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ミステリの祭典

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船上にて

作家 若竹七海
出版日1997年02月
平均点6.00点
書評数6人

No.6 5点 パメル
(2026/09/17 08:06登録)
悪意をテーマにした作者らしい毒が随所に感じられる8編からなる短編集。その中から6編の感想を。
「時間」川村静馬は学生時代に好きだった五十嵐洋子の死を知る。彼女は数年前の交通事故で母を亡くし、自身も半身不随となって車椅子生活だったという。車椅子を活かしたトリックが巧み。
「タッチアウト」林田ゆかりに付きまとい、家にまで忍び込んだが反撃されて失神し、病院のベッドで目覚めた橋爪雪彦。彼は再び襲撃を試みるが。ラスト一行の切れ味が抜群。
「優しい水」会社の屋上から突き落とされ、ビルとビルの境目で意識を取り戻した主人公。救助を待つ間、犯人の名前を書き記そうとするのだが。ダイイング・メッセージの皮肉の行方。救いのなさが味わえる。
「手紙嫌い」志逗子は病的な手紙嫌いだった。ある日、友人の蒔絵が志逗子が憧れている写真家の五十嵐満昭を紹介してもらうことになった。しかし五十嵐は電話が嫌いなため、手紙を書かざるを得なかった。思いがけない衝撃的なラスト。皮肉な結末に唖然。これもラスト一行が光る。
「黒い水滴」主人公の「私」の元夫である斎藤が死んだ。「私」は5番目の妻だが、その前の4人の妻は次々と事故死していた。これを機に義理の親として斎藤の娘・渚を引き取ろうと考えるが、現在の愛人が転落死し、渚は殺人容疑が掛かっているらしい。一旦解決したと見せかけての捻りのある構成で哀しいミステリに仕上がっている。
「船上にて」元宝石商のハッターは、若い頃に宝石盗難事件で疑われたことがあるという。オー・ヘンリーに対するオマージュに満ちた作品。謎そのものに目新しさはない。

No.5 6点 まさむね
(2019/02/16 18:43登録)
 ノンシリーズの短編集。各短編の初出が1992年から1996年なので、作者にとっては比較的初期の短編集と言えそうです。若さの影響もあるのでしょうか、彼女の十八番である「苦み」も含めて、多少角が立っているような印象を受けました。決して嫌な「角」ではなく、むしろ楽しめたという側面もあるのですがね。マイベストは、ほっこりブラックユーモア系の「優しい水」でしょうか。

No.4 6点 dei
(2007/09/18 22:01登録)
粒揃いな印象。ただあまり印象に残らず。

No.3 6点 なの
(2004/09/16 23:11登録)
かなりブラックな味付けの短編集です。
連作でもなくテーマに一貫性も無い為、小粒な印象を受けます。
勿論、一作一作のレベルが低いわけではありませんが・・・。
『優しい水』『手紙嫌い』が、ブラックでありながらユーモラスで高評価。

No.2 5点 884
(2004/01/14 20:46登録)
 好みは「船上にて」「優しい水」。…下の方と同じですね(笑)。あとは強いて言えば「てるてる坊主」かな。

No.1 8点 由良小三郎
(2003/03/17 19:20登録)
連作でない若竹さんの比較的初期(1992〜1996)の短編を集めた短編集です。かなり技巧に走っているので評価が分かれるところだと思います。僕としては表題作「船上にて」がO・ヘンリーを題材にしているので「文豪物」が好きな僕にはこれだけで、点が甘くなります。その他、「優しい水」なんかがいいかと思いました。

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