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ミステリの祭典

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由良小三郎さんの登録情報
平均点:6.62点 書評数:199件

プロフィール| 書評

No.199 8点 半落ち
横山秀夫
(2004/01/10 09:22登録)
構成がこっていて、すこしヒューマンな味付けの作品という感じですが、楽しめました。この構成の小説を2時間ばかりの長さの映画にしようとしているみたいで無謀な感じです。どこをはしょるつもりなんだろうと思います。


No.198 8点 幽霊刑事
有栖川有栖
(2003/12/14 21:25登録)
難しい設定だと思うわけで(こんなことをやる必要があるかどうかはともかく)それを登場人物の魅力でごまかしつつも、ちゃんとまとめたという感じです。


No.197 6点 支那そば館の謎
北森鴻
(2003/10/30 19:29登録)
他の北森さんのシリーズにくらべると軽目のミステリ狙いのような連作短編集ですが、ちょっと主人公がしかめっつらという感じで、好きになりにくい感じでした。北森さんのシリーズではめずらしい「バカ・キャラ」のミステリ作家のでてくる「不如意の人」あたりが好みです。


No.196 7点 慎治
今野敏
(2003/10/20 19:50登録)
最初の部分をとばして、いじめられっこが担任の先生の家でガンダムの講義をうけるところから読み始めるといういいかげんな読み方をしたのですが、後は一気読みでおもしろかった。今野さんはうまいと思いました。自分の領域内でしか他人に興味をもたないことに徹する人物たちのそれなりに爽やかな生き方というストーリにしてると思いました。


No.195 8点 誘拐の果実
真保裕一
(2003/10/06 18:00登録)
ひさしぶりに新保さん読んで、これは真保さんらしい読み応えでした。結末はかなり無理やりヒューマニズムなんですが、見せ所は犯人のほうでない側のしかけるトリックがうまくいくかの部分だったと思いました。


No.194 6点 マークスの山
高村薫
(2003/08/13 23:22登録)
こういう警察の書き方も新鮮ではあるけれど、横山さんとか他の作家の警察ものなんかと比べてセクショナリズムこうまですごくはないだろうと思いました。ストーリもやや無理な設定という感じがあります。


No.193 8点 ハードボイルド・エッグ
荻原浩
(2003/07/21 19:40登録)
「ハードボイルド・エッグ」
 ハードボイルドの探偵を気取りながら、持ち込まれる依頼といえば行方不明のペットさがしばかりという探偵のところにお婆さんが秘書として押しかける前半は、前に読んだ樋口有介さんの「木野塚探偵事務所だ」みたいな話になるのかと思っていたら中盤から、ちゃんとハード・ボイルド(風)になって、最後はちゃんと泣かせる話でしめくくちゃうんです。


No.192 7点
荻原浩
(2003/07/19 20:35登録)
「噂」講談社
荻原さんの本来の芸風と違うと思うオーソドックスな警察小説です。北村薫さんに「盤上の敵」をかかせた講談社からの出版のせいでしょうか、猟奇殺人の話で暗め、重めです。2人の刑事の家庭がホーム・ドラマ風にかかれているのが、変わっています。捜査するのが、女子高生や、渋谷の若者の世界というのは、かなり難しいい領域ですが、破綻はないと思いました。これもおもしろかったんですが、これは、荻原さんの芸風と違う小説です。


No.191 6点 ロートレック荘事件
筒井康隆
(2003/07/12 10:30登録)
この種類の作品のなかでも典型的な作品なので、採点がもりあがると思ったのでリクエストしました。
僕自身は、どちらかというとこの手は反則だと思う方なのと、「十角館」の後だということで、評価は低めです。


No.190 8点 触発
今野敏
(2003/07/12 09:47登録)
今野さんの小説は始めて読んだのですが、おもしろかった。
爆弾処理のスペシャリストの自衛官が、連続爆破事件を捜査する警察へ出向して傭兵あがりの爆破犯と対決する話です。ストーリの展開は全くありきたりといっていいと思いますし、ちょっとヒネリの部分の爆破犯のスポンサーの話や主人公の生い立ちの話もかえって邪魔なぐらいですが、おもしろいと感じるのは、人物がいいのか、文章がうまいのか、勢いにやられちゃったという感じです。


No.189 7点 世界の終わり、あるいは始まり
歌野晶午
(2003/05/21 20:38登録)
どのような結末にしようかと悩んでいるのが、作者でなくて、本当に主人公である父親だというふうに考えるとすれば、ここまで悲観的な妄想に到達できる性格もすごいということになります。そんな性格なら結局、自分から運命をきめる行動に移れないのでこういう小説の終わり方になるのは自然かなと思います。
おもしろい試みだと思いましたが、かなり優柔不断な読者でも、本当はどうなるのか決めてほしいと思うでしょう。


No.188 7点 街の灯
北村薫
(2003/05/15 17:33登録)
新しいキャラクタは、北村さんのシリーズでは覆面作家の系列に近いかなと思いました。戦前の上流階級のお嬢さんと、超人的な女性運転手という探偵役の設定が、あんまりリアルでないところがあります。
けれども期待を込めていえば、このシリーズは1冊目なので、シリーズが進めば、戦前の上流階級というのは、歴史のなかで、滅んでいった人たちなので、歴史と人間のドラマというのを北村さんが見せてくれるつもりかもしれないと思うところがあります。(問題はそれが何年先になるかなんですが。この1冊で終わらないことを切に願ってます。)


No.187 5点 GOTH リストカット事件
乙一
(2003/04/30 09:13登録)
好き嫌いで評価するのですが、こういうキャラクタは嫌いです。なまいきなガキたちという感じです。犬の話は気にいりましたが。


No.186 8点 ブードゥー・チャイルド
歌野晶午
(2003/04/21 18:31登録)
このネタというかこの題材ですと普通に書くと、こういう話(犯人)になるみたいなところがあるような気がして、もうひとひねりあってもと思わないではありません。キャラクタ的には、好きなタイプで楽しく読めました。名探偵辻占ジュリアンも、僕はいいと思います。


No.185 5点 灰の迷宮
島田荘司
(2003/04/12 14:21登録)
島田さんの作品のなかに「いきあたりばったり」感を感じる時がありまして、ネタのねらいはわからぬでもないのですが、あまりおもしろくなかったです。事件、犯人ともかなり地味な感じの作品です。


No.184 7点 ミステリオーソ
原尞
(2003/03/30 17:22登録)
いろいろ思うところがあって原りょうを読み返したいと思って未読だった、この作品を図書館の蔵書検索システムの威力で読むことができたのですが、自伝というかエッセィ集でした。それでもおもしろかったですよ。作家の人柄がわかるこういうのは好きです。


No.183 7点 たまらなく孤独で、熱い街
山田正紀
(2003/03/18 19:01登録)
西澤さんの「ファンタズム」のカバーに、意識した作品として我孫子さんのアレといっしょに書名が書いてあった作品が偶然目についたので読んだののですが、「ファンタズム」や我孫子さんのアレに比べると僕には分かりやすかった。犯人以外の人物の雰囲気が気にいったのだと思います。この本については、さて最終章が必要だったかどうかの辺がモヤモヤしています。もう古い作品ですが、よかったと思います。


No.182 8点 船上にて
若竹七海
(2003/03/17 19:20登録)
連作でない若竹さんの比較的初期(1992〜1996)の短編を集めた短編集です。かなり技巧に走っているので評価が分かれるところだと思います。僕としては表題作「船上にて」がO・ヘンリーを題材にしているので「文豪物」が好きな僕にはこれだけで、点が甘くなります。その他、「優しい水」なんかがいいかと思いました。


No.181 8点 朱の絶筆
鮎川哲也
(2003/02/22 16:25登録)
この本の構成はちょっとアンフェアかもしれないと思うのですが、まあこのぐらいは許される範囲だと思いました。個人的には鬼貫警部ものを少し読んだ程度ですが(「りら荘」は読み切れなかった読者です)今のところ一番気にいっています。細かいトリックが推理小説らしくていいと思いました。


No.180 7点 触身仏
北森鴻
(2003/01/21 19:36登録)
しゃんさんのかかれているように、蓮丈那智と、助手の内藤三國の書かれ方が、かなり変わっていて、雰囲気が変わっています。前作の蓮丈先生は、超人探偵風でしたが、この短編集では、生意気で、わがままな困ったおばさん風になっていますが、こちらのほうが、好きです。事件よりも民俗学的蘊蓄の部分がメインみたいになっています。

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