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ミステリの祭典

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レン太さんの登録情報
平均点:6.91点 書評数:23件

プロフィール| 書評

No.23 9点 そして扉が閉ざされた
岡嶋二人
(2007/09/25 23:30登録)
何故これまで手に取らなかったんだろう…と後悔しきり。これだ!これが読みたかったんだ!!と読み終えて強烈な満足感を覚えました。所謂「フーダニットもの」で、これ以上の作品を私は知りません。たった4人(+被害者)しか出て来ないにも関わらず、この謎解きの充実感…凄い。


No.22 8点 戻り川心中
連城三紀彦
(2004/11/14 11:42登録)
『戻り川心中』
この人の文章は非常に美しいです。完全に文学の粋。最近のライトな文体に慣れてしまった人にはともすれば「たるく」感じられてしまうかも知れませんが。
表題作も傑作だが「桔梗の宿」の最後の一文には目頭が熱くなりました。切ないですよ〜。
過小評価されてしまっている作家の中でも、最高レベルの人だと思います。


No.21 5点 陰摩羅鬼の瑕
京極夏彦
(2003/08/14 10:05登録)
うーん…評価が難しいなー…単純に読み物とすれば、決してつまらない作品では無かったのですが、矢張り「5年振りの京極堂」って事で、こっちが期待しすぎた感はありますね。
ただ、それを差し引いても内容がちょい薄だった様な。少なくとも、ここまで分厚くする必要性があったのかどうか、というのが正直な所。


No.20 5点 二の悲劇
法月綸太郎
(2003/07/27 02:52登録)
おわ〜、ちょっとキツかったなぁ…執筆当時の作者の混沌とした精神状況が垣間見える様な陰々滅々とした文体と内容。トリックも割と解り易かったと思いますが、この作品はそういう所を楽しむ類いじゃ無いのかな?
終盤で二転三転する展開は「法月節」と言えるでしょうね。


No.19 8点 霧越邸殺人事件
綾辻行人
(2003/07/26 01:36登録)
この小説って、謎解きのロジックやらフーダニットよりも、ケレン味たっぷりの夢幻的な雰囲気を楽しめるか否か、が評価の分かれ目では、と感じました。私は十二分に堪能しましたので、この点数。最後の一行が最高でした。


No.18 8点 過ぎ行く風はみどり色
倉知淳
(2003/07/25 03:02登録)
やるせなさと、ある種の爽やかさが入り交じった読後感はなかなかのものでした。文体は読み易くて心地よいし、謎解きも「そんな馬鹿な!」と思いつつもロジックとしては納得だし、何よりも最後の殺人の伏線が(トリックとは無関係)あの台詞だった事には拍手喝采。
やはりこの作家、ただ物では無さそうです。


No.17 5点 塗仏の宴
京極夏彦
(2003/07/22 03:32登録)
これはちょっとハズレに近いかも…「支度」の方は「何が起ころうとしているのか」と引き付けられたのですが、そのオチが「何じゃそりゃ?そんな事かいっっ!!」って感じでやや脱力。これまでのシリーズの第1期総決算的な意味合いの作品なのかな。「あの人」を殺してしまったのは残念でした。


No.16 9点 魍魎の匣
京極夏彦
(2003/07/22 03:22登録)
これは凄かった!!前作からプロット、筆力共に格段の進歩を感じさせます。ミステリー、サイコホラー、SF、キャラクターシリーズ物等々、実に様々な捉え方が出来るマルチジャンル小説でもあります。舞台が昭和初期にも関わらず、その辺は如何にも現代風ですね。


No.15 2点 空飛ぶ馬
北村薫
(2003/07/22 03:12登録)
これ程読み手によって評価の異なる作品も珍しいのでは…私は正直ダメでした。登場人物に全く感情移入が出来なかったのです。文章&物語の進め方も私が心地よいと感じられる物ではありませんでした。かなり期待して読んだのですが、残念でした。


No.14 7点 ガラスの麒麟
加納朋子
(2003/07/22 03:07登録)
最終章以外は相変わらずお見事ですが、私はこのラストがどうにもインパクト不足に感じてしまいました。こちらが期待しすぎた、というのもあるのですが「ななつのこ」等の鮮やかな着地と比べてしまうと、やや劣る感は否めません。


No.13 7点 暗い宿
有栖川有栖
(2003/07/22 03:02登録)
「ホテル・ラフレシア」がとにかくお気に入りです。陽光降り注ぐ楽しいリゾートホテルを舞台に、二重(推理ゲーム&殺人事件)に進むストーリー、そして最後に訪れるカタストロフ…力作だと思います。イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」の歌詞の意味をこの作品で知った方も多いのでは?あんなに意味深な歌だったのですね。


No.12 9点 孤島パズル
有栖川有栖
(2003/07/22 02:53登録)
やっぱり有栖川は「学生アリス」に尽きる!!一般的には次作「双頭の悪魔」の方が高評価ですが、私はこちらを推させて頂きたい。南海の弧島という設定が推理ミステリーに留まらない「冒険譚」の趣きを強く感じさせる所が好きです。


No.11 7点 星降り山荘の殺人
倉知淳
(2003/07/15 09:28登録)
よくある(あり過ぎる)話立て、よくある登場人物設定、よくある犯罪のパターン…などなど、確証アタマのアレを除けば、終盤までは凡庸な印象も、最後の最後で大逆転!!「え…ええ…?えええぇぇ〜〜っっ!!」って感じでしょうか、一瞬「え…何が起こったの?」って程に「物語の構造自体を根底からひっくり返す」このラストの展開は凄い。「よくある」と感じられた様々の部分も、ひょっとしたらあのラストをより引き立たせる狙いだったとしたら…侮れません、この作家。


No.10 9点 レベル7
宮部みゆき
(2003/07/14 16:52登録)
面白かった!!その一言。確かに「ミステリーか?」と問われれば必ずしもそうでは無いのかも知れませんが、この作劇、プロット、展開の巧みさ。ストレートとカーブだけで打者を牛耳って行く本格派投手の胸のすく様なピッチングを見る思いでした。そういう投手って、最近いないんですよねぇ…


No.9 8点 ななつのこ
加納朋子
(2003/07/12 18:33登録)
北村薫氏の「円紫師匠シリーズ」にはどうにも馴染めなかったので、さほどの期待を持たずに読んだのですが、これは面白かったです!!主人公に素直に感情移入出来ましたし、文章の運びが涼やかでとても心地良かったです。「心の足長おじさん」と言った所でしょうか。


No.8 10点 火車
宮部みゆき
(2003/07/06 23:11登録)
いや圧巻。冗談で無く「明日は我が身」の犯罪、犯人像。それが徐々に解き明かされていく展開が絶品のストーリーテリングとキャラクターメイクによって紡ぎ出され、それに引き摺り込まれて行く感触は「目くるめく」思いがします。ラストシーンは静かです。しかし、鮮烈です。


No.7 9点 模倣犯
宮部みゆき
(2003/07/06 23:05登録)
ある一つの異常な事件を、被害者、加害者のみならずマスコミ、なんとなく関わってしまった人々などを含めた視点から描き出した、作家渾身の大作にして力作。別作品の寸評にも書かせて頂きましたが、とにかく文章力、台詞運びの巧みさには舌を巻きます。犯罪の全貌が国民衆視の中で暴かれるクライマックスは、確かにそれまでの見事過ぎる流れの中に於て、やや唐突にして呆気無い気もしなくは無いが、矢張り「あれだけの事をやってしまった」犯人に対する鉄槌と言うか、最低限のカタルシスをもたらしてくれた、と評価したいです。余りにもやるせないラストが待っている訳ですし。

それにつけても「あの映画」は許せないですな…(溜息)


No.6 7点 とり残されて
宮部みゆき
(2003/07/05 15:21登録)
この作家はとにかく文章が上手い。この短篇集にしても、正直プロット自体は「よくある物」であるにも関わらず、これだけ読ませる筆力は圧巻でさえあります。


No.5 5点 捩れ屋敷の利鈍
森博嗣
(2003/07/05 15:06登録)
結局犀川&萌絵頼みなんかいっっ!!なんてね。嬉しかったんですが(笑)

このシリーズ、保呂草を語り手に設定してしまった事が、逆に作者を苦しくさせてしまった気がしてならないのですが、この作品ではそこを利点として活かしていた様に思います。

ただ裏表紙の「探偵は前代未聞の方法で犯人を言い当てる」って…◯◯した、って事なのでしょうか?そりゃ無いっしょ!!


No.4 9点 今はもうない
森博嗣
(2003/07/05 14:55登録)
こういう終わらせ方、好きだなぁ!!ラスト一文の清清しく、かつ深い味わいは「ディス・イズ・森博嗣」といった趣きですね。

単品で読める類いの小説ではありませんが、この作品世界&登場人物達にシンパシーを持つ方にとっては正に「シリーズ最高傑作」なのでは無いでしょうか。私も同様です。

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