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ミステリの祭典

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テロリストのパラソル

作家 藤原伊織
出版日1995年09月
平均点6.17点
書評数36人

No.36 7点 みりん
(2023/07/28 00:24登録)
これは名作です。

No.35 6点
(2022/04/28 17:51登録)
元学生運動家で、現アル中バーテンダーの島村が新宿中央公園で起きた爆発事件に遭遇する。その被害者の中にかつての仲間がいた。
巻き込まれ型素人探偵ハードボイルド。

冒頭の事件はどでかいし、タイトルもたいそうだし、こういうやつの真相はきっと、と思って終盤まで読み進むと・・・
こういうところに落ち着くのか。まあ、それはそれでよし。

ミステリー性はもちろんあるが、それよりも主人公のキャラでもっている部分が大きい。主人公を取り巻く人物たちもよい。ワルはワルらしいというのもよい。
いろんな直木賞の選評を見ると、人間が描けていないという評がかならず出てくるが、本作はそうではないという典型例なのでしょうね。
個人的には、会話のテンポよさが心地よく、そこに魅かれた。

No.34 4点 ROM大臣
(2021/06/08 16:25登録)
学生運動に挫折し、さまざまな肉体労働をした末に、ボクシングをやってみたら才能があった。そのあとなぜか、アル中のバーテンダーになっている主人公。
過去にあった爆発事件にかかわった人たちが、十数年後に再びある爆発事件の現場に集まってくるのは不自然。トリックを正当化するために、過激派でもなかった学生をテロリストに仕立てるというのは無理がある。

No.33 5点 雪の日
(2020/04/21 14:25登録)
ご都合主義

No.32 6点
(2018/11/01 23:02登録)
その冷静の中に、やさしさがある無欲恬淡な主人公でした。
ストーリーも魅力だが、偶然が多く点はちょっと不満あり。

No.31 5点 パメル
(2016/01/11 19:09登録)
スケールが壮大なハードボイルドで物語に引き込まれるが
登場人物の関係性があまりにも偶然につながりすぎているし
爆弾テロに関してもこんなに簡単にターゲットが一ケ所に集まるなんて
あり得ないと思う

No.30 5点 測量ボ-イ
(2015/06/08 21:16登録)
東西ミステリにもランキングされている有名作品。
ただ読んだ個人的感想は微妙でしょうか。
その理由は、本格ものでないとかそういう理由ではなくて、
この事件の犯人の動機が理解できない・・・
あの時代(全共闘時代)に青春を過ごした人なら理解でき
るのかな?
ちょっとモヤモヤが残る読後感です。

No.29 4点 バックスクリーン三連発
(2015/03/24 14:41登録)
ハードボイルドは苦手です
どう感想を表現すればよいかわからなかったのですが
ここの書評を見て納得しました
ご都合主義です。
あまりにも都合のよすぎるつながりが気になりました

No.28 6点 アイス・コーヒー
(2013/11/23 19:20登録)
公園で偶然爆発テロに出遭ったアル中のバーテンダー、島村には隠された過去があった。過去に友人と爆弾を爆発させ、一人を死なせてしまったのだ。自らがテロの犯人として指名手配される中で、島村は事件の真相を探る。江戸川乱歩賞、直木賞受賞作。

個性的なキャラクターや島村こと菊池の人物としての魅力、流れの見えない事件捜査と驚愕の真実。読みやすく印象的な作品だ。特にラストシーンは圧巻で、犯人の動機、菊池の過去、事件を取り巻く人々の思いが交錯していく様子が凄い。しかし、あの人物はなぜあんな事を……捻じ曲げられた思いの象徴が「テロリストのパラソル」だ。とても心に残るものがある。
欠点は、事件の展開が分かりづらく、複雑な事象が多い事。ご都合主義展開が多い点が批判されがちだが、そういうテーマなのだから仕方がない。映像化向けの作品だと思った。

No.27 6点 TON2
(2012/11/13 19:09登録)
講談社
第41回(平成7年)江戸川乱歩賞受賞作。
大学在学中に学生運動に身を投じ、爆弾事件の犯人として警察に追われ、20年以上も隠れた生活を送っている男が主人公のハードボイルドです。
東大紛争、全共闘世代の思いを綴った作品なのかもしれませんが、ストーリー展開と人物設定が、ややご都合主義かなと感じました。

No.26 4点 判子
(2012/01/03 19:52登録)
個人的にハードボイルドが苦手で、肌に合いませんでした。
ただ、キャラクターや、台詞の言い回しは魅力的です。
乱歩賞、直木賞でハードルを上げ過ぎてしまい、満足できませんでした。

No.25 3点 ムラ
(2011/08/06 18:41登録)
正統派な感じのハードボイルド作品で楽しめた。
流れもすらすら進んで文体も読みやすい。ただオチは読みやすいのが残念。
この物語だと浅井がかっこよかった。ホットドックで相手を見直すのがなんともシブイ。

No.24 5点 haruka
(2011/05/28 23:18登録)
ご都合主義は否めないが、独特のタッチとスピード感のある展開で一気に読ませる。

No.23 8点 STAR
(2010/02/18 11:30登録)
乱歩賞・直木賞ダブル受賞作品ということで読んでみました。
ハードボイルドは好きではないのに、この作品はおもしろかったです。

No.22 8点 E-BANKER
(2010/01/11 23:13登録)
史上初の乱歩賞&直木賞のダブル受賞作。
さすが、その看板に偽りなしで、面白い小説だと思います。
途中、なかなか事件の全体像や背景が見えにくくなっていて、ちょっとモタモタ感があるのが玉に瑕かもしれませんが、ラスト、黒幕の○○と対決する場面は名シーンですね。
それまでの謎が一気に解決していきます。(そんな偶然が重なるか?という気もまぁしますけど・・・)
処女作としては、浅井や塔子といったサブキャラの造形も魅力的ですし、やはり、つくづくも作者の早すぎる死が惜しいなぁと思ってしまいます。

No.21 6点 bage
(2009/11/26 13:57登録)
文章に癖がなく、一気に読んでしまいました。内容に対してタイトルがイマイチな感じがします。

No.20 9点 Tetchy
(2009/05/18 22:53登録)
確かにこれはとてつもないデビュー作だ。
まず冒頭の導入部。久々に晴れた日、公園まで散歩する主人公と休日を楽しむ人々の風景。そして突然の爆発。静から動への反転が素晴らしく、一気に読者を物語世界に引きずりこむ。

登場人物たちに共通するのは栄光を掴みかけた喪失感だろうか。何かに失敗し、また這い上がろうとし、努力を重ね、そして再び成功に似た何かを掴みかけたその瞬間、運命が眼の前でそれを攫っていく。ただ彼らはそれをあるがままに受け入れる。何かのせいにせず、とにかく生き延びる事にだけ執着して。

しかし犯人の動機の、なんて幼稚なことか。なぜこんなにも人生が、性格が歪んでしまったのか。

10月の長く続いた雨が止んだ土曜日、新宿中央公園で起きた爆破事件。それは物語の始まりであったが同時に彼ら3人の終焉の瞬間であったのだ。その運命の瞬間に居合わせた人々が形成する曼荼羅はいささか偶然に過ぎる感じもするとも云えるが、まあそれは措いておこう。
本書の題名にあるパラソルという単語は最後の最後にようやく登場する。ある登場人物がこの言葉に込めた意味とは、以前とは変わり果ててしまったある人物の中に最後に見出した少しばかりの優しさだったのかもしれない。

No.19 10点 NEO
(2009/04/11 08:06登録)
ラストにやや難があるけど、この文体、スキです。

No.18 5点 sasami
(2008/07/17 23:56登録)
この洒落た会話?についていけなかった。
あとプロットに無理がありすぎ。

No.17 10点 レイ・ブラッドベリへ
(2008/04/28 22:47登録)
確かに偶然の出会いが多いけど、登場人物たちも自ら
あきれたように言っていることだし、しかも何回も。
まあ小説作法上のドラマツルギーだということで…(笑)
それにしても「蒼きパラソルくるくる回すよ」か。
僕はこれからも、夜中にヨッパラってこの本を読み
泣くんだろうな、この短歌が描く晴れた日の光景に(苦)

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