home

ミステリの祭典

login
朽ちる散る落ちる
Vシリーズ

作家 森博嗣
出版日2002年05月
平均点5.65点
書評数17人

No.17 3点 ボナンザ
(2022/12/29 21:05登録)
話としてはたたみに来ているが、トリックは・・・(涙)。

No.16 6点 E-BANKER
(2019/06/21 22:24登録)
発表順に読み進めてきたVシリーズもいよいよ大詰め。
残すは最終作「赤緑黒白」のみとなった第九作目がコレ。
2002年の発表。

~土井超音波研究所の地下に隠された謎の施設。絶対に出入り不可能な地下密室で奇妙な状態の死体が発見された。一方、数学者・小田原の示唆により瀬在丸紅子は周防教授に会う。彼は地球に帰還した有人衛星の乗組員全員が殺されていたと語った。空前の地下密室と前代未聞の宇宙密室の秘密を暴くVシリーズ第9作~

ついに、“宇宙来たぁー”(by福士蒼太)。
ありとあらゆる様々な密室を取り上げてきた森ミステリーも、ついには宇宙空間へ進出?!

というわけで、今回は前々作に登場した「土井超音波研修所」が再度事件の舞台として登板。
と言っても、現在進行形の事件ではなく、地下の秘密空間で見つかった白骨死体が謎の中心となる。
いわば、前々作(「六人の超音波科学者」)の後日譚的な内容。
・・・って考えると、本作と前々作に挟まった前作(「捩れ屋敷の利鈍」)って一体どういう意味があったのか?
『保呂草と萌絵をクロスさせること』が主目的? なんだろうか?
(いずれにしても、本作ではその解答は得られない)

で、「密室」である。“空前の地下密室”の解については、いかにも本シリーズらしいという感想。
ただ、これが許されるなら何でもありだなという気にはさせられた。
(個人的には、森本君が小鳥遊練無との会話のなかで挙げたトリックが一番面白かったけどな・・・)
まぁ、Vシリーズでの「密室」は、決してプロットの主軸ではないということは、これまで何度も触れてきたとおり。今回も同様。

えっ? “前代未聞の宇宙密室”はどうしたんだって?
・・・・・・(寝たふり)
そんなもん、ありましたかねぇ・・・。あーあ、あったね。確かに。あったような・・・うーん。
少なくとも“前代未聞”というのは100%大げさです。

No.15 8点 Tetchy
(2018/06/12 21:23登録)
シリーズのセミファイナルとなる本書では7作目に舞台となった土井超音波研究所が再び物語の舞台となる。従って付された平面図は『六人の超音波科学者』同様、土井超音波研究所のそれとなっている。2作で同じ平面図を使うミステリは私にとっては初めての経験だ。

今回の謎は飛び切りである。
まず研究所の地下室に二重に施錠された部屋から死体が見つかる。どちらも船室で使われる密閉性の高い中央にハンドルのついた重厚な鉄扉で、最初の扉は内側からフックのついた鎖で止められ、外側からは解錠できないようになっている。次の扉は床にあり、開けると昇降設備がなく、梯子か何か上り下りできるものがないと降りられず、更に入る部屋からしか閉めることが出来ない。その床下の部屋に白骨化した死体が横たわり、その死体は何か強い衝撃で叩きのめされたかのように周囲には血が飛び散っている。

さらに1年4ヶ月前にNASAの人工衛星の中で男女4人が殺される密室殺人が起きる。男3人は小型の矢のような物で無数に刺され、女性は絞殺されていた。
しかもこの人工衛星の密室殺人事件と研究所の地下の密室事件には関係があるという、島田荘司氏ばりの奇想が繰り広げられる。

起伏が激しく、そして謎めいた物語。それぞれの謎はある意味解かれ、ある意味解かれないままに終わる。

更に私が感嘆したのは前々作『六人の超音波科学者』の舞台となった土井超音波研究所が本書のトリックに実に有効に働いていることだ。いやはや同じ館で異なる事件を扱うなんて、森氏の発想は我々の斜め上を行っている。

そしてシリーズの過去作に纏わると云えば小鳥遊練無が初登場したVシリーズ幕開け前の短編「気さくなお人形、19歳」でのエピソードを忘れてはならない。『六人の超音波科学者』も纐纈老人との交流が元でパーティに小鳥遊練無は招待されたが、本書では更に纐纈老人との交流が物語の背景として密接に絡んでくる。読んだ当時はただの典型的な人生の皮肉のような話のように思えたが、練無が代役を務めた纐纈苑子、即ち藤井苑子が本書でテロリストのシンパで妻となって登場することで全くこの短編の帯びる色合いが変わってくる。もう一度読むと当時は気付かなかった不穏さに気付くかもしれない。

本書では奇跡的な偶然が示唆されている。それはやはり小鳥遊練無が纐纈苑子に酷似していたことだ。彼女と彼が似ていたからこそ、全ては始まったのだ。シリーズが始まる前のエピソードから全てが始まったのだ。
さてとうとうVシリーズも残り1作となった。S&Mシリーズの時には全く感じなかったのだが、このシリーズに登場する面々は実に愛らしく、別れ難い。もっと続いてほしいくらいだ。

No.14 5点 虫暮部
(2016/09/16 16:59登録)
 宇宙密室という非常に魅力的な謎と、そのあまりにも残念な真相。こんなオチでシチュエーションの無駄遣いをするな。
 一方で地下密室の方はなかなか奇抜なアイデアで思わず膝を打った。

No.13 8点 ∠渉
(2015/03/04 21:35登録)
登場人物にテロリストがいたのでどんなとんでもない話になるのかと思いきやVシリーズらしいお話に安心したのは良い思い出。それにしてもとんでもなかったけど。宇宙密室と地下密室、とんでもない密室の二段構えでとことんミステリィを(下のコメントを見ると言いづらいけど…)楽しめた。とくに宇宙密室の方はシビアで良かった。らしさ全開の地下密室もまぁまぁ好きだけど。
そしてここまでくるとキャラクタの動きもかなり活発。いろんなところにあった伏線も回収され始めて、そしてまた謎が出てきて…。読むたびに面白さが増幅されて飽きさせないのは僕だけでしょうか。下を見ると不安になる…。

No.12 5点 まさむね
(2014/08/03 23:39登録)
 このシリーズも9作目。「空前の地下密室と前代未聞の宇宙密室」なのだそうです。
 地下密室は,まぁこの作者らしいのかもしれませんが,宇宙密室はどうかなぁ?あっちの国まで巻き込んじゃっているという意味で,確かにスケールはデカいけれども…。それと,読んでいて何か疲れちゃったなぁ…。
 ちなみに,短編も含めて,このシリーズは発売順に読んだ方が確実に楽しめますね。

No.11 7点 KOB
(2012/09/10 23:20登録)
森ミステリらしいトリック、短編とのリンク、最後のオチといいVシリーズの中でもなかなか楽しめた。
ただ、宇宙密室だけはいただけない。
もう少しまともな真相だったら10点だったのに。

No.10 6点 ムラ
(2011/09/23 18:34登録)
短編集で出てきた設定をここまで色濃く使うとは思わなかった。
シリーズの中ではテンポも良くキャラも段々強く染まってきているので楽しめた。
トリックとしては、封印再度以来の専門臭が強い作品だろうか。
ただ、宇宙飛行士の密室殺人についてはガッカリされても仕方ないね。事実がっかり。これ密室って煽り文句つけちゃダメだと思う。初めのインパクトは強いが、拍子抜けするだけ。
ただ、最後の入れ替わりだけは騙された。泣きマネ美味いね紅子さん

No.9 6点 vivi
(2008/01/20 16:05登録)
今回はかなり動きの大きな作品でした。
なんせ宇宙と地下の事件で、スパイとかテロとかもあり・・・

まあ、地下の事件の方は予想の範囲内でした。
森ミステリでは、ありがちなトリック(?)でしたね。

じっくりと推理を働かせる場面は少ないのですが、
キャラの勢いに魅かれて、ついつい読み進んでしまうシリーズです(^^;

No.8 8点 ばやし
(2005/08/11 11:35登録)
会話のテンポも早くて読んでいて全然飽きないし一度読み始めたら最後まで読んじゃいたくなりました!小鳥遊君と紫子さんの会話は本当最高v(´∪`)vけっこう前に短編集でちょろっと出てきた纐纈苑子さんとか懐かしい小田原長沿氏なんかも出てきて盛り沢山な感じでしたヽ(◎^◇^◎)ノ森先生の作品は本当密室が多い(笑)毎回感心しちゃってます(>Θ<)次回作も楽しみ〜!!

No.7 10点 ***
(2005/01/06 01:57登録)
Vシリーズの中では一番面白かったです。
トリックは・・・あまり理解できなかったけど(苦笑)

No.6 1点 モトキング
(2004/01/06 16:10登録)
何でしょう?何なんでしょう?これは。
帯広告の文書はかなり過剰。宇宙密室ぅ〜? そんなんは、登場人物が文中で推理によって解くようなトリックにだけ言って貰いたい。
これは、私の思うミステリでは、絶対にない。
SF+スパイ+ミステリ系を中途半端に混ぜ合わせ、いずれのジャンルでも成功を収められなかったような駄作。
もしや、これが最終作の伏線的意味合いでも持っているのかな。
…そうじゃなかったら、本当にどうしようもない駄作だ。
ストーリーも面白くないので、個人的には今シリーズ最低です。

No.5 6点 なりね
(2003/12/31 14:27登録)
これはミステリじゃないかも。
でも話は面白い。

No.4 3点 レン太
(2003/07/05 14:46登録)
これはキツイ…完全に「行き詰まり」を感じてしまいました。謎解き、人物像の掘り下げ両面で。

No.3 5点 あこ
(2002/06/24 01:56登録)
事件の動機が不十分で理解しがたい。実際人を殺す理由がいちいち理解できてもこまるのですが。シリーズがややマンネリぎみでこういうトリックになったのか?

No.2 5点 そう
(2002/06/11 20:17登録)
トリックは赤川次郎の某作品を思わせました。ミステリ要素のある小説として読んだ方が無難です。

No.1 4点 okuyama
(2002/05/18 21:58登録)
他の作家は考えつかないようなトリック。
しかし、イマイチ盛り上がりに欠ける。
事件を巡る人々をもう少し書き込んでも良いのでは・・・?

17レコード表示中です 書評