもじって、過去の密室名作を
意識した(パロった?)作品集です。個人的には「脇本
陣殺人事件」が一番良かったでしょうか?でもこの作品
を読むと、今更ながら密室トリックで斬新なものを考案
する事の困難さを感じますね。
すみません、僕が読んだのは旧作「五つの棺」時代の方
なので、全部の作品は知りませんので。

No.7 5点 Tetchy
(2008/01/10 18:14登録)
単行本刊行時は『五つの棺』でしたが文庫化に際して2つの短編が足されました。
個人的には「密室の王者」がよかったです。いや題名のしゃれがね。
「ディクスン・カーを読んだ男たち」は確か藤原宰太郎氏の推理クイズにそのまんま出てて、先にそっちを読んだ私は興をそがれてしまいました。

No.6 6点 vivi
(2008/01/10 01:34登録)
折原氏の最初の作品も入った短編集。
全てを密室で統一しているのですが、
古典的作品をベースにしたパロディにもなっています。

ミステリ界では「密室」は大きなテーマではありますが、
これはスゴイという密室にはなかなかお目にかかれません。
この短編集も、トリックとしては今ひとつというもの多し。
ただそれ以外の部分で、折原氏らしい演出があって、
その部分はなかなか面白かったです。

No.5 5点 Tetchy
(2005/07/16 23:19登録)
作品としては使い古されたトリックの応用編みたいなもので新規さは感じられないが、水準を保った安心作ではある。

No.4 9点 パブロピカソ
(2004/08/14 01:49登録)
密室はもはやパロディとしてしか存在しえない、と断言するかのような作品。短編すべてが有名作品のオマージュになっており、ひねり具合もなかなかのもの。こういった、著者の意思が感じられるような作品は大好きですね。

No.3 5点 kenichi
(2003/06/30 00:44登録)
『五つの棺』。短編なのに全部密室ですよ。しかも解決がそれぞれ何通りか用意されてる。偉大なるパロディです。

No.2 7点 ギザじゅう
(2002/09/14 22:27登録)
(いい意味で)ばかばかしい。
昔のものをパロディ化したらしいが、全てが良い出来とは言いづらいかな。でも読みやすくて楽しめた。
『天外小説事件』が一番よかった。

No.1 8点 由良小三郎
(2002/05/10 19:57登録)
初めに書評ではありませんが、乱歩賞応募作「倒錯のロンド」が折原さんのデビュー作だと思っていました(そのパターンの作家多いですよね)乱歩賞応募時点では、この本のもとの「五つの棺」などで作家デビューしていたようです。そうすると余裕で「倒錯のロンド」はウケねらいで落選しにいったのかという事でしょうか。
この作品は密室もののパロディの短編集らしいのですが(「脇本陣殺人事件」は横溝正史さんですか)、つまり「この手も以前の作品にあるトリックなんですがとか、馬鹿なトリックなんですが」と言い訳しながらの作品集のようです。
最初の「密室の王者」はさすがにくだらないのですが、他は、真面目なミステリファンにはすすめられませんが、僕にはおもしろかったです。
これまた作品と関係ないのですが、文庫の解説の密室に関する文章は力作で勉強になりました。

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