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ミステリの祭典

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誘拐の果実

作家 真保裕一
出版日2002年11月
平均点7.00点
書評数6人

No.6 5点 ぷちレコード
(2022/03/24 23:06登録)
東京と神奈川で連続して起こった二つの誘拐事件の顛末を正攻法で描いている。
被害者の家族が、大掛かりな芝居を打つ第一章のサスペンスは出色の出来映え。第二章の有価証券を利用した身代金受け渡しの着想も面白いが、物語は「誘拐ミステリ」の定石を踏まえながら、二転三転するコンゲーム小説の様相も帯びてくる。
惜しむらくは、二人の人質が戻ってきた後の展開が、なんとなく読めてしまうことでしょう。

No.5 7点 VOLKS
(2010/09/14 13:30登録)
仕掛ける側のトリック、被害者側のトリック、受けて立つ警察の対応、すべてがじっくりと描かれていて読み応えがあった。
ただ、手に汗握る誘拐・臨場感、といった高揚感溢れる誘拐ではなく、とにかく「まじめな誘拐小説」といった感じがした。

No.4 4点 三流亭読手
(2009/07/20 08:22登録)
(ネタばれあり)
誘拐物は時間経過の表わし方と緊迫感がポイントだと思います。身代金を株券で行う説明がくどすぎてここでダレてしまった。もう少し短く出来たのではないだろうか。出だしは良かっただけに残念です。

No.3 8点 由良小三郎
(2003/10/06 18:00登録)
ひさしぶりに新保さん読んで、これは真保さんらしい読み応えでした。結末はかなり無理やりヒューマニズムなんですが、見せ所は犯人のほうでない側のしかけるトリックがうまくいくかの部分だったと思いました。

No.2 9点 kenichi
(2003/06/30 00:34登録)
二つの誘拐がそれぞれすごくて、これなら2つの作品が書けるのに勿体無いことするなと思いましたが、それだけ出し惜しみしない姿に拍手!『半落ち』さえなければ1位独占だったかもしれないのにねえ。

No.1 9点 寝呆眼子
(2003/06/22 17:07登録)
力量のある作者が書く「誘拐」モノは面白い。同時期に出た東野さんの「ゲームの名は誘拐」も良かったけど、私的にはこちらの方が好きです。ミステリは器であって、その中で繰り広げられる物語に心を揺さぶられました。前向きな結末が、とても心地よかった。

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