妖婦の宿 神津恭介シリーズ |
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作家 | 高木彬光 |
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出版日 | 1982年07月 |
平均点 | 7.27点 |
書評数 | 11人 |
No.11 | 8点 | 蟷螂の斧 | |
(2019/12/03 17:11登録) 角川文庫版ではなく春陽文庫版で読みました。内容が相違していますので表題作のみの書評となります。傑作と言われる密室ものは、「なーんだ?!」というものが多かったのですが、本作は成程と頷けました。犯人が判明し、それはないだろうと突っ込みを入れようとしたら、ちゃんとした説明があり、更に一捻り。参りました(笑)。「日本探偵作家クラブ」例会での犯人当てクイズのテキスト。 |
No.10 | 10点 | フランコ | |
(2018/01/10 15:48登録) 犯人当て小説として『妖婦の宿』と『達也が嗤う』は双璧ですね。だまされる快感を最高度に味合わせてくれる。こんな衝撃なかなか味わえませんもの。 |
No.9 | 6点 | パメル | |
(2017/09/21 01:06登録) 四編からなる短編集だが「妖婦の宿」の出来が抜きんでている 被害者が殺される前に人形が殺されるという設定といえばこの作者の「人形はなぜ殺される」が有名ですが、この作品では違った意味で人形が重要な鍵を握っている 犯人を一人に絞る緻密なロジック、心理的盲点を巧妙に突く仕掛けがお見事 密室殺人を扱った短編では必ずと言っていいほど取り上げられるのも納得 ただし他の三編を合わせての総合評価となるとこの点数になってしまう |
No.8 | 7点 | メルカトル | |
(2017/07/17 22:30登録) 何と言っても表題作に尽きますね。他の方の書評でも分かるように、すこぶる評価が高いのが読めば納得できます。 本作は探偵作家クラブの新春の例会で、犯人当ての余興として読み上げられた作品ですね。これは有名なエピソードなのでご存じの方も多いと思います。 実際読んでみると、読者の心理を逆手に取っての密室は見事であり、大袈裟ではなく日本の密室物を代表するミステリと言っても過言ではないでしょう。今では入手困難になっているかもしれませんが、未読の方には是非読んでいただきたいですね。 これは騙されますよ。しかも意表を突いた真相には驚かされるばかり。 余談ですが、高木彬光の初期の作品は長編、短編問わず傑作、佳作が多いので、いずれまたブームを起こして復刻されると嬉しいと思います。 |
No.7 | 7点 | 斎藤警部 | |
(2017/05/09 01:05登録) 卑怯と思わせない圧倒の詐欺力!! それは名高い表題作!! 他はどれも、旧い昭和を偲ぶに良いノンビリ作品たち。 殺人シーン本番/紫の恐怖/鏡の部屋/妖婦の宿 (角川文庫) それにしても、日本探偵作家クラブの正月恒例「犯人当てゲーム」って、、そのテキスト朗読の風景を想像したらもうたまりません。タイムスリップ出来たら是非、居合わせてみたい場所、吸ってみたい空気と、煙草の煙。。 |
No.6 | 6点 | makomako | |
(2015/11/29 19:46登録) 犯人当ての本格推理小説は犯人がわかったためしがないのですが、これはすぐにわかりました。ヤマ勘でなくきちんと理由もわかったことはひょっとしたら初めてかもしれません。私もいやな読者となってしまったのかもしれません。 大体推理小説で犯人がわかってしまうと読む興味が薄れる傾向にあるのですが、本作品は初めのほうでトリックがわかってしまったのですが、読む分には面白さが減じるといったことはありませんでした。小説として優れているということなのでしょう。 |
No.5 | 7点 | ボナンザ | |
(2014/04/08 00:42登録) 達也が嗤うと並ぶこのイベントの名作だ。普通にだまされた。 |
No.4 | 6点 | kanamori | |
(2011/03/02 18:37登録) 神津恭介シリーズの短編集(角川文庫版)。 表題作は、各種アンソロジーなどで読めるいまさらながらの傑作。シリーズものを逆手に取った叙述の技巧と密室トリック、ロジックの緻密さなど、作者のベスト短編に間違いないでしょう。 他の3編「殺人シーン本番」「紫の恐怖」「鏡の部屋」は、いずれも一発ネタ・トリックで、表題作と比べると物足りない。総じて、怪奇&不可能趣向は、カーの影響が覗われるように思う。 |
No.3 | 8点 | E | |
(2009/07/19 20:52登録) 読み応え有り!! 表題『妖婦の宿』は騙されてしまいました。「んん?」と感じた部分はありましたが、事件トリックは完成されたものだったので良し!ですな。 |
No.2 | 8点 | 江守森江 | |
(2009/07/08 01:19登録) 但し書き 作品集として入手出来ず表題作「妖婦の宿」のみを「密室遊戯」(鮎川、島荘監修アンソロジー)で見つけて読んだ。 よって採点、書評共に「妖婦の宿」単独です。 読者挑戦物短編の最高峰を鮎川「達也が嗤う」と分け合う傑作だろう。 一つの大事な手掛かりから論理的に導かれる犯人。 心理的密室トリックを囮にした結末の大技! 作者を打ち取って解決編前に正解に辿り着いても素晴らしいと賞賛出来る。 読者挑戦物好きで未読なら是非とも手にして欲しい。 |
No.1 | 7点 | vivi | |
(2008/05/24 02:02登録) 比較的初期の短編集ですが、ロジカルな秀作多し。 表題作は犯人当てイベントの出題作品ですが、 なかなかの力作で、結末にびっくりしました。 神津シリーズの初期の短編は、かなりレベル高いと思います。 |