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ミステリの祭典

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viviさんの登録情報
平均点:6.50点 書評数:327件

プロフィール| 書評

No.207 7点 妖婦の宿
高木彬光
(2008/05/24 02:02登録)
比較的初期の短編集ですが、ロジカルな秀作多し。
表題作は犯人当てイベントの出題作品ですが、
なかなかの力作で、結末にびっくりしました。

神津シリーズの初期の短編は、かなりレベル高いと思います。


No.206 7点 幽霊船が消えるまで
柄刀一
(2008/05/23 21:58登録)
前作からの続きとなる連作短編集です。
事件自体は、結構込み入った感じになってきて、
私好みのロジカルな作品が多く、堪能できました。
キャラクターの色んな事情、ドラマも興味深いです。
まあ、次から次へとサクサク事件が進みすぎるのがびっくりですが(笑)
龍之介のキャラクター、ほんわかしていい味が出てきました。


No.205 7点 仮面よ、さらば
高木彬光
(2008/05/22 01:14登録)
墨野隴人シリーズの第5弾にして、最終話。
タイトルどおり、墨野の仮面が剥がされる話です。

これを読んだ当時は、ミステリ初心者で、
ただただ素直にこのシリーズを楽しんでいたので、
この結末には、それこそ天地がひっくり返る思いがしました。

脳梗塞で倒れた高木氏が、必死の思いで完結させたシリーズです。
もっと健康で、気力の充実した時期に書けていたら、
もう少し違う読後感を得ることが出来たのだろうか・・・
しかし、ともかくも完成して良かった。
それだけで、作者に感謝の念で一杯です。


No.204 5点 現代夜討曽我
高木彬光
(2008/05/22 01:04登録)
墨野隴人シリーズの第4弾。
これだけ出版社が違って、集めるときに嫌だったですが。

歌舞伎でも有名らしい、曽我兄弟の仇討ち劇が題材ですが、
勉強不足にて知りません(^^;
でも、作中にはちゃんと解説がされているので、大丈夫でした。

作品自体は、新事実の判明でどんどん進んでいく感じで、
ちょっと物足りないところもあるのですが、
これは墨野隴人シリーズを読む上では欠かせない話ではあります。


No.203 6点 大東京四谷怪談
高木彬光
(2008/05/20 01:53登録)
墨野隴人シリーズの第3弾。
四谷怪談に見立てるような連続殺人ということで、
高木作品の中でも、おどろおどろしい部類に入りますね。
刺青という道具立ても、効いています。

この作品、当時の本格としては珍しい怪談仕立ての終わり方で、
論理・秩序を作品世界が侵食したというような最後ですが、
実は作者の深慮遠謀が・・・乱歩まで出して・・・すごいです。


No.202 5点 殺意は砂糖の右側に
柄刀一
(2008/05/16 00:37登録)
龍之介の天然ぶりが、なんとものどかな連作短編集。
博学にしてIQ190という探偵役を生かすためか、
理系トリックを中心にした作品集になっています。
非常に論理的に事件を読み解いていく龍之介なのですが、
キャラクターのせいか、作品全体がおっとりしている感じ。
スピード感とか迫力を置き去った作品世界ですね。

という具合なので「ここがこうだ!」という点は無いのですが、
殺伐としがちなミステリにあって、特殊な存在かも。
癒し系(?)龍之介の今後に期待します。


No.201 6点 ドッペルゲンガー宮「あかずの扉」研究会流氷館へ
霧舎巧
(2008/05/13 00:50登録)
ユーモア調の軽い文体に、大仕掛けトリックを詰め込んだ作品。
本格への愛は感じますけど、取っ散らかった印象も。
可能不可能とかいう、野暮なことを言うつもりはないのですが、
ぐいぐい引き込んでいくパワーがもう少しあればな~と思いました。
(『翼ある闇』みたいな破壊力と言い換えてもいい)

キャラも、どうせならもうちょっと立ってて欲しかったかな~。
ユイ以外が、ちょっと地味なんですよね・・・

なんて小言風に書いてますけど、デビュー作ですもんね。
そして、久々に徹夜した作品でもありました♪


No.200 8点 4000年のアリバイ回廊
柄刀一
(2008/05/08 20:53登録)
『3000年の密室』も読み応えありましたが、
今回もかなりのボリュームで考古学のロマンを描いています。
そもそも最初の死体発見シーンにやられました。
深海1000メートル。マリンスノーが降る静かな海底に立つ死体・・・
立っているところが、何ともファンタジーですね。

ところが、その謎を超える興味の中心が、
やっぱり遺跡から発掘される縄文のムラの謎。
小出しにされる様々な情報が、じれったいのが玉に瑕ですが、
読者を焦らすのが柄刀氏の目的なら、見事達成と言えるでしょう。

ラストシーンは最初は蛇足かと思ったけど、
これがあるからいいのかも・・・と最後にはジーンとして読みました。


No.199 7点 てのひらの闇
藤原伊織
(2008/05/06 01:50登録)
『テロリストのパラソル』ほどの疾走感は無いけど、
キャラクターが等身大で非常に魅力的です。

主人公が知りたいと願っているのは、「犯人」などではなく、事件の奥にあるもの、「心」だったのですよね。
読者も次第にその1点に興味を追いやられていくので、
それが分かったときに、主人公同様「もういいや」と思いました(笑)

思うけど、ハードボイルドと言うには「甘い」のですね。
そこが私にとってはいいのですが。


No.198 8点 あした天気にしておくれ
岡嶋二人
(2008/05/06 01:40登録)
『焦茶色のパステル』よりは、競馬社会に突っ込んでる感じで、
専門性は強かったかもしれません。
しかし、その「競馬」という世界が舞台であることが、
見事に作品の必要性となっていて、ポイントが高いです。

誘拐もので、倒叙もので・・・という定型から、
一気にスライドしていくサスペンスは秀逸だし、
ラストの無力感もいい味を出していますね(^^)


No.197 6点 虹果て村の秘密
有栖川有栖
(2008/05/06 01:33登録)
ジュブナイルなので、ムキになって読むのは無しです(笑)
ロジックを書きたかったんだな~という姿勢は分かりますし、
ここで『スイス時計』みたいな論理を書いたら、
子供は理解できないでしょうから(^^;

でも、読後感が非常に清清しくて、
「もう一度子供になってミステリ読みたい」と思いました。
いい物語です♪


No.196 6点 迷路荘の惨劇
横溝正史
(2008/05/02 19:16登録)
久しぶりに読み返してみましたが、
中村青司ですか!というくらい、抜け穴などのある設定。
密室のトリックなども金田一耕助自ら言うように、子供だまし。
じゃあ何かといえば、そういう設定そのものが「煙幕」なのかな~。

結末も含めて、ちょっといいとこ取りしようとしすぎた感もありますが、
横溝ワールドの盛り合わせと思えば、楽しいです♪


No.195 7点 探偵映画
我孫子武丸
(2008/04/26 00:14登録)
ミステリ映画を撮る人間の話という構造が、あってこその作品。
こういう意図なら、メタも納得して読めます。
一体、どういう落ちをつけるのかとドキドキしながら読んで、
最後に、見事にアッと言わされてしまいました(^^;
う~ん、まだまだ読みが足りないな~。(楽しかったけどw)

マニアックに出てくる映画が古すぎて、
全然ピンと来なかったのが、ちょっと悲しかったです。


No.194 7点 一、二、三-死
高木彬光
(2008/04/24 02:22登録)
墨野隴人シリーズの第2弾。
予告殺人&連続殺人を扱った作品。
多少まだるっこいところはありますが、
読んだ当時は、うぶなミステリ読みだったので(笑)
最後の犯人と動機には驚きました。

墨野の謎めいたところが、かなり気になってきますね。


No.193 7点 黄金の鍵
高木彬光
(2008/04/24 02:04登録)
墨野隴人シリーズの最初の作品。
連続殺人の犯人を突き止める話ではありますが、
小栗上野介の埋蔵金伝説の謎も絡めた歴史ミステリ風でもあります。
実際、犯人を指摘する場面より、埋蔵金伝説の解明のほうが、
盛り上がっていたかも(^^;

探偵役の企業アナリスト・墨野隴人と秘書の上松三男。
そして、事件に巻き込まれた村田和子。
シリーズの重要キャラが丁寧に描きこまれています。


No.192 8点 四季
森博嗣
(2008/04/22 01:41登録)
「春」「夏」「秋」「冬」と一気に読んで、
S&Mシリーズ、Vシリーズ、百年シリーズの伏線が、
一気に解説されていく様を、陶然と見ていました。

もちろん、各シリーズを読むうちに気づいていた面がほとんどですが、
やはり、キチンと解き明かされるのと想像とでは違いますもんね。

厳密にはこれだけでミステリというのは弱いので、
まずは、各シリーズを読んでから読むのがいいと思います☆


No.191 8点 迷宮百年の睡魔
森博嗣
(2008/04/16 01:27登録)
百年も未来に、森ワールドは広がっていたんだ!と感動。
ネタバレになるので多くは語れませんが、
最初の作品に垣間見られるテーマが、この百年後の世界を作っているわけで。
3部作になるということなので、次の3作目が楽しみです。

こうして、みんな彼女のトリコになっていくんだな~と実感。


No.190 5点 女王の百年密室
森博嗣
(2008/04/12 00:10登録)
密室なトリックは、やはり強引とも言える力技。
でも、森作品をず~っと読んでいると、予想がつきます。
主人公についても、色々伏線はあったし、
語られて納得、という感じですね(^^)

ただ、この作品はその世界観こそがメインです。
そして、違う世界観の場所にいきなり入って、
混乱したり、憤ったりという主人公の思考の展開は、
確かに読んでいて苦しい、重いものではあるけど必要ですね。


No.189 7点 レベル7
宮部みゆき
(2008/04/05 18:49登録)
面白かったです♪
何というか、隠された部分が収斂していく様が。
謎解きとか犯人当てとかの分野ではないけれど、
結局虚構の世界、楽しんで読むべきかな~と思いました。
やっぱ、これくらい勧善懲悪でやってくれないと、ね☆

宮部流「御行の又市」かな~と思ったりもしました。


No.188 7点 三毛猫ホームズの推理
赤川次郎
(2008/03/31 23:55登録)
軽妙なキャラクターたちの活躍が見られる人気シリーズも、
この「推理」から始まったのですが、
これはかなりディープな作品です。
意外な犯人と悲劇的結末・・・
シリーズ初期はトリックなども本格的でしたよね。

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